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39話 それはマーキングとかいう

とにかく何が目的なのか、マーダに聞く以外に解決できる気がしない。

マリンちゃんさえ見つければいいって感じではなくなっちゃったね〜。


ってことで、建物の中に隠れているであろうマーダを探すため魔力を広げ探索してる。

でもよく考えなくても、この土地にいる人ってみんな魔力持ちなんだよ。

魔力の塊がいくつも存在しているのは分かるけど、どの魔力の塊がマーダなのか全くわかんない。

はっきりマーダだってわかるものがあると楽なんだけどな〜。


屋敷の中で魔力を感知すると、1人ずつ引きずり出すように引き寄せる。

まるでカッチャウオの1本釣をしてる気分だ。

えいっ、と。


う〜ん、この人も眠らされてた人だなあ。


引きずり出した人の顔を確認してため息をつく。

まだまだ下の方に魔力の塊がいっぱいある。

大きいものと小さいものと、引き上げても引き上げても終わんないぞ。


集中するために地面に座り込むと、ラージが私を引っ張る。

そのままラージが胡座をかいた上に座り込むと、すっぽりと囲われた。

硬めのソファに座ってる感じで、私は楽だけど。


「重くない?」

「ん、元気になれる」

「……そう?」

首のところに顔を近づけて、くんかくんかされるとくすっぐったいんだけど。

ラージってバウワウみたいだよね。


「しかし、いったいあと何人いるんだ?」

「ん~まだ、だいぶいるっぽい」

ラージは感知できないのかな?

あ、小さい魔力は人間じゃなかった。


お屋敷の部屋の中で普通に発見できた寝てた人が、全員エスライト達の手で運び出された。

それなのに、私がどこからかこうして人を引きずり出しているからか、彼の指示で建物の解体が始まったようだ。

魔力をぶつけたりナタのようなものをぶつけたりしながら少しずつ。


「隠し通路があります!」

バタバタと何人か走って行った。

カレンちゃんもこの中にいるかもしれないなあ。


っていうか、ちまちま解体していたら、あとどんだけかかると思う?


「もう!細かいことやるの面倒くさいな」

建物が邪魔なんだよ。建物がなければみんなで一斉にバ~ッと捜索できるのに。

ん、なかなか名案なのではないか?


魔力のあるものは生きているものだと考えたとして、安全な空間に留めておかないと死んじゃうかな。

感知できる全ての魔力を強固な壁で包み込むと、一帯を破壊するために魔力を放った。

私を抱きしめているラージにも力が入る。


ドォッガガがガーン!!!


よっし、見晴らし良くなった!


「ああ!アレスティーナ様!!」

エスライトが涙を流してる!

私、やったよ!がんばったよ!

ちまちまやってるより、ババっと終われそうだね。みんなだって早く帰りたいよね。

うん、よかった、よかった。


満足していたらラージに後ろから抱きしめられた。

「これがアレスの全力?」

「う〜ん、8割、かな?」

なんか身体の調子がいいんだ。お姉ちゃんのおかげだね。

「そっか」

ラージが頭を肩に乗せてうずめてくる。

あれ?どうしたの?


「これ以上の規模で、アレスの部屋を作らないとダメなんだな」

は~、と悩まし気なため息をつくラージ。

失礼な。

「さすがに自分の部屋を破壊したりしないよ」

辺り構わず暴れたりしないよ。

もしかして私、ラージにとんでもない暴れん坊だと思われてる?


「違うよ。アレスが俺に愛想を尽かした時に効果を発揮する部屋のことだよ」

「愛想なんて尽かさないけど?」

「ふふふ、うん」


すっごく幸せそうに笑ったあと「愛想を尽かされないように努力はするけど」って、あああ!

「み、耳舐めないで!」


「魔力に影響を受けない鉱石が、ドウシタンタでみつかったんだよ」

うん、だから?って、えええ!くすぐったいわ!

「夢の部屋、作んないとなあ」

「ああ、うん、まあ。がんばって」


ラージが何考えてるのか、わけわからん。




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