運試しなふたり
運試しなふたり ―――おまけの二日―――
初売りに行く途中、昨日の初詣でおみくじを引き忘れたと駄々をこねる玲のせいで、またしても混み合う神社に寄ることになった。
「大変!宗ちゃん!」
玲が引いたばかりのおみくじをパタパタさせて俺の周りをぴょんぴょん飛び跳ねている。
「なに?大凶だった?」
「うん!」
玲がパタパタしているおみくじは確かに大凶。
「じゃあ、よく読んだら結んでおいて神様に見てもらおうね」
俺はたいして興味ないから自分のを一通り読んでポケットにしまう。
「宗ちゃん、肩車して!」
おみくじを結ぶ木のところでこれまた玲がぴょんぴょんしてる。
「無理。玲重いから」
「ひっどーい!」
本当はたぶん、できないこともないけど、今日の玲のスカート短すぎるから無理。
「どれ、かして」
俺は背伸びして、届く範囲の一番高いところに左手でおみくじを結んだ。
「ありがと!」
神社を出てデパートに向かう。
「そういえば、宗ちゃんのは?」
「ん?玲にあげるよ。さっき俺、玲のおみくじ左手でちゃんと結べたし、だから、交換」
ポケットから取り出したおみくじは大吉だった。
待ち人 既にすぐ傍に現れている。