第2章 第8話: 「出張授業計画、始動──革命を広げろ」
【深夜/スラム拠点:ゼロ組作戦会議】
ホワイトボードに書かれた文字。
『作戦名:エクスパンション・ゼロ』
~“教室を、世界に拡張する”~
ライガ:「“ゼロの間”がダメなら、別の“教室”を作ればいい。
ルールで押さえつけるってんなら、そのルールが通用しない場所でやる」
アミ:「つまり、本校の外で授業!?革命、飛び火させる系!?最高ッ!!」
ナギ:「でもよ……どこでやる?他の学園って、普通に閉鎖的だろ」
レンカ:「実は、あるの。
“無冥学園連盟加盟校”の中で、実験教育に理解のある教師がいる学校。
私がかつて視察で訪れた、F地区の“小学術院”よ」
セイナ先生:「あそこ……教師の裁量が広くて、“生徒が授業を持てる制度”があるの。
ゼロ組が“ゲスト講師”として招かれるなら、形は整うわ」
ライガ:「決まりだな。“出張授業”だ」
【翌朝/無冥学園F地区 小学術院】
正門に現れたのは、
スラム制服に身を包んだ“問題児軍団”――ゼロ組。
教師:「本当に来たのね……例の“ゼロ組”。
あの“本校が恐れた教育”をする連中が」
【会議室】
校長:「面白い。君たちが本当に“心を動かす教育”を持っているなら、
この場を与えよう。“小規模な公開授業”として開催する」
レンカ:「ありがたいです。ですが……全力で行かせていただきますので、心のご準備を」
【そして、午後】
校舎裏の中庭に、パイプ椅子が並べられた。
そこに集まったのは、小学術院の生徒たち 約30名。
そして、本校から密かに情報を聞きつけて来た“観察者”たち数名。
ライガ、前に出る。
「俺たちは、教育に救われたわけじゃない。
でも、“誰かと笑えた授業”で、生き返った」
「今日はその“生き返った瞬間”を、お前らにも渡す。
だから、怖がんなくていい。泣いても、怒っても、間違ってもいい。
ここが、お前の教室だ」
【本日の授業テーマ】
「今、自分の人生にタイトルをつけてみよう」
沈黙の中、ぽつりと手が上がる。
生徒1:「“まだ始まってない物語”」
生徒2:「“何者にもなれなかった僕へ”」
生徒3:「“きらいだった自分に名前をつけた日”」
アミ:「ヤッベ……あたし泣きそう……」
ナギ:「全員主人公じゃねぇか……カッケェ……」
【ラストワーク】
ヒビキ:「じゃ、みんなで黒板に“人生タイトル”並べて、教室を“作品”にしようぜ」
EDU:「これは……“教室型アートインスタレーション”ですね!!✨」
黒板は、それぞれの人生のタイトルで埋め尽くされた。
もう、教科書なんていらなかった。
【授業終了後】
校長:「……驚いた。“教育の定義”を揺さぶられた。
これは……君たちの存在そのものが、“問い”なのだな」
次回予告:
「本校激震──ゼロ組、外で授業を成功させた報告が届く」
生徒会、“拡散”を恐れ、ついに“ゼロ組完全追放”を狙い始める……!!




