第27話: 「保守派の反撃。ゼロ組、学園を揺らす存在へ」
拍手が続く講堂に、冷たい声が響いた。
「……その程度で、“教育”を名乗るとはな」
観客席の奥。
ゆっくりと立ち上がったのは、氷室セイ。
生徒会議長代理。
無冥学園の上層を牛耳る、“絶対教育主義”の化身。
白い手袋。整った制服。眼鏡の奥にあるのは、冷たい断絶。
「知識は上から与えるもの。
感情で教室を作るなど、ナンセンスの極みだ」
副会長アスカが一歩前に出ようとした瞬間、
セイは手を挙げて止める。
「……アスカ。これは“教育方針の違い”では済まない」
「スラム学級など、存在そのものが学園秩序への反逆だ」
観客席がざわつく。
中にはうなずく者もいれば、困惑する者もいる。
その中で、ライガは……
一歩も引かず、セイを見据えていた。
「それが“秩序”なら、俺たちは何度だって壊してみせる」
「だって、俺たちはもう“ゼロ”じゃない。
ここまで来たんだ、“教室”として」
セイは、静かに言った。
「ならば、その“教室”の存在を——制度的に否定するまでだ」
「ゼロ組の授業は、正式教育機関として不適格とみなす。
これより、**学園教育評議会による“審査”**を行う」
◆◆◆
【数日後:スラム拠点ゼロ】
EDUが報告を読む。
「正式通知きましたっ! ゼロ組は、“試験学級”扱いに降格されました……」
「このままだと、一ヶ月後に“教育解体措置”がとられますっ!!」
アミ:「解体って……なくなるの?」
リュウがノートに書く。《教室が消える……?》
皆が沈黙する中、ライガは立ち上がる。
「だったら、証明してやろうぜ。俺たちの“学び”が、本物だって」
◆◆◆
そして、その日の夜。
ゼロ組に1通の招待状が届く。
「来たよ……“討論会”の申し込みだ」
「次の舞台は、“討論型公開査問”。相手は……」
EDU:「学園内・最上位エリートクラス、《特進A組》ですっ!!」




