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第26話: 「公開授業、開講!ゼロ組、笑いと涙と爆発の45分」

「本当に、やるんですね……?」


コウタの声は震えていた。

でも、その目は真っ直ぐだった。


目の前には、ずらりと並んだ観客席。

生徒会幹部、各学級の教師、トップ層の生徒代表、そして……冷たい視線。


ステージ上には、ボロボロの机と板切れの黒板。

**“ゼロ組式 教室”**の再現だった。


ライガは息を吸い、言った。


「俺たちは、完璧じゃない。正解も知らない」

「でも、俺たちは生きるために、“学び”を選んだ」

「今から、“ゼロ組の授業”を始める」


◆ 授業構成(本校向け“ゼロ式授業”):

パート内容担当

① 「火を起こす理由」生きる知恵と協力の意味ナギ&子どもたち

② 「命を守る筋トレ」体を育てる≠戦うことハルキ&ガジ

③ 「嘘と真実の見抜き方」情報リテラシー入門レイ&EDU

④ 「スラム式討論」“学びに境界はあるか”全員参加型


◆ 授業ハイライト


ナギが子どもと一緒に火打ち石を使いながら語る。


「火がつかない時もある。でも、誰かと一緒ならあったまる」

「ゼロ組は、そういうクラスだ」


観客席がざわつく。


ハルキの“筋肉体操”に全校がドン引きする中、

ガジが語る。


「筋トレは心を整えるためにある」

「暴力じゃなく、自己管理。俺はそれを……ゼロ組で教わった」


レイの情報授業では、

“噂話”と“真実”をすり替えるデモ実験を見せ、

観客席の上層生徒たちがざわめき出す。


「信じるかどうかより、“確かめる力”を育てる方が大事だよね?」


ラスト。

ライガが問いかけた。


「俺たちは、“学校”ってなんだと思う?」

「建物でも、偏差値でもない」

「ここに、こうして“学びたい”って思った人がいて、

 “伝えたい”って思った人がいれば、そこが学校だと俺は思う」


沈黙が流れる——


だが、最初に拍手をしたのは、

1人の小さな生徒だった。


「……あなたたちの授業、すごく面白かった」


それを皮切りに、ゆっくりと、拍手が広がっていく。


副会長アスカが立ち上がる。


「これが、スラム発の“ゼロ式授業”」

「学園に風穴を開ける価値は、あると思う」


だが、その直後。

会場の端から冷たい声が響く。


「ふざけるな。こんなものは“教育”ではない」


現れたのは——

生徒会内部にして“絶対保守派”、

議長代理《氷室セイ》。



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