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3話 異世界に転移すると相棒ができました。





「起きてよぉ、起きてってば...... ねぇ、起きてって言ってるでしょ!!」


 大きな怒鳴り声と共に、仰向けになった凌多(りょうた)の腹部に鈍痛が走った。


「痛ってぇぇぇぇぇえ!!!!」


「もうっ! 何度も起こしているのに、起きてくれない君が悪いんだから!」


 痛みがじわじわと続いている腹部をさすりながら上半身を起こすと、目線の高さにふわりとした光が漂ってる。


「せっかく私が()()()起こしてあげてるっていうのに、ゼロディスタンス(全力体当たり)インパクトするまで起きないなんて失礼しちゃうわ!」


 寝起きにも関わらず、腹部への突然の鈍痛で頭はクリアな状態になった。僕が今置かれている現状を確かめる。


 周囲に何も無い事から僕を起こしてくれたのは目の前にふわりと浮いている光である事が分かる。その光は不機嫌であることを表すように、激しく左右に揺れると眼前に迫ってきた。


「で、私の名前はなんなのよ!」


 目の前の光が言葉を発しているのは分かった。たぶんあの扉に吸い込まれ異世界に転移し、この光に起こしてもらったのだろう。”異世界だから”その言葉を枕詞に置く事によってなんとかそこまで状況の予想が出来た。

 

 それでだ、私の名前は何なのよ? 僕が知っているはずが無いよね、光との会話は初めてだし、っていうか、この光は何なんだ、生物なのか?

 今一度状況確認のため、目をこする。うん。状況の変化なし、異世界の洗礼はかなり厳しいみたい。この状況、どうやって切り抜けようか....


 僕は返答の正解が分からず、困ったような顔を作って目の前の光に向けた。正解が見つからないときは。どもって誤魔化し、相手からのフォローを待つ。これは、高校生の時に編み出した僕の必殺技その1だ。


 これが正解だろう? と返答を待っていると、


「何? まだ寝ぼけてるのねっ、もう一回、私のファイナルフレイムボディブローが欲しいのかしら?」


「いやいや、()()変わってるやん!」


 訂正。意味が分からな過ぎる。まぁ、光に対して正解の回答なんてないのかもしれない。と思いながらも僕はツッコミを入れた。


「うるさいわ! で、結局どうなるの? 私、まだ()()()()決まってないんだけどっ!!」


「本格的に意味が分からないんだけど、僕あまり頭の回転早いほうじゃないし、どうゆうことか教えてもらっていいかな?」


 必殺技その2、素直に分からないことを伝える。ここでのポイントは、なるべく下手に出ることで、庇護欲(ひごよく)を掻き立てるのだ。


「そんなことも分からないの? ダメダメ過ぎるわ、私は君が【神様】に創ってもらった【()()】よ。あなたの望みに合わせて、神力(じんりき)によって生み出されたのよっ」


 うーん失敗。ムカっと来てしまいました。っていうか、【()()】がこの光になるって、、、、僕は、望みに対して()()を支払わなきゃいけないっていうのに、とんでもないミスをしてしまったのでは無いか?


「私は今、思考体だからこんな光として浮いてるような状態だけど、あなたの望みに応じて体が創られるのっ、それに必要なのは君からもらえる名前と君が考える私のなって欲しいイメージによって決まるわ。美少女ハーレムが欲しいっていう君の願いが【()()】に影響したみたいね」


 なるほど。おっさん(神様)は願いを叶えるのは無理とか言ってたけどこんな抜け道もあったのか、神力? で直接作らなければ組み合わせ次第で結構な自由が利くんだな、初めて感謝するよ神様グッジョブ!


 僕の運良く()()()()()()()の夢はまだ潰えていなかったのだ。


「よっしゃぁぁあ!」


 やる気がみなぎってきた。僕が夜な夜な鍛え上げてきた()()()をフルに生かし、最高の美少女を作り上げてみせる。今はまだ、金髪のツンデレお嬢様みたいな典型的な性格で、アニメで見た精霊みたいに小さい光にしか見えない。名を付けるとすればリリーかなぁ......


 まぁ、嫌いじゃないけど、僕の理想とは方向性が全然違う。


 ボフッ......モクモクモク......


 僕の妄想力で、大好きな黒髪ロングの優しい巨乳お姉さんに仕立て上げて見せる。やっぱり、一人しか選べないっていうなら、清楚でおしとやかな人が一番いいに決まっている。毎晩僕が夢見ていたルックスと性格を兼ね備えた理想的な、美人さんが彼女になって、異世界での恋を育み将来的には..........ムフフフ。妄想が止まらないぜ。


「ん?」


 ふわりと浮かんでいた喋る光は、煙に包まれている。もしかして変化が始まっちゃってる?


「あれ、僕、ちゃんと黒髪ロングの巨乳お姉さんを......」


 煙が晴れると、手のひらよりも少し大きいくらいのサイズで、髪は金髪で(つや)やかな髪質をしている。顔はキリっと整っていて少し強気そうな顔だ。自然の祝福を受けているような神秘的な服を身に纏い満面の笑みを浮かべている。


「君が思い浮かべたイメージに沿ってカラダと人格ができたわっ、妖精族の『リリー』素敵な名前をありがとう。君から始めてもらったものだし、一応大事にしてあげるわっ。一応なんだからねっ!」


「やっちまった......」


「どうしたのよ、君の理想が目の前にいるんだからもっと嬉しそうな顔をしなさいよっ! そんなに悲しい顔をしていると、()()が逃げていくわよっ」


 またやってしまった。事ある毎に、僕の望んだ未来から遠ざかっていっているような気がしてならない。嫌がらせか?おっさんが嫌がらせしてるのか?


 ここはひとまず、あの名言を叫ばせてもらおう。







()()だぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああーーーーーー!!!」









やっと、異世界での活動がスタートします。

思っていたよりも、長くなってしまい。表現の難しさを感じています。


軽く読んでいけるような作品を目指しているので今後もゆるりと書かせていただたければと思います

今後も、よろしくお願いします。

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