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4.交換条件。

新作の情報もありますので、あとがきまでよろしくですっ!







「おい、アレってもしかして……!」

「間違いないな。こんな汚らわしい場所にいるとは」



 元教員たちは、互いにそう言葉を交わす。

 汚らわしい場所という言い草に、ナタリーは思わず眉をひそめた。しかしグッと堪えて、こう提案する。



「ミリアの代わりに、この王女ナタリーが人質となりましょう。条件としては、決して悪くはないかと思いますが?」

「な、何言ってるんだ! ナタリア!?」



 それに驚いたのはガンヅ。

 彼は声を上げて、王女に近付こうとした。

 しかしそれを制したのは、やはりナタリー。王女は肩越しに彼を見ると、ほんの少しだけ目を細めた。まるで安心してほしいと、そう言い聞かせるように。


 その意思が分からないガンヅではなかった。

 そして、この状況も。



「…………!」



 だから彼は、忌々しげに。

 焦げてだらしなく垂れた腕を見て、唇を噛んだ。



「それで、どうしますか? ――お二方」



 ナタリーはそんな彼を認めて微笑む。

 しかしすぐに表情を引き締めると再度、男たちを睨むのだった。



「…………ふむ」



 少々の時間を空けてから。

 立場が上なのであろう方の男が、ニヤリと笑った。



「面白い。これは想定外だが、利用価値はありそうだ」



 そして、そう口にする。

 どうやら交渉は成立したようだった。



「だが俺たちの本来の目的は、あの二人だ。そこの男、もし王女を救い出したいのなら――」



 最後に、こう告げて。





「アイン、あるいはフリーラスを差し出せ」――と。







 ミリアと二人、取り残されたガンヅは天を見上げていた。

 そして、こう呟く。




「俺は結局、また逃げたのか……?」――と。




 表情は窺い知れない。

 しかし、その大きな肩は小刻みに震えていた。



 


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「【大器晩成】の少年、偶然に手にした【超速成長】で世界最強に。」新作です。こちらも、よろしくお願い致します。
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