第19話: 「突入!奪還ミッション《スモーク作戦》」
夜のスラムが、静かにざわめいていた。
廃材に囲まれた拠点ゼロ。
その中心で、俺たちは**初の“作戦会議”**を開いていた。
「救出対象:アミ・リュウ」
「敵:学園理事会直属部隊」
「予想位置:上層第3通廊、旧教化センター跡地」
EDUのホログラムマップが浮かび、標的の座標が赤く示される。
EDU:「周囲の警戒網はドローン6機、センサー8基、兵装警備2体……」
EDU:「でも!だからこそ、私たちの知恵と“作戦”が試されるのですっ!」
俺は静かに言った。
「作戦名、《スモーク》」
「“爆音と煙”で敵の注意を引きつけて、隙を突いて侵入・奪還する」
「合言葉は、“全員で帰る”だ」
◆作戦布陣
役割メンバー
攻撃誘導班ハルキ&ガジ
潜入班ナギ&レイ
指令・支援班ライガ&EDU&コウタ
◆◆◆
【作戦開始:22:00】
廃工場跡地に仕掛けた爆竹、ペットボトル爆弾、煙玉。
すべてハルキとガジの手による手作り兵器。
ハルキ:「よっしゃあああ!おらぁあああああああ!!!」
ガジ:「ウホオオオオオオオ!!」
爆音と煙が、スラム全域に響き渡った。
センサー作動、ドローン離脱、敵の注意が東側に集中!
ナギとレイが、裏ルートから施設内に潜入する。
ナギは足音ひとつ立てず、レイは端末でセキュリティを無効化。
レイ:「なんでこんな旧式セキュリティ……ふっ、なめんなよ」
その頃、中央ホールでは
拘束されたアミとリュウが、冷たい床の上で震えていた。
敵兵:「ガキどもにしては、案外しぶといな」
アミ:「……あたしら、もう逃げない。ゼロ組なんやから」
リュウは目を伏せながら、ポケットの中で小さな金属片を握っていた。
それは、EDUがくれた“緊急信号発信器”。
そして次の瞬間——
爆発音が轟く。
煙の向こうから、声が響いた。
「おらああああああ!!ゼロ組参上だあああああああ!!!」
ハルキが天井をぶち破って落ちてきた。
しかも、筋肉で。
「ナギ!!行けッ!!」
ナギはスモークの中をすり抜け、警備兵にスリッと接近、
静かに背後から棒を蹴り飛ばし、拘束具の鍵を奪った。
ナギ:「リュウ、アミ……逃げるぞ」
アミ:「うち、信じとったで……!」
ライガの声が、全員のイヤホンに響く。
「全員、回収完了!出口ルートDへ移動!!」
だがその時——
モニターに映る影。
黒いコートの人物が、静かに歩いてくる。
EDU:「敵強キャラ反応……きたッ!生徒会直属、“執行官”ランク!」
その男の名は——
玖堂カイ。
生徒会の“処理屋”として恐れられる、冷静無慈悲のエリートだった。
カイ:「スラムのゴミが、学園の秩序を語るとは。滑稽だな」
ハルキが前に出る。
「おい、理屈で殴ってくるなら、俺は筋肉で殴るだけだ!!」
カイ:「……では、実技試験といこうか。始めるぞ、ゼロ組」
不敵な笑みを見せ言い放った。




