1.双子の宣言。
第5章開幕。
「そういえば、アインさんには妹さんがいるんですよね?」
「ん、そうだよ。双子なんだけどね」
「へぇ……!」
――とある朝のこと。
ギルドに出向くとベネットが先にやってきていた。
どうやらガンヅさん、ナタリアさんの二人は遅れているらしく、しばし彼女とボクは世間話。その中で、以前ちらっと話した妹のことが出てきた。
「双子さん、って凄いですね」
「あはは、よく見分けがつかないって言われるよ」
ベネットの言葉に、ボクは地元を思い出して笑う。
妹たちは本当に瓜二つなのだ。鏡合わせのようであり、そして身内の贔屓目ありかもしれないけど、なかなかに可愛らしい。
ボクのいたアルカでは、街を歩けば人だかりができる人気者。
「どうしてるんだろうなぁ……」
ボンヤリと天井を見上げながら、故郷に想いを馳せる。
そして、妹たちの笑顔を思い浮かべるのだった。
◆
――一方そのころ。
「お兄ちゃんを退学に追い込んだ!?」
「信じられない、外道です! 外道!」
王都立魔法学園の教員室では、甲高い声が響き渡っていた。
サナとリナの二人は怒髪天を突くといわんばかりに髪の毛を逆立て、教員たちに迫っている。中でもフリーラスに対しては殺意の眼差しを向けていた。
しかしながら、相手は少女二人。
フリーラスは意外にも落ち着いた口調で、こう反論した。
「なんとでも言えばいい。私にはもう関係ないからな」
――事実、彼は今日付けで学園を去る。
だから、関係ないといえば関係ないのである。
「無責任です! 抗議します!!」
「こうなったら、痛い目を見せてやります!」
「できるなら、やってみるといい。こう見えて私は生粋のエリート――」
その、直後だった。
教員室内に爆音が響き渡り、フリーラスの悲鳴が木霊したのは。
「お兄ちゃんは、まだこの街にいるんですよね?」
「ひゃい……」
「そして、連れ戻せば大丈夫なんですよね?」
「そうでふ……」
心身ともにボロボロになったフリーラスに詰問する、サナとリナ。
すると二人は声を合わせて、こう宣言するのだった。
「「私たちが、お兄ちゃんを連れ戻します!!」」――と。
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