第37話: 「白き教官、スラムに降り立つ――敵の“理想教育”」
【数日後/拠点ゼロ通信室】
EDUが警告を発する。
「非常信号検知っ! スラム北西エリア“W区”にて、
新規“教育統制プログラム”が強制稼働されましたっ!!」
レンカ:「……“奴ら”が来たわね」
◆◆◆
【同時刻/W区・旧軍事教練跡地】
風を切って降り立った一人の男。
銀髪、白コート。完璧な所作。瞳は冷たく透き通っている。
彼の名は――
「白教官《セラフィム=クロード》。
学園上層教育審問局より派遣。
“教育矯正特区・再建計画”責任者です」
周囲には、機械仕掛けの補助教官たち(ドローン型監視機)と、完全制服化された子どもたち。
「感情の乱れは、学習効率の阻害因子です」
「“幸福感”よりも、“成果と均一化”を優先します」
「これが、“正しい教育”の姿です」
一方、ゼロ組はその情報を受けて緊急会議。
ライガ:「……来たか、“理想の押し付け”ってやつが」
レンカ:「セラフィムは危険よ。私がいた頃も、彼のモデル校は“100点以外、存在を許されなかった”」
ヒビキ:「ぶっ壊すぞ、そんな教室」
ライガ:「いや……俺たちは“正面から比べて勝つ”」
「あいつが持ってるのが“冷たい教育”なら、
こっちは“生きてる教育”で真っ向勝負だ」
◆◆◆
【後日/W区・公開授業会場】
ゼロ組とクロ組合同チームが、セラフィムの“見せかけの理想授業”に対抗し、
**子ども主体の“感情重視授業”**を公開!
内容:
ドロだらけの「体験科学」
絵と音で覚える「詩と感情の国語」
“聞く力”を育てる授業「話していいよ、全部」
セラフィム:「非効率。非合理。無価値」
ライガ:「でも……笑ってたよ。あの子たち、笑ってたよな?」




