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無双少女よ、刀を振るえっ!  作者: 速水 心太
第1章:『赤の神』戦争編
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第1話 「俺、美少女になりました」

 ――神託の儀式。


 この世界は7人の神によって統治されている。統治下に住む人間は15歳になった時に神から神託の儀式によって固有の【スキル】が与えられるのだ。


 そしてこの俺、『司 源吉(つかさげんきち )』は今日がその記念すべき神託の儀式の日なのだったが……。


 「……へ?」

 「すまんのぉ。徹夜のテンションでやってしまった。反省はしている」


 神託の儀式を受ける屋敷の中に置いてある鏡には、艶やかなセミロングの黒髪を携えた美少女が映っていた。俺が右手を上げると、鏡の中の美少女も同様に手を上げる。


 「えええぇぇぇっ!!」


 鏡の中の美少女が驚愕の声を響かせる。ってか、俺じゃん!

 この美少女俺じゃん!


 神託の儀式で性転換した奴なんて聞いた事ねぇぞ!


 俺は元凶であり目の前に鎮座している神様へと目を向けた。俺がいる国は『黒の神』と呼ばれている神様が統治している。その神様はズズっと湯呑に入ったお茶をすすると、ジジイのクセにペロッと舌を出し始めた。


 「一瞬の気の迷いじゃ。でも可愛いぞよ」

 「そういう問題じゃねぇ!」


 確かに鏡で見る限り自分で言うのもなんだがかなり可愛い。俺の住む極東の国は独自を文化を作っており、着物と呼ばれる衣装が普段着として利用されている。


 美少女と化した俺は若い女の子の間で流行っている、肩や足の露出が多い今風の着物に身を包んでおり、桜色の花の模様が良い感じのアクセントになっていて――。


 「って、戻してくださいよ!」

 「あ、それは無理じゃ。確定ボタン押しちゃったから」

 「かくていぼたん!?」


 だ、駄目だ、さすがは神様。言ってることの意味が理解出来ない……。だがどうやら俺は元の男の姿には戻れないらしい。神託の儀式は人生で1回きりの大勝負の場。当然と言えば当然の話なのかもしれないが、そう簡単に受け入れられそうもない。


 そもそも、神託の儀式では【スキル】を授かるモノだ。容姿が変わるなんて聞いた事も見た事もない。


 「まぁまぁ、そう嘆くな。代わりと言っては何だがお主にこれをやろう」

 

 スッと黒の神は一振りの刀を取り出し俺へと渡してきた。妙にズッシリとした重みがあり、柄から鞘まで全てが黒く染められたその刀は普通の刀とはどことなく違う雰囲気を感じる。


 「あ、あの、この刀は……?」

 「これはワシの愛刀、『黒蝶丸(こくちょうまる )』じゃ」

 「か、神様の愛刀? それじゃあこの刀は、神器なのでは……?」

 「左様。通常の人間は神の武器など触れることも叶わぬが、お主には【神技(しんぎ )】のスキルを与えた故扱える」


 【神技】のスキル。噂には聞いた事がある。神の領域である武器や魔法を扱えるようになるスキル。神に愛された選ばれし人間にしか与えられないとされる伝説のスキルだ。

 それを、俺が? 


 「い、良いんですか? 俺みたいなのがそんな凄いスキルを……」

 「気にしなさんな。お主の今の姿めっちゃワシ好みだし。そろそろ【神技】のスキル持ちの人間選ばにゃならん時期じゃったし。ちょうど良かったから」


 うわー……。なんつー適当な神様だよ。流石は他の神様からは邪神と呼ばれ悪口叩かれてるだけあるな。それにしてもさっきから黒の神の視線が気持ち悪い。

 舐めまわす様にジロジロと俺の全身を見つめてくる。


 「それにしてもワシはセンスがあるのぅ。そうは思わぬか? 咲夜(さくや )よ」

 「…………」

 「咲夜、返事くらいせんか」

 「え? 俺の事?」


 若干苛立たし気な黒の神がビシッと俺を指さしてくる。


 「お主の事に決まっておろう。源吉なんて男くさい名前今のお主には合わん! 今日からお主は『司 咲夜』と名乗るが良い」

 「んなっ!?」


 こうして『司 源吉』15歳は、名前と男としてのあれやこれやを奪われ『司 咲夜』として第二の人生を歩むことになったのだった。

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