第3章 第4話 「封印解除──時雨ミナト、痕跡を残す」
【深夜/スラム拠点:旧図書室】
暗い部屋に、唯一光っていたのはEDUの操作パネル。画面には赤く点滅するログが浮かんでいた。
ID:MINATO_SHIGURE受信:コード断片、感情データフレーム、授業記録ログ(暗号化)
EDU:「この信号……“時雨ミナト先生”からのものに間違いありません!!ただし、断続的で……“制限下からの非公式アクセス”のようです」
アミ:「制限下って……監禁!?」
ナギ:「場所の特定、できるのか?」
EDU:「座標は断片的ですが、【学園塔第七隔離層】と一致する痕跡が……」
ライガ:「学園塔……!?あそこ、委員会直属の“非公開教育管理施設”じゃねぇか……!」
【回想/時雨ミナトの記録フラッシュバック】
「教育って、与えることじゃないと思う。寄り添うことでしか、生徒は学べない」
「俺はあいつらの“教師”でいたい。それだけだったのに……」
(音声途切れ)……「すまんな、みんな……教室に……戻れな……」──
ヒビキ(拳を握りしめ):「今まで“制度と戦う”って言ってきたけどよ……これはもう、完全に“戦争”だろ」
レンカ:「……奪われたのは、“生徒の未来”だけじゃなかった。“教師の命”まで、閉じ込めていたなんて」
ライガ、立ち上がる。
「時雨先生を、取り返しに行く。俺たちが、俺たちの教室に連れ戻すんだ」
【翌日/学園塔・外縁地区】
ゼロ組が初めて足を踏み入れる、“教育の中枢”。灰色の鉄壁、無機質な自動ゲート、無表情の警備ロボット。
EDU(マフラーで変装中):「本日は、“委員会向け機材納品チーム”として潜入します!✨」
アミ:「うわ、EDU頼りになるじゃーん!天才!」
ナギ:「ただしこれ、バレたら本格的に“終わる”からな……」
【地下層通路/ゼロ組潜入パート】
天井に監視アイ、床には感情センサー。
レンカ:「感情センサー……。“恐怖”を感じると通知が走る。つまり、“震えるな”ってことね」
ヒビキ:「無理ゲーすぎるだろコレ……でもやるぞ」
【最深部・第七隔離層前】
鉄製の扉に、ひとつだけ小さな名札が残っていた。
【教育被観察対象 No.7 - MINATO.SHIGURE】
一同:「……!!」
次回:「奪還──時雨ミナト、最後の授業」ゼロ組が扉を開けるその瞬間――そこにいるのは、かつての教師か、ただの“記録の亡霊”か……?




