断罪は突然に
なろうで久しぶりに小説かけた〜\わーい/
今日が終わるアメリア・クリフはこの国の第1王子であり王太子のユリウス・カーチェスと晴れて正式な夫婦となりその数年後には国王、王妃として冠が受け継がれることになる…
と、思っていた時期がありました。
「兄上には失望しました……それに姉様もこんなことをするだなんて。」
・
・
・
今日は学生としての最後のパーティ。全然関係ないけどちなみに参加できるのは何故か2年生からと決まっている。何故か。で、真っ白とまでは行かなくても純粋なお付き合いができるのも今日がこれで最後。聞いた話によると、友が『正式な騎士として騎士団にしごかれに行ってしまう。』との事で、景気づけにとどんちゃん騒ぎをして親に帰ってきて貴族らしからぬ行為に怒られることも珍しくないという。
そんな話を聞かせてくれたお母様はなんと『前世』の記憶があるらしく、
「パーティは波乱の展開かどんちゃん騒ぎがベタよ!!!。」とか言っていた。
その話は今世か前世なのか………。
私はそんな騒ぎにならなくてもいいから楽しくこの学生生活を締めくくればなんてことを思い、ユーリ様にエスコートされて会場入りしたのです。
「…………静かね。普通だったらもう少し声が聞こえてもいいはずなのに。」
どんなパーティでもドレスルームに向かう人の行き交いがあってもおかしくない。けれど全くそんな気配すらも無くて静けさの空気だけが広がっていた。
コンコンコン
「あら。ユーリ様が迎えに来たのかしら。」
自身のドレスルームに入り、着替えをちょうど終えたタイミングだった。
「ユーリ様。入ってきても大丈夫ですわ。」
「そうか。失礼するよ。」
綺麗な金の刺繍が施された群青色の燕尾服に胸元にはユリの花を付けていた。
「ねぇ、リア。こっちに来て?。」
「ユーリ様。わかりましたわ。」
ちなみにクリフ公爵家に仕えてアメリアの衣装係を担当してるメイドは毎回あのやり取りを見ていている。………そろそろ砂糖吐けそう。
「っと……。そろそろあちらにスタンバイしておかないとね。」
「そうですわね。学院生として最後は楽しんでいきましょう。」
そう言葉を交わしながら扉の前にたった。
『……それでは最後にユリウス・カーチェス王子とアメリア・クリフ様の来場です!』
美しい衣装に身を包み皆が集まる会場に入った。
・
・
・
「……まぁ。皆様方は私達の美しさに釘付けですよ!ユーリ様!!。」
「リアはどうしてそんなに前向きなのか不思議でたまらないんだけど。」
少し困った顔でユリウスが言うと、アメリアは「うふふふ」と笑い、こちらに喋りかけてきたアメリア。だが、どう考えても「釘付けです」になってる目じゃない。敵意を感じる目だ。
「どう言うつもりだ?ハルト。皆がわたしに敵意を抱かせるようなことを言ってわたしを殺させるつもりか?。」
牽制のつもりで少しにらんでやると周りは少し後ずさった。
「ねぇ、ユーリ様どうしたの?。何だか周りの空気が重たく感じるのだけれど。」
「大丈夫だよリア。君は……そうだね、いつもの社交界の時のようにかわいくかわいく僕の傍で笑っていてくれれば良いよ。」
「ええ。もちろんよ。」
そんな会話を交わした後、すっと相手側にアメリアは笑みを浮かべた。
彼女が笑った瞬間に会場が見蕩れたように一瞬時が止まったように見えた。
「はっ。兄上と姉様が権力を使ってナタリーを虐めるからだ!。こんなにも優しくて愛らしい彼女に酷いことをするなんて…。」
一瞬の沈黙を破ったのはユリウスの弟のハルト・カーチェス第2王子だ。
「それにナタリーは『白銀の聖女』だ。兄上や姉上なんかよりもずっと尊い存在なんだぞ!。」
おそらくナタリー嬢のために怒っているんだろうけど、自慢してるようにしか聞こえないのは何故だろうか。
「ねぇ、そのナタリーちゃんって子、そんなにすごい存在なの?。」
「まぁ、うん。僕たちはその子が編入してきた時の説明は僕たち隣国へ短期入学していたらか知らないと思うけどね。
ちなみに『白銀の聖女』ってのはね、確か…………あれ?。」
説明しようとしたところで言葉に詰まってしまい、悩んでいるようだった。
「どうされたのですか?。」
「ん〜(聖女では無いけど隣国には)いるって話、父様から聞いたはずだけど。思い出せないって言うか…。」
教会は神からの信託も聴いていないって話だったし、もし聴いていてもあの子では絶対ないと思う。
って言葉はあえて言わない。
「どんな言い訳があるだろうと聖女ナタリーに暴力を振るった事実は変わらないんだ。」
「だ、ダメだよォ〜ハルくん。ユーリお兄様やアメリア様に酷いことをしたらァ。」
「ナタリーは優しいね。けれど君を虐めた悪い人達なんだよ?。」
公衆の面前でキャッキャウフフしててすごいなーとか思っているけどね?なんで私だけお姉様呼びじゃ無い……って?!
「なんで貴女がユーリのことを愛称で呼んでいるのですか!!!。ユリウス様のことを”ユーリ”って呼んでいいのはわたしだけです!!!。多分!。」
と、指をさして思わず叫んでしまった。
ユリウスは安心して、リアは保険のために多分って言ったんだろうけどね、僕の友人や母上以外で愛称で呼んで良いって言ったのはリアだけだよ。と思った。
「ひっ……ご、ゴメンなさい。アメリア様……。」
「アメリア様!庇ってくれたナタリー嬢を怒鳴るだなんて。なんとゆうことを…!。」
ナタリー嬢を守るように前に出て来たのは取り巻きの1人、あの人は確かクレマン伯爵の跡取り息子のリヒトくんだね。前あったこと有るけどこんな子だったけ?。
「うぅ…ひっく。怖いよォ〜………。」
リアとリヒトでいがみ合っているとナタリー嬢が泣き出してしまった。
「「「「「ナタリー!!!」」」」
泣き出してしまった事に気づくと即座に取り巻きたちがあやし始めてハルトが怒りを顕にこちらに向かってきた。
「ボクは今まで兄上と姉上を慕って来ました。けど、もう……。」
「ハルト?。」
「ハルト様??。」
体を震わせ、ぎゅっと拳を握りしめて___
「ユリウス・カーチェスとアメリア・クリフを聖女殺害容疑で捕らえよ!!!。」
告げた瞬間に周りから出て来た沢山の兵達。ユリウスとアメリアの退路を無くすように囲った。
「え……待ってください!。こっちの、こっちの言い分も無しに捕らえるって理不尽ですわ!!。」
アメリアは必死に訴えるが兵達は全く退く気配は無かった。
「ユーリ様も何か言ってください!。」
プンプン怒っていたリアは訴えが全く聞かないし、反応しない事に若干泣きそうになっていた。
「リア。これはチャンスなのかもしれない。」
「え?。」
何か言葉を発したかと思ったらとんでもない事をし始めた。
『眠り薬』
「え、ユーリ様?!。」
唱えた呪文のせいで会場にいた殆どの人や取り囲んでいて近くにいた兵達が眠ってしまい、起きれていたのはナタリーと取り巻きたちそしてハルトだけだった。
「ハルト。僕は一応この国で最強とまではいかなくても強い力を持っているんだ。そんな僕を簡単に捕まえられると思ったのかい?。」
今ユーリ様、昔お母様から教えてもらった言葉が当てはまるか分かりませんが『アクニンヅラ』って言う顔をしていますわ!!。
「(ユーリ様最高にカッコイイですわ!!)。」
「まぁ、だけどこの場の雰囲気を見ていてどうでも良くなっちゃったかな。」
ユリウスの珍しい悪い表情に満たされてちょっと跳ねていたアメリアを抱き寄せてついでに魔法を解いた。
「あら?。解いちゃうのですか??。危ない気もしますけど…。」
「確かに危ないけどね。脅しと力の差を見せつけるのつもりだけだったし、寝起きで上手く動けないと思うから良いかなって。」
「なるほど……。」
魔法が解かれてぐったりしていながらも徐々に起き始める観衆。眠気覚ましと言わんばかりに魔法『大きな音』で言い放った。
「今をもって私、ユリウス・カーチェスは王位継承権と貴族としての権利を放棄する!。」
「え?、え!。ユーリ様?!?!。」
言いたかったことを言えてスッキリしてるのかニコニコしているユリウスとびっくりしているアメリア。衝撃の発言に騒然としている室内。びっくり。
「どうする?リア。僕はこのまま捕まってしまうのも嫌だしね。だから放浪の旅にでも出ようかな〜って思ってるけど……。」
「な……ユリウスが出ていくなら私もついて行きますわ!。わ、私アメリア・クリフも今!ここで!貴族の権利を放棄しますわ!!。」
言い終わった瞬間、2人の足元に魔法陣が現れた。
「まて!。兄上、姉上!。」
ハルトが魔法を放ち止めようとするが魔力の差があり傷1つも付けられない。
「放棄してしまって……。父上に申し訳ないけどここで退散させてもらうね。」
「皆様、お騒がせして申し訳ございませんでしたわ。」
貴族として最後の礼を済ませ………何処かへと消えて行ったのだった。
一応連載だし頑張って続き書きたいよね!!