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5.喧嘩のあとに。

コメディタッチに。

新作情報がありますので、あとがきまで。








「わあああああああああああああああああああん!!」

「ごめんなさあああああああああああああああい!!」




 王都に、サナとリナの泣き声が木霊していた。



「えっと、アイン? そろそろ――」

「ダメですよ、ガンヅさん。こういうのは、本当に反省するまでやらないと」

「いや、それはそうだが。でもそろそろ……」



 ――パシイイイイイイイイイイイイイン!!



 乾いた音が鳴り響く。



「びえええええええええええええええええええええええん!!」

「うわああああああああああああああああああああああん!!」



 するとまた、サナとリナの悲鳴。

 ちなみにガンヅの傷は、アインの治癒魔法ですでに治っていた。しかしながら、本来なら怒り心頭して然るべき彼さえも、引いている。

 そんな状況であるため、当然に女性陣も苦笑いしかできなかった。



 ――またも、乾いた音。



「あはは、意外と厳しいんですね。アインさん……」

「そ、そうですね。身内には特に、という?」



 普段は軽くいがみ合っているベネットとナタリア。

 そんな二人も、今ばかりは意見が一致していた。なぜなら――。




「えぐっ……! お兄ちゃん、ホントに……!」

「ごめんなさいぃ……!」




 二人の少女が、兄に尻を叩かれてマジ泣きしていたのだから……。







 ――そんなわけで。



「はい、二人とも。ガンヅさんに、ごめんなさいは?」

「ごめんなさい……」

「もう、しません……」

「お、おう……!」



 サナとリナは、アインに促されて深々と頭を下げた。

 完全に懲りたのか、瞳からは光が失われている。



「はい、これで一件落着!」



 そんな二人を、清々しい表情で見つめる兄――アイン。

 ベネットは少しだけ気まずそうに、こう訊ねた。



「あの、この件は良いとして。まだ根本の問題が……」



 そう。それというのも、二人がどうしてアインを探していたのか。

 その問題についてだった。



 すでに一通りの事情は聴いていたが、アインの答えはまだ出ていない。双子の話によれば、学園は少年を戻す意向があるとのことだった。

 それを聞いた上で、彼はどのような結論を出すのか。



「あの、どうされるんですか?」



 緊張した面持ちで、代表するようにベネットは訊ねた。

 すると、アインは首を傾げて答える。



「え、そんなの決まってるじゃないか」



 なんてことない、といった風に。





「ボクは、みんなと冒険者を続けるよ!」――と。





 その言葉には、迷いがなかった。




 


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「【大器晩成】の少年、偶然に手にした【超速成長】で世界最強に。」新作です。こちらも、よろしくお願い致します。
― 新着の感想 ―
[一言] ひっ!!お尻ぺんぺん! 地獄の様な痛みと終わりのない長い時を思い出す。 翌日も痛くて座れないんだよ、あれっ! 妹ちゃんたちを許してあげて!!
[気になる点] えっと…それはモチロン、服の上からですよネ?…まさか、第三者(仲間)の前で『ペロン』と出したりしてないですよネ…? [一言] 妹ちゃん達の精神にとって、確実に悪影響ですから…違う意…
[良い点] 古より伝わるお仕置き「尻たたき」 [一言] まさかこんな所で見られるとは...w
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