第9話: 「仮設ベース・ゼロ、共同生活はじめました」
拠点ゼロに、3人。
つまり、人間関係という最大のトラップが発動した。
「朝の体操いくぞーーッ! ナギ! ライガ! 握力チェックだ!!」
「うるさい」
「殴っていい?」
「やめろ。始まったばかりなんだ、この生活は……!」
この1週間で、わかったことがある。
◆ハルキの役割:物資調達&警備&筋トレ兼エンタメ担当
→ なぜか物資をよく拾ってくる(力技で物置をこじ開けたらしい)
→ そしてやたらうるさいが、夜は外で寝てくれるから静か
◆ナギの役割:料理&生活知識&空気制御担当
→ 話さないが、何でも覚える。
→ 人と目を合わせたくないのに、やたら気配で察知される。EDUも苦手。
◆俺・ライガ:拠点全体の調整、ルール作り、ツッコミ、胃薬担当
そして、俺は決めた。
「ここに“ルール”を作る」
「おおっ!?ついに俺にもルールが!?」
「って、何ルールだ!? 筋肉の?」
「違う。生活のだ」
✅拠点ゼロ・第1条:
『暴力による争いは禁止。ただし、筋トレは例外とする』
→ ハルキ「ヨッシャ!認可ッ!!」
✅第2条:
『食料の確保と調理は、基本ローテ制(ナギ固定じゃない)』
→ ナギ「……嫌だけど、いい」
✅第3条:
『EDUのしゃべりすぎにはペナルティ(10分間ミュート)』
「えぇぇ!?それは反則じゃないですかぁぁぁ!!!」
笑えるけど、これが俺たちの小さな“国づくり”の第一歩だった。
EDUがぽつりと言った。
「記録:拠点ゼロ、自治機能を初めて獲得」
「感情ログ:……ちょっと、うれしいかも」




