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見たことがある。

「スミマセーン、ここに下っぱ社員捕まえて遊んでる社長がいまーす」

俺は入ってきた扉の方を向いて誰かに話しかけるように声を出す。

「無駄よここには近づけないようにしてあるから。」

自慢気に話す社長がいる。

近づけないように?

ここに来るための道のどこかに落とし穴でも掘ったのか?

ここ地上何階だ?けっこう高いぞ、建物大丈夫か?


「ハハハ冗談うまいなぁハハハハ」

しばらくして俺は社長の言葉に笑いで返す。

敬語とかどうでもいい、せっかく社長が場を和ませようと冗談をいってくれているのだ、何より笑って返さなくては、そんなことを俺は考える。

「だから、ここ君にとっての異世界だから。」

社長の顔は真顔に変わっていてどこか少し怖い顔にも見える。

「え?」

俺は聞き返す。

社長の後ろにある窓から見える景色はどう見ても普通の一般的な世界だ。

家が建ち、ビルが建ち、電車や車が走り、遠くには高速道路まである。更にスーツを着た大人たちが歩き、所々飲食店が建ち並ぶ。

それを異世界だなんて言われても、、異世界っていったら山だらけ草原だらけ意味のわからない生物多くてって感じだろ?

でも二回繰り返されたし、、この社長の顔は、、

俺は社長に説明を求める。

「えっとどう言うことですか?」

「だからね、ここは、君にとっての、異世界なの、知らなかったの?いや、覚えてない?」

社長の声は明るく張りのある声だ、だかどこか強要じみている声だ。

俺は記憶を遡る。

どこかにずれとかないか、何か思い当たる節がないのかと。

何もない、思い当たるふしも記憶のずれも何もなかった。

「知りませんでした。」

社長は俺がそう返すのをわかっていたかのように質問を始めた。

「あなたの名前は?」

「千鬼涼です。」

「ついこの前まで一緒に暮らしていたご両親の名字は?」

「浅岡です。」

「何で違うの?」

「俺が養子のようなもので、知り合いに預けられているとかなんとか教えられました。」

「その知り合い私だから。」

「はい?」

俺は戸惑ったが、実母が現れたのかと感動を感じた。

社長はつづける。

「ごめんね、お仕置きのつもりだったのですけど、、まさかあな、幼児化するなんて思ってなかったものですから。とりあえず他人に押し付け、、いいえ知り合いにって、少し頭のなか、、いえ、、勿論あなたの母さんじゃないわよ。こんなくそのお母さんなんて最悪だわ。」

「ハハハハ」

今の俺の数分の感動を返せ、そんなことを考えながら俺は笑って返す。

所々俺に対する怒りを感じその一つ一つの言葉に疑問を持ちながらも俺は他の事を訪ねる。

「何で今教えてくれたんですか?」

言葉の通りだ。

俺はこの世界で小学校、中学、高校、大学、そしてこの会社に入ってきた。

ごく当たり前の普通の生活だ。

このままそんなこと知らなくても、普通に生活していけたとしか思えない。

「ちょっと大変なことになりそうなのよ。」

社長がヘラヘラしている。

「はい?」

理解ができなかった。

俺に教えるはめになるほど大変な事とは?

てかなんで大変になったら俺に教えなければならない?

「あなた私が消し、、、いいえ消えちゃうかもしれないの。」

「え?」

消えちゃう、、死ぬということなのか?

やっぱり社長、、、なんかあれ、、消す?

俺は考え込みながら社長の顔を注視する。

「まぁ見てくれればわかるわ、いやわかるでしょ?あの人を見て、あの人ねついこないだ私の、、、ううん何でもないわ。」

社長は俺を手招きしながら窓の外にいる会話している二人の人間のどちらかを指差している。

「あの右側のくそ。いいえ人よ、、、もうそろそろよ。」

社長は腕時計を見ながらそういった。

「5、4、3、2、1、ぜろ。」

瞬間社長が指定した人は、音もなく消えていった。

先程まで会話していた相手も何もなかったかのように平然と歩き続け周りにいた人も誰一人歩きを止めたり、視線を泳がせることはなく平然としていた。

ただどこか、似たことを見たことのあるきがした。

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