1.国王にバレた。
初手ざまぁ。
ここから、第4章です。
「……して、フリーラスよ。弁明はあるか?」
「ございません、国王陛下……」
「ふむ……」
隠し通せるわけがなかった。
王女が学園に顔を出さないとなれば、噂となるに決まっている。そして国王の耳にそのことが入るのも、時間の問題。あとは芋づる式であろう。
ナタリーが街へと出るようになって一週間が経過していた。
――頑張った方だよね、自分。
涙目になりながら、そう思うのはフリーラス。
現在、彼はナタリーの件および、アインの退学について詰問を受けていた。
「はぁ……。お主には失望したぞ。かつては天童と謳われ、王都立魔法学園を首席で卒業した強者よ。嫉妬に狂い、盲目したか」
「申し訳、ございません……」
全身から滝のような汗が流れ出る。
フリーラスは掠れた声で、謝罪を繰り返すだけだった。
そんな彼の様子を見て国王はまた一つ、大きくため息をつく。
「もう、よい。お主は以降、学園にかかわれないものとする」
「そ、そんな……!」
そして、そう断じた。
短い決定だったが、それはフリーラスの破滅を意味する。
王都立魔法学園の教員は、聖職として名高い。だからこそ、そこを追い出されるということは、社会的な死を示すと同意だった。
「国王陛下、どうか……! どうか、ご慈悲を……!」
「…………」
あまりにも、みすぼらしく。
フリーラスは国王に対して土下座をしてみせた。
それを見た他の者たちはみな、口々に笑いを漏らす。国王は表情を崩さずにただ彼を見ていたが、やがて立ち上がりこう宣言した。
「皆の者、よく聞くがいい!」
謁見の間に、よく響き渡る声で。
「これは、我が厳命だ! アインとナタリー、この二人を連れ戻した者に――」
明らかな怒気を込めて。
「相応の対価と、地位を約束しよう!」――と。
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