第1章 09 プロトス村の戦い
遅くなりすみません。
ーチュン、チュン。
「……なんだ?……ここは……。」
目が醒めると、俺は見知らぬ森の中にいた。
(……どうして、こんなところに……。はっ、皆んなは!?)
「痛っ!」
俺はいつのまにか腰を痛めていたらしく、周りを見ようと少し動かしただけで、激痛がはしった。
俺は痛みの中、綾華、匠、そして……。
(……うーん?)
とりあえず、皆んなも無事そうだった。
(そういえば、俺達は確か新種のうさぎを追いかけていて、そのまま勢い余って崖から落ちてしまったんだ……。なら、ここは崖の下……なのか?)
「……はっ!紫っ!痛っ!」
「綾華、大丈夫?」
俺が現状を把握しようといろいろと考えていると、綾華が目を覚ましたらしく、飛び起きようとして、俺と同じように腰を抑えていた。
「くぅー。……ええ、大丈夫。紫は?怪我はない?」
(……いや、絶対に我慢しているだろうなんて野暮は言わない。なんか、可愛いし。)
「うん、大丈夫。ありがと。」
「良かった……。それで、私達、崖から落ちたのよね?」
綾華がキョロキョロと辺りを見回す。
「うん、俺も今、そのことについて考えていたんだけど、俺達は確かに崖から落ちたはずなんだ。ただ、俺達は大きな怪我もなく、服も一切汚れていなかった。」
「そして何より、私達が今居る場所の周りにはそれらしい崖がない。」
綾華の言う通り、俺達が今いる場所の周りには同じ様な高さの木々しかなく、ましてや、崖の様なものもない。
そこから考えられることは。
「なるほどな、つまり、考えられるのは俺達が元の世界とは別の世界に来たってことか。」
俺と綾華がお互いの考えを共有していると、先程まで意識のなかった匠も目を覚ましたらしく、俺達の会話に入ってくる。
「匠、無事か?」
「悪い。心配かけた。」
「いや、無事で良かったよ。」
(もし、匠の考え通りなら俺達をここに連れてきたのはあのうさぎになるわけだが……。微妙過ぎる。本当にあの変なうさぎにそこまでの力があるのか?)
「とりあえず、これからのことを決めよう。」
「ああ、そうだな。」
「ええ。ここがどこなのかも早目に確認しておくべきだわ。」
綾華の言うとおり後手に回るのは良くない。
どんな情報であれ、今は1つでも多くの情報を集めるべきだろう。
「なあ、ところでさ、そのおっさんって誰?」
と、匠があえて、俺も綾華も無視していた事実を突きつけてくる。
そう、俺達の前には誰だか知らないスーツを着たおじさんが横たわっていた。
「「……。」」
(そこ、触れちゃうのかぁ……。)
「……あんたが巻き込んだんでしょ。」
「おい、待ちやがれ、ポンコツ女!俺のせいかよ!」
正確に言えば、うさぎを追いかけている時に3人でぶつかって、巻き込んでしまったので一番悪いのはうさぎである。
そんなこんなで、2人が責任転嫁をしていると、おじさんも目を覚ました。
「……私は?あれ?ここはどこだ?」
[ーきゃー!]
「ここがどこだかはまだ分かんねえよ。巻き込んじまって悪かったな。おっさん。」
「そうね、ここがどこで、あなたが誰だかは分からないわ。おっさん。」
「……。」
「君達、年上を敬う気はあるのかい?」
[ー助けてくれー]
「……紫?どうかしたの?」
「……。なあ、何か悲鳴が聞こえないか?」
「「「悲鳴?」」」
確かに聞こえた。
誰かが助けを求める声が。
俺達のすぐ近くから……。
[ー助けてくれー!]
「「っ!」」
「すぐ近くだっ!」
「は?」
やはり、俺だけじゃない。
匠も綾華にもちゃんと聞こえた。
おじさんには聞こえなかったみたいだけれど。
「行くよ。2人とも。」
「「了解!」」
俺達は走り出す。
「あ、おい、待て!君達!どこに行くんだ!」
目の前に助けられる命があるのなら、必ず、助けてみせる。
それが、出来ない人間など、本当の人間ではない。
感想等、お待ちしています。
あと、絢香を綾華に直しました。
すみません。




