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第1話~白い空間から落とされました~

初投稿です。

よろしくお願いします。


ぅきゃあぁぁーーーっっ



雲の上から地上に向かって真っ逆さまっっ

身一つのスカイダイビング状態



なんで、なんで~~!?


このままじゃ確実に堕落死…痛いのイヤーっっ

でも風圧が強すぎて気も失えない!


せっかく生き返ったばっかでこんなのイヤすぎるぅーーっっ




そう、私、生き返っちゃったの。

車に追突されそうになった犬をかばって自分が車に撥ねられ、一度はご臨終になったのだ。

その時は夢中で一瞬の出来事のように感じたけど、遠くで救急車のサイレンと

誰かの悲鳴が聞こえた気がしたところで真っ暗闇に包まれた。




そして気がつくと何も無い真っ白な空間に居た。

立っているのか、浮いているのかもワカラナイ。


ここはどこなんだろう…

私、死んじゃったのかな…

ここはアノ世って所かしら?

あの犬は助かったのかな…

なんて事をぼんやり考えていたら突然、声が聞こえた。


『そなたが救った者は生きておる。だがそなたは死んだことになっておる。

そして、ここは〔あの世〕とやらではない』


!!!!!だ、誰?!


どの方角から声がしたか分からず、私はきょろきょろと辺りを見回した。

でもやっぱり真っ白なままで、何もない。


とりあえずよくわからないが私は死んじゃったらしく、あのワンちゃんは生きているらしい。

良かった。

せっかく庇ったのにワンちゃんもご臨終になってたら死に損だしネ。

出来れば私も生きていたかったケドさ…

とりあえず此処はどことか誰の声とか難しく考えるのは置いとこう、うん。


『何ゆえ己の命をかけてまであの者を助けたのだ?』


謎の声が私に問いかけた。

は?っと思ったけど、しばし理由を考える。


「ええと~、深い意味はなかったんです。咄嗟の事でしたから。何故と聞かれても困っちゃいます…」


だって咄嗟に体が動いちゃったんだもん。

あえて理由を言うなら…そこに犬がいたから?


『…左様か。意味は無い…と。 …まあ、良い。

ところで、そなたは、このままだと輪廻の輪に入ることになるのだが…』


「はぁ、天国とか地獄とかに行くワケじゃないんですね~」


『命は輪廻の輪を巡り世に出でる。そして天命を全うした命はまた輪廻に入る。その繰り返しだ』


「そうなんですか~、てっきり閻魔様に会って天国行きか地獄行きか判断されるかと思ってました~。

じゃあ、私はこのまま生まれ変わるってことですか?」


『それがそなたの望みなら。だが、そうではない選択肢も、ある。

そなた、世に未練があるのではないか?別の道を選ぶならば、その未練も成就するやもしれんが。』


!!ぎくっ。

み、未練…なんで、未練あるってバレたの?!



私の未練。

それはズバリ!

素敵な男性と恋愛して幸せな家庭を築くこと!!



つい2ヶ月前に大学生になったばかりの18歳な私は、カレシいないのも18年。

えぇ、カレシいない歴=年齢というヤツです(泣)

幼い頃から薙刀を習っていた私は、日々の稽古と勉強、それに母も祖母も他界しちゃったから

家事もしていたのよ。

なかなか多忙な学生時代を過ごして来たので、恋愛に対して憧れはあったものの、

いかんせん時間が無い…


でも!


父も1年前に再婚して新しい奥さんとラブラブ生活を送りやがってる。

私も大学入学を機に地元を離れて一人暮らしを始め、時間もできた。

これからですよ!

私は恋活に励んで、絶対に素敵な恋人みつけてラブラブ生活を送るのだーーっ

そして、ゆくゆくはラブラブな恋人同士からラブラブな夫婦となるのだーーっっ

て、意気込んでた矢先に犬を庇って、こうなっちゃったの。

恋人ナシなのはおろか、恋愛もしないまま、キスも未経験なまま人生終了するのは

いくら楽観的な私でも、ちょっと切ないゾ。


なので私は真っ白な空間に声高に告げた。


「未練、あります!売るほどあります!一度も恋愛しないままなんて悲しいです!」


『……左様か。では、そなた、余の世界にて生きてはみぬか?』


はい?!…えーと、意味がワカリマセン。ここは素直に聞いてみようか。


『余の世界とそなたが今まで居た世界は異なるところに存在する。

他にもいくつかの世界が存在しているのだが…

実はの、余の世界の活性化のために異世界の者を余の世界に招き入れておるのだ。

極稀にではあるがな』


私の心を読んだかのように、『声』が続く。


『もちろん、招き入れる者は見極めている。そなたは余の世界に適合できる性質の持ち主であるうえに

無償で命を救った性質の持ち主だ。害はないであろう。』


……害はないって…なんなんだ?


『だが、そなたに強要はできぬ。このまま輪廻の輪にはいるか、余の世界で生きるかは、

そなたの自由だ。いかがするか?』


「あの~、今更なんですが、あなたはどなたなのでしょうか?神様ですか?」


質問に質問で返す私。だって気になるし。


『余は神という存在ではない。言葉にするならば、世界の監視をする存在だ。』


「…わかりました。(本当はわかっちゃいないけど~まぁ、いっか)とりあえず私は、

このまま輪廻の輪とやらに入って生まれ変わるか、あなたの世界とやらで、

もう一度生きてみるかの二者択一なんですね?」


『いかにも』


ふむ、どうしよう。

道理を通すなら輪廻の輪行きだよね。それが命の流れみたいだし。

でも、目標(恋人ゲットして後にラブラブ夫婦)を達成せずに、この命を終わらせるのもイヤかも…


うん、決めた。


「あなたの世界に行きます。(そして目標達成するのダ)」


『うむ。では、そなたに余の世界で生きていく力、心身強化や意思疎通能力を授けよう。

おおいに余の世界を活性化してくれ。期待しているぞ。』


「はぁ…ありがとうござ………ぁぁあああ~~~っっ」


突如、真っ白だった空間に色ができた。

私の足元に真っ青な空。


足元に……空?!!


ぅきゃあぁぁーーーーっっ


落ちてます、私。

ものすごい風圧です。

『監視者』のばーかーやーろーーっ


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