第3章 第6話「ゼロ組、再起動──時雨ミナト、授業へ」
【早朝/旧図書室・ゼロ組拠点】
久々に戻ったミナトが、ゆっくりと黒板に向かう。
誰もいない教室で、チョークを手に取り、そこにひと文字――
『授』
という字を書く。
ミナト(独白):「……やっぱり、教壇に立つと、自然と背筋が伸びるな」
「授けるんじゃない。
“教える”ってのは、“一緒に考える”ってことだ」
【朝礼/全校放送】
校内に鳴り響いたのは、ゼロ組による突発アナウンスだった。
EDU:「本日14時より、ゼロ組主催の“合同授業”が行われます!!✨
場所は中庭特設ステージ!テーマは『教育とは誰のものか?』ですっ!」
【14時/中庭・特設教壇】
本校の生徒、教師、さらには外部からも視察者が集まり、
そこには、400人以上の人の輪ができていた。
その中央に立つのは――
ゼロ組、そして教師・時雨ミナト。
ミナト:「本日、ここに立ったのは、
“教えること”の意味を、もう一度皆さんと考えたかったからです」
「教育とは、“正しさ”を押し付けることではない。
“誰かが生きててよかったと思える場”を作ることだと、私は信じている」
ライガ:「俺たちは、“教室を与えられなかった”。
でも、その中で見つけたんだ。“一緒に笑える時間”が、一番の授業だって」
アミ:「怒られながらやった授業が、実は一番、覚えてるってことあるよね?
あれって、心が動いた証拠じゃん!」
ヒビキ:「だから今日、ここで答えを出そうぜ。“教育は誰のものか”。
俺たちは、それを奪われてた。でももう、絶対に誰にも奪わせねぇ」
ナギ:「最後に聞かせてくれ。
“あなたが、学びたかったことは何ですか?”」
【その場で配られた、無記名アンケート】
「自分の言葉で“教育の意味”を書く」
生徒たちは次々とペンを走らせる。
大人たちも、黙ってノートに書き込む。
時雨ミナト:「これが、私たちの授業です。
押し付けでも、義務でもない。
“心が動いたから書く”――それだけが、教育の原点です」
次回予告:
「最終章突入──教育委員会、最終通告」
ゼロ組の授業が全国に波及する中、
ついに教育委員会本部が“全校一斉教育改革停止命令”を発令……!?




