表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/66

第15話: 「10人を集めろ!“ゼロ組”設立ミッション開始!」

「……これ、マジでやるのか?」


俺は、アスカから渡された“学級登録申請フォーム”を見つめていた。


『仮登録名:「自治区ゼロ」——通称:ゼロ組』

『申請条件:構成人数10名以上、教育活動の証明、指導担当の有無(AI不可)』


要するに、スラムのど真ん中に**“もうひとつのクラス”を作れ**ってことだ。


まるで冗談みたいだが——

今ここにいる皆の顔を見ると、なぜかやる気が湧いてきた。


「いいねえええ!!学級ってことはあれだな!?

俺が体育の先生で、ナギが保健の先生で、ライガが……担任か!!」


「勝手に決めるなハルキ!ナギに勝手に“保健”押しつけるな!」


「……うるさい(と言いながらハーブティー配布中)」


EDU:「ちなみに私は“副教頭・広報・生活指導・教務主任・給食管理”を兼任ですっ☆」


「多すぎるわ!!!」


だが、笑ってる場合じゃない。

条件は「10人」。

今いるのは、ライガ、ナギ、ハルキ、コウタ、アミ……あと子どもたち数人。


あと3〜4人、新たな“仲間”が必要だった。


「じゃあ、声かける相手はどうする?」


「こっちの名前はもうスラム中で噂になってる。“ゼロ組ってやつが人集めてる”って」

「でもそれ聞いて、笑ってる奴もいりゃ、警戒してる奴もいる」


コウタの言葉に、ナギがぽつりと呟いた。


「……“裏切られた奴ら”に、声をかける」


◆ ◆ ◆


【その1:元・優等生→問題児にされた少女:沢井レイ】


元・第2区在籍。家庭の事情で成績が急落しただけで“異常者扱い”され、スラム送り。


今は古本を読んで一人暮らし。口が悪く、人間不信。


「学校? 勉強? 仲間? 笑わせんな」

「“先生”が私を見捨てた。そんなもん、もう信じない」


→ ライガ:「それでも、お前の知識が誰かの命を救うかもしれない」

→ レイ:「……は? わけわかんない。でも、考えとく」


【その2:喧嘩狂の留年生:ガジ】


年齢不詳。筋トレ基地に住みついてる。すぐ殴る。全身傷だらけ。


→ ハルキとバチバチに殴り合いになる。

→ 10分後:「気に入った!俺、ゼロ組入るわ!」

→ ナギ:「……バカが増えた」


【その3:無口な弟と話せない姉:蒼井ミカ&リュウ】


姉は声が出せない。弟は他人と話せない。

“音”を介してしか心が通じないきょうだい。


→ EDUが即興で“ビジュアルボイス端末”を作成し、交流可能に。

→ ライガ:「言葉にならなくても、気持ちは届く。そうだろ?」


→ 姉弟:コクンと頷く。


そして。


集まった人数は——ちょうど10人。


「ゼロから始まった、俺たちのクラス《ゼロ組》」

「学園には存在しない。だけど、ここには確かに“学び”がある」

「だから俺は宣言する!」


「この地に、もう一つの教室をつくる!」

「“スラム学級《ゼロ組》”、設立だッ!!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ