第39話: 「教育の名を借りた暴力──ゼロ組、解体命令」
【翌朝/ゼロ組拠点】
EDUが深刻な声で報告を開始した。
「重大通達ですっ……ゼロ組に対し、“学園教育統制局”より通告が届きましたっ!」
『非正規教育活動・未承認教室の拡大を理由に、
ゼロ組は即時解体、構成生徒は本校へ強制再編成』
拠点内が一気に静まり返る。
ライガ:「……やっぱ来たか、“制度の暴力”」
レンカ:「彼らは“評価できないもの”を、排除するしか知らない」
「そして今、ゼロ組が“成果以上の意味”を持ち始めてる。
だから怖いのよ、“彼らにとっての正解”を壊されるのが」
ナギ:「で、どうすんだ? 解体命令なんか、従えるわけねぇだろ」
ヒビキ:「ぶっ潰すしかねぇな。こっちには“生徒”がついてる」
【その頃/W区・白教室本部】
セラフィムが静かにデータを見つめていた。
表示されたのは、前日の授業後アンケート。
「ゼロ組の授業が印象に残った」→98%
「また参加したい」→95%
「笑った」→91%
彼は一言、呟いた。
「……感情で動く民衆。だからこそ、指導が必要だ」
そして、次の指令を部下に下した。
「ゼロ組に接触しているスラム拠点全域を、
“教育是正区域”として再登録。
自律学習・自由発言の記録があれば、排除せよ」
つまり、ゼロ組と繋がった“すべての教室”が今、危機にさらされている。
【拠点ゼロ・夜】
ライガが地図を前にして静かに言った。
「今までは“俺たちの教室”だった」
「でもこれからは、“みんなの教室”を守る」
「戦うんじゃない。“教えることで、守る”んだ」
レンカが微笑みながら言う。
「じゃあ作戦名は“拠点・再点火作戦”ね。
一度火が消えた教室に、もう一度灯りをつける」
ヒビキ:「いい名前だな。……派手にやろうぜ、学校ごっこってやつをよ!」




