第36話: 「スラム連合、始動!集え、教室を失った者たち」
【数日後/拠点ゼロ・作戦本部】
瓦礫を再利用した巨大ホワイトボードの前。
レンカが手を広げる。
「ゼロ組は、いま“孤立した学び舎”じゃない」
「各地に点在する孤児グループ、廃墟化した教室、元クロ組の離脱者たち……」
「彼らを結び、“学びの自由拠点”として連合を組む」
EDU:「名付けて、“スラム自由教室連合(F.C.U.)”っ!!」
(※Free Class Union)
ライガ:「目指すのは、スラム全域の“再教育”だ。
学びを奪われたやつらに、もう一度“教室”を作ってやる」
ヒビキ:「ただしな……みんなが歓迎してくれるとは限らねぇぞ」
「あたしたちに牙を向けてくるとこもある。仕切ってる大人崩れの連中もな」
レンカ:「なら、叩いてでも“対話のテーブル”に乗せる」
「今回は、私が前に出るわ。“元・スラム経済の管理者”としての顔で」
◆◆◆
【その夜/Dブロック・旧教導区域】
レンカ、ライガ、ヒビキ、EDUが、かつての拠点リーダー・**バン=ロウ(20代、元教師崩れ)**の元へ交渉に赴く。
バン:「へぇ……あの“C.R.”様が、自分の王国が崩れて出戻りってか?」
レンカ:「出戻りじゃない。“新しい教室”を作りに来ただけよ」
バン:「ガキどもに教室を与えて何になる?生き残るには強さだけだろうが」
ライガ:「違う。知ってるか? 勉強って、希望が増えるんだよ」
バンが一瞬言葉に詰まる。
ライガ:「お前だって、かつては“教師”だったんだろ?」
EDU:「履歴データ確認っ☆ バン=ロウ氏、旧・本校補習教員……!」
沈黙。
そしてバンは、ボロボロの手帳を取り出した。
「……まだな、捨てられずにいたんだよ。“授業計画”ってやつ」
「もう一度、やってみてもいいのか? “生徒”がいるなら」
レンカ:「ええ。あなたの“授業”、明日から正式開講よ」
◆◆◆
【翌日/Dブロック】
小さな広場に、再び“教室”が出来上がった。
バン:「本日の授業は、物理の基本……“てこの原理”だ!」
子どもたち:「おおおお〜〜〜!!!」
ライガ:「こうしてまた、一つの教室が“火を灯した”」




