第45話(第1章・最終回): 「教室の名は――ゼロ組」
【数日後/W区・再建された白教室跡地】
そこにはもう、白一色の空間はなかった。
壁には子どもたちの描いた絵。
床には笑い声の跡。
机には、名前と落書きと、夢の破片たち。
ライガは、かつての“監視教室”に立ち、
静かに黒板の前へ歩み出た。
ライガ:「……お前ら、よく頑張ったな」
子どもたち:「はーい!!」「授業たのしかったー!」「またやりたーい!」
レンカ:「落ち着きなさい。最終日なのよ、少しは“しんみり”しなさい」
ヒビキ:「うるせーなW これがゼロ組の“普通”だろ」
セラフィムがその様子を、黙って見つめていた。
彼の白い教官服は脱ぎ捨てられ、代わりに地味な教師用のカーディガンを着ている。
「私は……この空間を理解できていなかった。
だが、ようやくわかった。教育とは、整えることではない。
“共に揺らぐこと”なのだな」
その言葉に、ライガは少し照れくさそうに笑って言った。
「揺れっぱなしだけどな、俺たち。
でもまあ……そんな“ぐらぐら”が、俺らの“ゼロ組”だ」
【その夜/ゼロ組拠点・焚き火の周り】
メンバーが囲んで座る中、EDUがセレモニーモードに切り替わった。
EDU:「ではここで、臨時式典を開催しますっ!
“ゼロ組・仮設教育連合校”から、“ゼロ組・自治学級”への昇格を宣言っ!!✨」
アミ:「なにそれカッケー!超進化じゃん!」
ナギ:「なんか……本物の“学校”って感じだな」
ハルキ:「いや、実際ウチがいちばん“学校”してるまであるな」
レンカが立ち上がり、黒板に一言だけ、白チョークで書いた。
『ゼロ組』
その名前が、瓦礫の教室に刻まれたとき――
それはただの集まりじゃなくなった。
逃げ場でも、仮設でもない。
ここが、誰かにとっての“初めての学校”になった瞬間だった。
ライガ(心の声):
「どこにも居場所がなかった。
何をやっても、バカにされた。
でも、ここでは違った」
「俺たちは、ここに“教室”を作った。
誰かを笑わせて、誰かに怒られて、夢を語って、間違えて、泣いて、笑って――」
「それが“ゼロ組”だ」
「俺達はここでの確実な居場所を手に入れたので!」
【第1章 完結】




