表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

熾天使と熾天使

「ルシフェル様、どちらに行かれるのですか?」


そう言い放ったのは、同位階の熾天使〝アブディエル〟だった。


「私はこの世界の人間の子らに叡智と祝福を授ける為に、まず下位三隊の授業に参るつもりだ」


話をくい気味で冷静に応える。


「わざわざルシフェル様が行かれなくとも、我が神に忠実なアブディエルが神の御言葉一節一句とも間違わず、天使達に伝えてきましょう」


彼は普段は瞳を閉じ、神に最も忠実な天使とされる。閉じた瞳は相手の心理を、そして意思をも読み取ると天界では噂されていた。


「いや、私が唱え教えこの展開のあるべき姿を説う。それが私が天界で永年研究し、至った結果なのだよ。」


ルシファーは天界の空を見上げ、青く澄み切った空を力強く見つめていた。


「あなたは危険だ、あなたは理想を高くしすぎている。それでは神の域に達しようとしているようなものだ。神もあなたの動向を注視しています。もちろん私もです。

ここでの私の発言は神の意志ではありません、〝あくま〟で私アブディエル個人の意見でございます。

できるのならあなたには私と同じく神の教えをもっと多くの者に説いて…」


「アブディエル様!」


話を割って入ったのは下位三隊〝大天使〟ミカエルだった。


「人間界でまた戦争が始まりました。私はまた神様の元へ行き、守護する子らを決めて頂きたいと考えていたのですが…

現在、神様は聖戦の余波で謁見が禁止されております。

ですので神様の事を天界一、ご理解されているアブディエル様に意見を聞きたくここへ参った次第です。」


彼は武器と秤を扱う者守護者で、しばし守護聖人となって人間界へ赴くのである。


「…分かりましたミカエル、場所を移して話しましょう。

…それと、ルシフェル様?あなたにはこれからもこの天界にいて欲しい、そう思っております。

あなたが外れてしまいそうになっても私はずっと、あなたに説い続けるでしょう…

あなたの居場所はここなのです…」


そう言い残すとアブディエルはミカエルと共に去って行く。


「失礼します!」


ミカエルは一礼すると羽を広げ飛び立つ。背後にいるルシファーの圧を感じながら…






ルシファーの前に現れた熾天使アブディエル。

ルシファーは彼の言葉をどう捉えたのか。


最高位同士の圧にミカエルは足を踏み出せずにいた、もう数分も前から近くに居るものの声を掛けられずにいた。


ミカエルは今後自分が大成するとはこの時点では思いもしなかったのだった。

ルシファーとの関係とも…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ