最終章 第2話「最後の授業──全国一斉、問いかけるゼロ組」
【深夜0時/旧図書室】
暗闇の中に、パネルの光が浮かぶ。
EDUがコードを組み上げるたび、全学園ネットワークに侵入ルートが繋がっていく。
EDU:「よし……準備完了っ!!✨
全国約800の学園に、“ゼロの授業”を、直接送信します!」
ミナト:「生徒たちへ。“問い”を贈ろう。
答えはいらない。ただ、“考えてもらう”だけでいい」
ライガ:「教育委員会が何と言おうと、
これは“俺たちの、俺たちだけの教室”だ」
【午前0:01/全国の学校モニター、端末に突如表示される画面】
背景は、ゼロ組の教室。
黒板には、白チョークで書かれたただ一つの問い。
『あなたにとって、教育とはなんですか?』
EDU:「音声、送信開始します……!」
アミ(映像越し):「学校って、なんのためにあると思う?
わたしはね、バカ笑いして、泣いて、誰かとつながれる場所だったら、それでいいと思う!」
ナギ:「俺は、“ここにいていい”って思えたら、それが教育だと思ってる」
ヒビキ:「教えるってのは、戦うことだ。
無関心や、孤独や、“自分なんて”って気持ちと、戦うことだ!」
ミナト(教壇に立ち、真っ直ぐにカメラを見つめる):
「教科書は、便利です。でも、人を救ったことはありますか?」
「ルールは大事です。でも、それに押しつぶされた生徒の声、聞こえてますか?」
「私たちは、“何も持たなかった”ゼロから始めました。
でも――“学ぶ意味”は、誰よりも知っています」
【画面が切り替わる】
《ゼロ式感情授業:体験希望フォーム 開放中》
《全国ライブ視聴:150校・3200名 参加中》
《#ゼロの問い がトレンド入り》
【翌朝/教育委員会本部】
役員たちはパニック状態に陥っていた。
委員A:「ネットワーク突破!?誰が許可した!?」
委員長:「もはや止められん……“教育”が、変わり始めている」
【本校・中庭】
生徒たちは自発的に集まっていた。
制服姿のまま、手にはメモ、スマホ、ノート。
一人が言う。
「……考えてみた。“教育”って、“生きてていい”って言ってもらえる時間だと思った」
別の生徒が続ける。
「私、初めて“誰かに何かを伝えたくて”、書いたの。あれが、“学び”だったのかも」
【旧図書室】
ライガ:「やったな。伝わったぞ。
たった一つの教室が、全国に火をつけたんだ」
ミナト:「……教師として、これ以上の幸せはないよ」
EDU:「ログ記録更新――
“感情による教育体験”が、全国11,000件を超えましたぁぁっ!!✨」
次回:
最終回前夜──“答えのない教室”へようこそ
ゼロ組が生んだ“新しい学び”は、制度を超えて広がっていく。
最後に、生徒たち自身が“授業”を行う――最終授業は、生徒から始まる。
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2025年5月20日(火)より、
『社畜サラリーマン、異世界で英雄に覚醒して帰ってきたら満員電車が最大の敵です』
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