ファイル・009
記録開始
「アーサー!聞いてよ!」
〈なんだ〉
エマがコチラを見る、
先月依頼を達成してからこのようにダル絡みが増えた。
最近の依頼もこんな調子だ。
「私、来月の2月20日に誕生日なんだよ」
〈そうか、よかったな。〉
「も〜アーサー冷た〜い。」
「アーサー、そんなだから女の子にモテない。」
〈モテない、とは何だ?重量のことなら500ニト(600kg)までなら持ち上げられる。〉
なぜか呆れたようにため息を吐く2人。
「そういうことじゃないんだよなぁ。」
と、言いながらギルドに入る。
「よぉアーサー!今日も依頼か?」
〈あぁ、依頼はあるか?〉
「今日はアーサーが依頼受け担当かぁ、、平和な依頼選んでね。」
「アーサーは碌な依頼受けない。」
「前はリザードマンの集落の壊滅、、その前はAランクダンジョンのボスの素材回収、、
今回はどうなるのかなぁ、」
失礼極まりない。効率がよい依頼を選別しているだろうに。
〈これにしよう〉
取った依頼を見たエマとフィールの顔が青くなる
「ド、、ド、、」
「ドラゴン討伐、、Aランク、、」
二人は顔を見合わせ、
「これは流石に、、」
「無理じゃない?」
〈いや、どうせ受けることになるぞ。〉
『はぁ?』
二人が呆れたように言う
「なんで、、?」
〈何故、、と言われても、〉
俺は南南西の方角を指差す
〈この方角、およそ2.65km先から時速180km(秒速50m)で飛来する高魔力体がいるからだ。〉
『え?』
ガーン!ガーン!ガーン!
突然警報が鳴り響く
〔緊急警報!緊急警報!〕
同時、ギルド職員の声が響く
〔南南西の方角より、ドラゴンが飛来!すぐに避難を!!〕
〈言ったはずだ。飛来する高魔力体がいるから、と。〉
「そんなこと言ってる場合じゃな〜い!!」
ギルド長が裏手から飛び出す
「お前ら!聞いたな!仕事だ!」
と、叫ぶ
〈ギルド長、呼称、個体名ゲンド。あのドラゴンの討伐依頼は俺が請け負っている、
俺に任せてもらおう。〉
「な、お、おう、、」
外からドラゴンの咆哮が響き渡った。
〈では、お前らはギルド内で待機していろ、人間よ。〉
「アーサー!」
後ろから聞こえるエマの叫びを無視し飛び出す
〈【通信】
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(こちら突撃機284,返答求む)〉
データ容量確保のためここからは通信手段を日本語に変換し、記録する。
〈こちらは守護機SE2-GU172,そちらの状況は。〉
〈こちらは狙撃機SE2-EP143)なにようか。〉
守護機と狙撃機からの返答、
AS〈南南西よりドラゴン接近、対応を行う。〉
GU〈了、当機も直ちに向かう〉
EP〈了、当機も高所にて支援を行う〉
GU〈問、第六指揮機に支援を依頼するか。〉
AS〈必要ない、我らで対応できる。〉
EP〈疑問、突撃機の言語データに変化を検知、何があった。〉
AS〈その話は後だ、今はドラゴンだろう?〉
GU,EP〈〈了、〉〉
俺は走りながら通信を終え、街の壁面を見る
〈【展開】鋼線射出機〉
バン!
走行から立体機動に切り替え、高速で向かう。
〈狙撃機、今だ撃て!〉
〈了解、【展開】AMR-1、AMR-2、発射〉
AMR anti-materiel rifle 対物ライフル
次の瞬間、銃撃音が複数轟く。
ドラゴンが咆哮を上げ、口腔の熱エネルギーが高まる。
〈守護機、息吹だ。急げ。〉
〈回答、すでに到着している〉
ドラゴンが高音の炎を吐く、が、
守護機がすんでで間に合う
〈【展開】、AMDF〉
AMDF anti-magic defense field 対魔法用防護結界
盾を構え、淡く光る障壁が見えた。
〈では、俺もやらねばな。〉
地面を強く蹴り、ドラゴンにワイヤーを撃ち込んだ。
急激に巻取り、地上、もしくは低空(およそ150m)しか飛行できない突撃機が、空を飛ぶ。
〈【展開】対装甲切断用振動剣、DK-M2〉
冒険者登録時に撃ち込んだこれは、
元来、ドラゴンなどの表皮が硬い鱗に覆われている魔物に使う兵器、
そう、すなわち、龍殺し《Killer》 と。
イェヴィスでドラゴンの背中中央を十字に切り裂き、DK-M2を撃ち込む。
そうして地上に飛び降りた。
〈【格納】、完全勝利だ。〉
ドラゴンの体内で混合爆薬が炸裂、
体内からドラゴンを木っ端微塵に吹き飛ばした。
データ破損
記録終了




