部活
新学期が始まって1週間が経とうとしていた。
外部生である俺は周囲に中々友達ができず困っていた。
できた友達といえば…… あの双子くらい。
「おつかれー、ジュンくん」
「はっ! 雫さん、おつかれ」
「さん付けはもういいよー。普通に呼び捨てで」
「なかなか慣れなくてさ」
それもそのはず、俺はそもそも女性経験がほぼゼロに近い。
「そっかー。無理しなくていいよ!」
「はあ」
「そいえば、ジュンくんは部活とかするの?」
部活か。中学まではバスケをして来たけど、高校まで続けるつもりはあまりなかったというのが事実だ。
けど、たしかにこのまま部活に入らず人と接点がないまま学生生活を終えるのもマズいよな。俺の場合命に関わるし。
「バスケ……かな」
雫さんは目を輝かせながら、
「え! めっちゃいいじゃん! 似合ってる!」
似合ってるかはよく分からないけど、相変わらず優しいな雫さん。
「そうかな……」
「めっちゃいいじゃん! 私も中学まではバスケやってたんだけど、高校はやらないつもりなんだ」
「え、そなの! もったいない!」
「うん。ここのバスケ部、男女ともに美男美女らしいから、期待だねっ」
マジか。
授業が終わり、早速バスケ部の活動している体育館に向かう。
雫さん曰く、可愛い子が多いバスケ部だか、実際はどうなんだろう。
期待している自分がいる。
『あれ』
ふと、後ろから聞いたことのある声が聞こえた。
ーー雅だ。