第21話: 「帰還。そして宣言——“ゼロ組、ここに誕生す”」
夜が明ける頃、
俺たちは、ボロボロの身体を引きずりながら、拠点ゼロへ帰ってきた。
「お前たち、よくやったな。おかえり。」
時雨は、みんなの顔を見ながら言った。
空は灰色。でも、どこかあたたかかった。
まるで、世界が“よく帰った”って言ってくれてるみたいだった。
EDUが通信を開く。
「救出対象、無事帰還。作戦成功率:83.7%」
「重症者0、負傷者多数、でも全員……笑ってますっ☆」
ナギは黙って鍋に火を入れ、
レイはリュウの手に新しいノートを渡し、
コウタは黙ってアミの頭をなでていた。
ハルキは……勝手に地面に倒れてた。
「おでん……食わせて……筋肉……限界……」
俺は、小さな“白い紙”を取り出した。
それは、例の“学級申請フォーム”。
その裏には、俺たちが決めたルールが走り書きされている。
『暴力で解決しないこと』
『嘘をつかないこと』
『弱い奴を見捨てないこと』
『腹が減ったら、鍋を囲むこと』
EDUが言った。
「ライガさん……提出、しましょう」
「あなたたちの、“このクラス”を、世界に知らせる時ですっ!」
◆◆◆
【数日後:無冥学園・生徒会本部】
アスカ副会長が、ファイルを開く。
“仮登録学級ゼロ組”
・構成人数:13名
・担任代理:時雨ミナト
・活動内容:教育活動、生活指導、仲間救出(!?)
・理念:スラムから始まる、もうひとつの学び
彼女は目を細め、笑う。
「くだらない……でも、面白い」
【翌日、拠点ゼロ】
EDUが通知を読み上げる。
「無冥学園・生徒会より、通知が届きました!!」
「“仮学級《ゼロ組》”、正式承認——認可クラスとして登録完了です!!」
その瞬間。
ナギがわずかに目を見開き、
レイが「……やるじゃん」と笑い、
ハルキが絶叫した。
「うおおおおおおおおお!!!筋肉で!クラスができたあああ!!」
俺は、小さく拳を握った。
「俺たちは、ただのスラムの落ちこぼれじゃない」
「ここに、“ゼロ組”が生まれた」




