第35話: 「スラム奪還作戦・始動!ゼロ組、教室を拡げろ!」
【翌日/ゼロ組秘密会議】
レンカがホワイトボードを指で示す。
「このDブロック北区、かつて私の供給ルートだった場所。
今は“制圧済”とされてるけど、実は孤児たちがまだ残ってる」
EDU:「監視カメラ情報によると、外部支配者が日中はいない時間帯が存在しますっ!」
ライガ:「その隙を突いて、拠点を“仮教室”として奪い返す……!」
ヒビキ:「あたしらクロ組も動く。どうせアイツら、放っときゃうちらのとこにも来る」
「だったら先に動いて、こっちが“学び”で押し返してやるよ」
◆◆◆
【奪還当日/北区・廃倉庫】
瓦礫の中、ゼロ組とクロ組が協力して物資を運び込み、壊れた棚を机に、鉄板を黒板にする。
アミ:「せんせー!机できたー!」
リュウ:(完成した椅子にドヤ顔)
コウタ:「初回授業は、“安全な食料の選び方”に決定!」
EDU:「本日の出張ゼロ式授業、はーじまーるよーーーっ☆」
◆
夕方。拠点の外から、武装した“Dブロック連合”の残党が現れる。
「なんだここは……? 勝手に入って……教室?」
だが、彼らが目にしたのは、
本気で学ぼうとする子どもたちと、それを支える仲間たちの姿。
レンカは、堂々と言い放った。
「これは“占拠”じゃない。“開校”よ」
「奪うんじゃない。私は“取り戻しに来た”だけ」
「この教室は、誰にも壊させない」
武装勢力の隊長が苦笑する。
「……あんた、前と随分違う顔になったな。“影の姫”よ」
彼らは一度引き下がる。だが、去り際に一言。
「また来る。次は、“教室”じゃ済まないかもしれねぇぞ」
レンカ:「……来ればいいわ。今度は、私一人じゃないから」




