第18話: 「教師・時雨の過去。そして、ゼロ組最大の危機——“生徒奪還指令”」
スラムの夜。
静寂を切り裂くように、EDUが異常通知を鳴らした。
「警告:ゼロ組メンバー“アミ”および“リュウ”のライフサインが消失」
「緊急モードに移行します!」
ライガ:「……拉致、された?」
EDU:「はい。GPS記録より、上層区・第3通廊方面へ強制移送の痕跡あり」
拠点ゼロが、ざわめいた。
泣きそうな顔で立ちすくむミカ。
拳を握りしめるコウタ。
そして——
「ふざけんなよ……!」
ライガの声が、低く響いた。
「行くぞ。俺たちで、仲間を取り返す」
◆ ◆ ◆
その時、時雨はひとり背を向けていた。
「……“あの子たち”を使うとは。やはり、あいつはまだ健在か」
ライガ:「知ってるのか?」
時雨:「……“理事長直属特務部隊”《システム》だ。
学園の秩序維持の裏で、“選別”を行う者たち。
俺はかつて、その指導を……していた」
かつて時雨は、無冥学園の“暗部”の教官だった。
選ばれた才能を鍛える一方で、
“不要と判断された生徒”を静かに処分する部門——
それが《システム》。
だが、時雨はある日、命令に背いた。
「“殺せ”と命じられたのは、生徒だった」
「それでも、“守る”ことを選んだ。俺は、教師だからだ」
その瞬間、ハルキが吠えた。
「じゃあ今度は、に守ろうぜ!」
「筋肉でも、心でも、誰かを守れるなら、全力で動く!」
時雨が口を開いた。
「お前たち。。。。。」
「だがな、俺が同行するとお前たちの足手まといになる。
俺の所在は内蔵されているチップで筒抜けだからな。」
「安心しなよ!あんな奴ら俺達だけで十分だ!」
ライガが拳を握りしめ言った。
ナギも静かに頷いた。
「私達だけでも取り戻す。うるさいのと、静かなの。両方、必要だから」
EDUがマップを展開する。
「強行ルート、3つです。どれも正気の沙汰ではありませんがっ☆」
ライガは、顔を上げて言った。
「ゼロ組、初の遠征任務だ」
「目的はただ一つ。仲間を、絶対に取り戻す!」




