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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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短編、その他

ギフトの選択

作者: 大野 錦
掲載日:2025/12/07

なろラジ7の参加作品です。よろしくお願いします。

 ある若い男が夢を見た。


 夢の内容は白一色の世界に男が浮かび、同く白一色の衣をまとった人物が現れた。


 寝ている男は「これは夢だと」確信している。


 なので今いる世界や、目の前の不思議な人物に驚かない。


 不思議な人物は言う。


「お前にギフト(・・・)を与えよう」


「へぇ~、こんな漫画やラノベみたいな王道展開って本当にあるんだな」


 夢の中で男は感心する。


「はい。ギフトください」


 不思議な人物は神といえば神、悪魔といえば悪魔。

 何とも形容しがたい存在。


「では、『女』がいいか? それとも『女でない』ほうがいいか?」


 形容しがたいこの人物は男に更に問う。


「う~ん。『女』と言ったら、なんか悪そうだな。どうせ夢だし『女でない』ほうにしよう」


 そう考えた男は「『女でない』ほうでお願いします」と答えた。




 朝。

 男は目が覚めた。

 この日は12月7日の日曜日。


 あの夢のやり取りだけが妙に鮮明に覚えている。

 その前の状況や、あの「『女でない』ほうでお願いします」と答えてからの状況は、まったく覚えていない。


「しかし、妙にリアルだったなぁ。『女』と答えたら、ものすっごい美女がベッドで一緒に寝ていたのかな?」


 そう独り言を言いながら、顔を洗い、朝食をとろうと男は冷蔵庫へ。


「バナナとヨーグルトくらいしかないよな。まぁいいや」


 すると、何やら四角い箱が冷蔵庫の中に入っていた。

 男には覚えがない箱。


「なんだこれ? クリスマスケーキの箱みたいだな。こんなの買った覚えはないぞ」


 そう言って、テーブルに白い箱を置き開けてみると、本当に白い粉砂糖がまぶされたシュトレンが入っていた。


「あ~、確かアドヴェントで毎日一切れずつスライスして食べるやつだな。でももう7日だし全部食っちまおう」


 男はこのシュトレンを全部食べてしまった。




 12月10日の水曜日の夕方。

 男の勤める会社の上司が、この男の住むマンションを管理人と共に開ける。

 無断欠勤などしない男で連絡もとれず、上司は男のマンションを訪ねたのだ。


 そして、2人は仰天する。

 発見されたのはテーブルで白目をむいてまったく動かないこの男。


 即座に病院に搬送されたが、死亡が確認されただけだった。


 男の死因は、亜ヒ酸が混入されたシュトレンを食べたこと。




 ギフト。

 (das) Gift 中性名詞 意味は『毒』

 (die) Gift 女性名詞 意味はそのまま『ギフト』


 Arsenik ist ein sehr gefährliches Gift.


「亜ヒ酸は非常に危険な毒物である」

「ギフト」と聞くと「毒」のほうを思い浮かべる作者なのでした。



【読んで下さった方へ】

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― 新着の感想 ―
75kgの男性が1.5g摂取すると大体50%くらい死にますよね・・・ 精製がきちんとしていて成分が100%に近いならば、無味無臭なのでシュトレンに1.5g量を混ぜてもばれないかな・・・基本、水溶液だ…
大学で第二外国語にドイツ語選択してたのに、ちっとも知らなかった。・゜・(ノ∀`)・゜・。
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