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3.形勢不利。

短いですが!

あと、あとがきに新作情報。

ちょいと作風の幅を広げたく、挑戦しています!








「ガンヅさん、無理はなさらないで下さい!」

「大丈夫だ。これくらいの相手なら、俺程度でも倒せる……!」



 飛来する火球を拳で叩き落としながら、ガンヅはそう叫んだ。

 この程度と表現された相手方は、あからさまに不快そうな表情を浮かべる。そして一人がナイフを取り出し、近接戦を挑んできた。

 どうやら、より強力な魔法を放つための時間稼ぎということらしい。



「死ね……!」

「悪いな! 俺は強くはないが、弱くもないんだよ!」



 ヒュン、と刃が風を斬る音がした。

 ガンヅは寸でのところでそれを回避して、右の拳を見舞う。



「ちっ……!」

「浅いか!」



 だが、それも即座に後退した相手を捉え切るには至らなかった。

 攻撃においては互角と思える戦闘が続き、やみくもに時間だけが流れていく。するとさらに奥の方から、もう一人の男がこう声を上げた。



「もういいぞ、下がれ!」

「くそ、ナタリアとそこの嬢ちゃん! 俺の後ろに隠れろ!!」



 ガンヅの言葉に従い、ナタリーとミリアは移動する。

 すると間もなく――。



「雷鳴よ、轟け……!」



 怒号が鳴り響き、稲妻が真っすぐな弾丸のように。

 両腕を交差し、防御姿勢を取ったガンヅ目がけて放たれた。同時に――。



「彼の者を守りたまえ……!」



 ナタリーが防御魔法を展開する。

 だが、無詠唱によるものでは完全に防ぎきれなかった。



「ぐ、うぅ……!?」



 ガンヅの腕が焼け焦げていく。

 表情が苦悶に歪むが、彼は退かない。

 そして――。



「がぁっ!?」



 腕が、使い物にならなくなった。

 だらりと力なく垂れ下がり、痺れからか動かせない。



「くそっ……!」



 一気に形勢不利。

 そんな彼らを見て、男たちはほくそ笑んだ。



「いまなら、命だけは助けてやろう。だから――そこのガキを渡せ」



 そして、ガンヅを見下すようにそう言う。

 不安げに彼の背中に隠れるミリア。



 そんな彼女を守るように前に出たのは――。




「やめなさい、貴方たち!」

「ナタリー様……?」




 この国の王女――ナタリーだった。



 


下記のリンクより、初のVRゲーム作品へ!!


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「【大器晩成】の少年、偶然に手にした【超速成長】で世界最強に。」新作です。こちらも、よろしくお願い致します。
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