ギフトの選択
なろラジ7の参加作品です。よろしくお願いします。
ある若い男が夢を見た。
夢の内容は白一色の世界に男が浮かび、同く白一色の衣をまとった人物が現れた。
寝ている男は「これは夢だと」確信している。
なので今いる世界や、目の前の不思議な人物に驚かない。
不思議な人物は言う。
「お前にギフトを与えよう」
「へぇ~、こんな漫画やラノベみたいな王道展開って本当にあるんだな」
夢の中で男は感心する。
「はい。ギフトください」
不思議な人物は神といえば神、悪魔といえば悪魔。
何とも形容しがたい存在。
「では、『女』がいいか? それとも『女でない』ほうがいいか?」
形容しがたいこの人物は男に更に問う。
「う~ん。『女』と言ったら、なんか悪そうだな。どうせ夢だし『女でない』ほうにしよう」
そう考えた男は「『女でない』ほうでお願いします」と答えた。
朝。
男は目が覚めた。
この日は12月7日の日曜日。
あの夢のやり取りだけが妙に鮮明に覚えている。
その前の状況や、あの「『女でない』ほうでお願いします」と答えてからの状況は、まったく覚えていない。
「しかし、妙にリアルだったなぁ。『女』と答えたら、ものすっごい美女がベッドで一緒に寝ていたのかな?」
そう独り言を言いながら、顔を洗い、朝食をとろうと男は冷蔵庫へ。
「バナナとヨーグルトくらいしかないよな。まぁいいや」
すると、何やら四角い箱が冷蔵庫の中に入っていた。
男には覚えがない箱。
「なんだこれ? クリスマスケーキの箱みたいだな。こんなの買った覚えはないぞ」
そう言って、テーブルに白い箱を置き開けてみると、本当に白い粉砂糖がまぶされたシュトレンが入っていた。
「あ~、確かアドヴェントで毎日一切れずつスライスして食べるやつだな。でももう7日だし全部食っちまおう」
男はこのシュトレンを全部食べてしまった。
12月10日の水曜日の夕方。
男の勤める会社の上司が、この男の住むマンションを管理人と共に開ける。
無断欠勤などしない男で連絡もとれず、上司は男のマンションを訪ねたのだ。
そして、2人は仰天する。
発見されたのはテーブルで白目をむいてまったく動かないこの男。
即座に病院に搬送されたが、死亡が確認されただけだった。
男の死因は、亜ヒ酸が混入されたシュトレンを食べたこと。
ギフト。
(das) Gift 中性名詞 意味は『毒』
(die) Gift 女性名詞 意味はそのまま『ギフト』
Arsenik ist ein sehr gefährliches Gift.
「亜ヒ酸は非常に危険な毒物である」
「ギフト」と聞くと「毒」のほうを思い浮かべる作者なのでした。
【読んで下さった方へ】
・レビュー、ブクマされると大変うれしいです。お星さまは一つでも、ないよりかはうれしいです(もちろん「いいね」も)。
・感想もどしどしお願いします(なるべく返信するよう努力はします)。
・誤字脱字や表現のおかしなところの指摘も歓迎です。
・下のリンクには今まで書いたものをシリーズとしてまとめていますので、お時間がある方はご一読よろしくお願いいたします。




