表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

ラブコメ主人公は童貞が多い


裸無米(らぶこめ)ー!また私を置いて学校来たなぁ~!」


「やれやれ」


「なーにがやれやれよ!もう~、私を置いて学校行くなって何回も言ってんじゃん!」


そう叫んでいる金髪巨乳の彼女の名前は、あやめだ。


俺の幼馴染みで、よく昔からつるんでるやつだ。


いわゆる、腐れ縁ってやつさ。


「あー、今腐れ縁って考えてなかった!?」


「な、なんでわかるんだ?」


「私はね、裸無米のことなら何でもわかるんだから!」


「やれやれ…」


「あら、相変わらず仲良しね。そのまま、結婚しちゃえば良いのに」


こいつは、あやめの親友の、ちさとってやつだ。


赤い髪がよく似合う、巨乳の美少女なのだ。


「あー!裸無米!今変なこと考えたでしょ!やっぱり、あんたも大きいのが好きなんだね!さいってー!」


「大きい?なんのことだ?」


「そそそそ、れは、むむむ、胸にき、きまってるでしょ!何て事を言わせるのよ!変態!」


そう言うと、あやめは顔を真っ赤に染めていった。


自分で言ってるじゃないか。


やれやれ。


「あら、先輩おはようございます」


そして、今度は後輩のかなみがやって来た。


巨乳で、そして、青い髪が、ポニーテールにまとめられ、かなみの美少女っぷりを更に加速している。


「ちょっと、かなみちゃん、聞いてよ!裸無米が、胸の大きさで女の子を決めるんだよ!」


「せ、先輩。ほ、本当ですか?」


「やれやれ」


「おー、集まってるじゃねえか!裸無米ー、今度こそ付き合ってもらうぜ?」


そして、今度は真っ赤な髪をした、頬に傷のあるあかね先輩だ。


こちらも、中々の巨乳である。


「あー、ダメですよぉ!裸無米は私と…」


「えー?私と?」


「ななな、何でもないですっ!」


「ほほう、何でもないんだな?なら、私が貰っといてもいいんだな?」


「それはだめですよぉ!」


「だとさ、どう思う?裸無米?」


「やれやれ」


この四人全員俺の友達だ。


そして、全員処女で、全員俺のことが好きだ。


まったく、困ったもんだぜ。


「あの、あのね…」


あやねだか、なんだか、がもじもじしらなが、俺を見ている。


多分あれだろう。


ありがたい。


こいつらがいれば、昼飯代は毎日ただなのだ。


「弁当、今日も作ってあげたわよ!感謝しなさいよね!」


「やれやれ」


「ふ、ふん!」


そういって、あやねがそっぽを向き、どっかいった。


確か、あやねが俺を好きになったきっかけは、苦手な犬からかばってやった時だったな。


一回犬からかばってやっただけで、毎日ただで飯が食えるなら、安いもんだったな。


「あ、あのさ…」


今度は、あやねの親友の、かなめ?


とにかく、巨乳のやつが話しかけてきた。


「私も、作ったの。嫌だったら食べなくてもいいから」


「やれやれ」


また弁当が増えちまった。


邪魔くせえな。


取りあえず中身を確認してみた。


すると、高級食材がズラリと並んでいるではないか。


俺はすぐに、金髪の巨乳の弁当箱をごみ箱に捨てた。


こっちのほうがうまそうだ。


「せ、先輩。あ、あのですね…」


俺が、うきうきと弁当を楽しみにしていたら、また、巨乳が話しかけてきた。


今度は、青い頭の後輩のめぐみだ。


「今度一緒に映画見に行きませんか…?結構人気の映画でチケットとるのに苦労しましてけど、先輩と行きたいんです…」


「やれやれ」


チケットとるのに苦労しただと?


恩着せがましいやろうだ。


とにかく、そのチケットを受け取った。


「行ってくれるのですね!誘って良かったぁ~」


彼女は、なぜか涙を流し始めた。


俺も良かったよ。


ネットオークションで売れば、それなりの金がただで手に入ったからな。


泣きたいのは俺の方さ。


「がっははは!裸無米!付き合え!」


今度は赤髪の巨乳だ。


もう、名前も覚えていない。


「胸を揉ませてやるぞ?」


ん?


「どうだ!付き合う気になったか?」


「やれやれ」


「なめさせてもいいぞ?」


「や、れや…れ」


「匂いもかがせてやる」


もう、やれやれキャラなんざ糞っ喰らえ。


「付き合いましょう。今すぐに!」


「そう言うと思ってたぞ!取りあえず、放課後、部室までこい!」


「はい!」


よし、今から放課後が楽しみだ!


そして、どうでもいい授業を受け終えて、俺は部室へ向かおうとした。


「ちょっと、裸無米どこ行くつもり!?一緒に帰るわよ?」


しかし、金髪巨乳に腕を捕まれた。


くそっ!


「……なせ…よ」


「なに?聞こえないわよ!」


「はなせよ!」


「いやよ!また、他の女の子にちょっかい出すつもりでしょ!?」


「いや、マジでそういうのじゃないから!」


「えっ?そういうの?」


「そういうのじゃないからぁ!マジだから!そういうのじゃないからぁ!」


「え、えっ?きもっ…」


そして、俺は何とか腕を振りほどく事ができ、部室へ急ぐことにした。


しかし、今度は青い巨乳のやつが来やがった。


「あら、先輩…」


「あら、先輩じゃねえよ!普通の女はあらなんか言わねんだよ!痛いんだよ!キャラ作ってんじゃねえよ!どけよ!」


「えっ?」


「おっぱい見に行きてぇんだよぉ!」


俺はそう叫びながら、青い巨乳をかわし、廊下へ出た。


しばらく走って、廊下の角で曲がろうとしたら、こんどは金髪巨乳の親友にぶつかった。


「糞がぁ!今時まだ曲がり角でぶつかってんのかよぉ!何年間このやり取りを見てきたんだよぉ!学習能力マイナスですか?いい加減にしてくれよ!おっぱい見てぇんだよぉ!」


「え、えっ?」


「え、えっ?じゃねえーよ!どけよ!みんな同じリアクションと顔なんだよ!違うのは髪の色と形だけじゃねえか!ふざけんなよ!名前も似てて覚えられねぇんだよ!消えろ!」


そして、俺は最後の壁を越えて、部室にたどり着く事ができた。


道のりは長かった。


しかし、決して無意味なものではなかった。


決してなかった。


俺は意気揚々、扉をあけ、そこにいる、赤巨乳に声をかけた。


「おっぱいみせろや!」


「えっ?」


「もう、そういうのいらねえんだよ!」


そして、強引にシャツを脱がせ、おっぱいと目があった。


きた。


ついに来たのだ!


来たのだが……


なんだか、違和感が…


「お、おいなんか妙に張ってないか?シリコンか?」


「がっははは!そうだ!何て言ったって私は…」


そう言うと、赤巨乳はスカートを脱いで、下半身を露出させた。


「男だからな!」


「くそっ!くそっ!くそっ!」


男の娘設定とかいらねえんだよ!


んだよぉ!


ちくしよーがっ!


「こ、これは…」


そして、うしろから声が聞こえた。


金髪、青い、金髪の親友の巨乳がそこに立っていた。


「きも…」


「きもいです…」


「きもいわー」


こうして、俺はラブコメの主人公の座を失った。


しかし、悲しくはない。


俺にはまだ、母や、姉、妹の選択肢が残っているのだから。


そう、ラブコメの主人公は無理でも、まだエロゲーの主人公の可能性は残されているのだ。


因みに、この三人も全員処女で、全員俺の事が好きなのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ