第十八話 ずるして薬師見習い
更新おもっくそ遅れましたOTZ
前回までを思い出すためのここまでの道筋
先代のチートな記憶を引き継ぎました→義妹鍛えました→公爵令嬢助けました→王都に遊びに来ました→先代のチートな記憶を引き継ぎました(二回目)→嘘ついたりしてこっそり旅立ちました→キャラバンに乗せて貰いました→とある町に着きました(今ココ)
大体こんな流れです
キャラバンで移動を始めて約一月が経過した。
目的地である西の国境沿いの街まで後僅かだ。
アデン国内は起伏が多く、はじめの内は丘陵地帯や山越えなども多かったが、人の国と呼ばれる地帯は平原が多いからか、国境に近づくにつれ道もなだらかなものへと変わった。
そのおかげで街道の幅もずいぶんと広がり、周囲の見晴らしも良くなる。
ここまで視界が開けると盗賊や魔物なども不意打ちができないため、こうした街道では襲撃の回数もぐっと減る。
目的地がここに来るまでの道中にあったものが抜けたこともあり、今ではかなり行進速度も上がっていた。
「アトラ君、ミリルちゃん、次の町が見えてきたよ」
いつものように荷台に乗せられて移動していたアトラたちに、外からロイドが話しかけた。
ごりごりと乳鉢で薬草を磨り潰していた手を止め、アトラたちは馬車の中から顔を出した。
緩やかな曲線を描く街道の向こうに、川に掛かった橋と幾つかの建物、そして『のぼり』が見えた。
川沿いの町センリュウ。今回キャラバンが滞在する町だ。
平屋が並んでいるのだが、通りには川から引いた水を流す水路が走っており、取り付けられた水車が休むことなく回っている。
立ち並ぶ店には看板の変わりに暖簾や旗が立てられ、そこに書かれている文字は『そば』『甘味処』『茶屋』と言ったものが目立つ。
洋風な世界観の中で、珍しい和風の町がここセンリュウだ。
ちなみにアトラの先代ことユウトが特別に手を加えた町だったりする。
洋風な世界観に和テイストを求めて悪乗りした結果なのだが、独特の雰囲気で観光地として有名だ。
とはいえ先代の思惑も志半ばで潰えているようだ。
江戸時代の下町のような雰囲気はあるものの、そば屋の呼子が和服ではなく洋服にフリルのついたエプロンだったり、茶屋で使われる食器がティーカップだったり、甘味処で出るのがあんみつではなくケーキだったりと、アトラから見ると物凄く浮いて見えていた。
町並みや店の景観などがいかにもな分だけ、なんていうか、これじゃない感が半端ない。
「ここに来たら名物のソバは食べたほうがいいよ。ヤマナソバやタマゴソバとか、色々種類があって面白いから。ちなみに僕のお勧めはトロロンソバだよ」
ロイドが解説がてら教えてくれるがアトラの中の知識と微妙に名称が異なっていた。
大体どれがどれだかわかるのが逆に始末に困った。
「食いもん以外にもこの町は染物や皮細工なんかも有名だからそっちも見ろよ」
「へぇ……そんなのもあるんですねぇ」
御者をしていたレイバンが名産品について教えてくれたので、相槌を打っておく。
なんだかんだと心の中でツッコミを入れながらも、アトラは少しばかりわくわくとしている自分を感じていた。
何しろ先代の世界のものは、記憶にあっても中々現物を見ることが難しいことが多い。それに自分でそれっぽいものを再現することはあっても、自分以外が作った異世界の物というのは貴重だ。
今回アトラたちがお世話になることが決まった宿も、旅館と呼ぶのがふさわしい景観だったため、アトラは興味深げにきょろきょろとあちこち見回すと言う年相応な態度をとっていた。
ただし残念なことに畳は無くすべて板張りの床だったり、金髪でメイド服を着た女中さんにおいでやす、と言われたりして甚だ微妙な感じだったりしたが。
閑話休題、この後最後の峠超えがあるため、この町では二日ほどゆっくり休むとのことだった。
こんな絶好の観光地を楽しまない手は無いと、アトラはミリルの手を引いて町へと飛び出した。
「あ、おいアトラ。町に行くなら仕入れの注文も頼むわ」
「…………」
飛び出す際に、仕入れの手配をするお使いを任されたりもした。
ここに至るまでの信頼の現われだと肯定的に捉え、アトラは少し引きつった笑顔で快諾した。
請け負ったからには、面倒なものを早々に片付けるべし、と最速で注文と手配を終わらせる。
いつも通り食料や水等の手配だけかと思ったが、染物などもリストに乗っていた。確かにこの町の染物はアデン国外で高く売れる。
これから国境沿いに向かうのだから、仕入れて置いて損はない品物だろう。
アトラもミリルと相談して藍色と紅色の鮮やかな染物をこっそり購入しておいた。
そうした用事を済ませて余った時間でぶらつくと、あちこちの水路で釣り糸を垂らしている子供がいるのに気がついた。
糸の先を覗き込めば、川から水を引く際に紛れ込んだのか小魚が泳いでいた。
「何が釣れるんだ?」
アトラから話しかけられるとは思っていなかったのか、釣り糸を垂らしていた少年はびくりと肩を竦めていたが、話しかけたのが自分と近い年齢の子供だとわかってからは安心したようですぐに視線を水路へと戻した。
魚を刺激しないためか、抑揚の無い声で返事が返ってくる。
「さぁ、名前なんて知らないよ。でも毒もないし、泥臭いの我慢すれば食えるから」
「ふーん」
「見ない奴だけど、他所から来たのか?」
「そうだよ。大所帯だけど気づかなかったか? さっきキャラバンで到着したんだけど」
アトラの何気ない返答に、少年は釣竿さえ投げ出しそうなほどに勢いよくがばっと顔を上げた。
「ほんとか!? なぁ、キャラバンに薬師様とか、薬売ったりする人っていないかな?」
「あー……悪いけど、全部を把握してるわけじゃないんだ。だからいるかもしれないってだけで、はっきりとは答えられない」
「そうか……いや、それでももしかしたらいるかも知れないんだよな?」
言うが早いか少年は垂らしていた糸を巻き取り、釣竿を片付けて走り出す。
「あっ! おい!」
「教えてくれてありがとな! ちょっと行って来る!」
声をかけるも、その少年は気にすることもなくその場から走り去っていった。
あきれたように、横で見ていたミリルが口を開く。
「今だと町中に散らばってしまっていて探すのも大変なのに」
「よっぽどの事情があるのかも知れないな」
アトラたちは呟いてそれ以上気にはしなかったのだが、その理由は割とすぐに知ることになった。
話を持ってきたのはレイバンとロイドの二人だ。
町の散策を終え、宿で揃って夕食を取っている時の事だ。
「全員、体調管理には気をつけろよ」
食事の最中に言われたレイバンの何気ない一言に、周囲の者たちがきょとんとした顔をした。
今日の夕餉はテンプルソバというものらしく、近くの小山で取れる山菜や野菜、小魚に衣をつけて揚げた『テンプル』なるものと、この町名物の蕎麦が全員の前に並んでいる。
レイバンは至って真面目な表情のまま夕飯に出されたテンプルソバをフォークで啜る。
「どうにも妙な雰囲気でな。うちのとこだけでも二人、町民が薬の予備が無いか聞いてきた。他のやつらの所にも結構な頻度でそうした連中が来ているらしいんだわ」
「それでですか。僕たちの所にも来ましたよ」
ロイドもその説明に心当たりがあったようで頷く。
交わされた会話をまとめると、どうやらこの町で病気か感染症が広まっているとのことらしい。この町にも薬師はいるそうなのだが、原因がわからず治療ができないのだという話だ。
その為キャラバンにいる薬師の知識や、持ち込まれた薬に期待されたのだろう。
確かに回復薬などを使えば軽い症状のものなら治癒するだろうが、だからと言っておいそれと渡すわけにも行かない。
まだキャラバンは旅の途中であり、道中何が起こるかわからないのに迂闊に差し出すわけにも行かない。自分たちが感染した場合の事も考えておかねばならないからなおさらだ。
「ロイドたちもわからねぇか?」
「似たような症状は聞いたことがある気がするけど、どうしたって本職じゃないからね。それに僕たちは性質上、掛かった後の治療法よりも予め準備する予防法に重きを置くから」
「そらそうだよな。わりぃな、食事時に飯が不味くなりそうな話しちまってよ」
「そんなん問題ねぇよ、レイバンの旦那。そんな些細なことを俺たちが気にするわけねぇだろうが」
若干重くなりかけた雰囲気を、ジェイルが笑いながら蕎麦を豪快に啜ったことで打ち払った。
そんなやり取りをいいバランスだな、などとアトラは同じく山菜のてんぷらを齧りながら見ていた。
「こらこら、ジェイル。私たちはともかく、ここにはアトラ君やミリルちゃんもいるんだよ?」
「そうね。しっかりしているけれど、二人はまだ子供なんだから、ってそういえば」
パーティメンバーの女性陣からジェイルがからかい半分に窘められているのを、他人事と眺めていたアトラにエクレールの視線が向けられる。
エルフというだけあって美人なのだが、それゆえにその切れ長の双眸で見られるとまるで色々と見透かされそうでアトラは少しだけこの視線が苦手だった。
なんとなく探られているような気がするのも理由の一つだ。
「アトラ君は確か、薬師を目指しているのよね? 今回の件、何かわからないかしら?」
「おお、そういやうちには今、小さな薬師様がいたんだっけな」
エクレールの発言によって、一斉にアトラに視線が集中した。
一瞬止まったアトラだが、何事も無かったかのように咥えていた蕎麦を啜る。
ここに来るまでに何度か危険な襲撃を知らせる際に出歩くのに便利だったので、野草を取るという理由付けのためにそんな話をしていたのだ。
その事を思い出して、アトラは困惑気味の表情を浮かべながら少しだけ後悔していた。
何しろ最近ようやく一般の冒険者の実力と言うのがわかった位なのだ。一般の、アトラ位の年齢の少年がどの程度の知識を有しているのかわからない。
「そう言われても、症状とか実際に見てみないと」
「確かにその通りだね。でもエクレールも良く気がついたよ。当たり前すぎて忘れかけてたけど、アトラ君なら何かわかるかも知れない」
「そだね。実際採取の腕前とかすごいもんね」
アトラはいつの間にか予想よりも自分が評価されていることに驚いた。
アトラがキャラバンにいる間に行ったことなど、たかが知れている。
馬の世話や料理、馬車の中での簡単な薬作り程度だ。その薬だって魔法の必要のない、傷薬や胃腸の調子を整えるくらいの物しか見せていない。
確かに料理用の野草を取りに行った際などは、キャラバンに遅れたら不味いので多少急ぎ気味に採取をしていたが、かなり適当に集めていたはずだ。
そう困惑していたが、アトラは事の次第を続くミランの言葉によって理解した。
「森の中であれだけ素早く食べられるものや薬草を見つけられるのって、慣れて無いと絶対無理だしね」
ようは、また加減がわからずやらかしていただけだった。
アトラにとってはその地域の植生などや土の質などから、おおよその見当をつけてどこにどういった食用の草木が生えているかを予想し、そこを適当に回っただけだった。実際に的中率など魔法を使わなければ三割程度なのだが、それでも十分すぎたようだ。
そもそもその見当と言うのは何年も知識を養い、『経験』をつむことで得られるものだ。
実際の所、アトラの環境から言えばマグノリアが優秀な薬師であった事もあるので、彼女に師事してそれ専門に学んでいればぎりぎりおかしくは無いレベルではある。
問題は自覚なしにそれを行ったことであり、この場合はやはり先代の記憶がベースになってしまっているのがいけないのだろう。
とは言え、今更の事だ。
アトラはある意味で開き直って、症状について詳しく聞くことにした。
「聞いた話だけど、症状は倦怠感に悪寒、吐き気と手足の痺れだったかな。酷い人だとまったく動けなくなってしまっているみたいだし、中には亡くなった人も居るみたいだよ。とは言ってもずいぶん高齢な人だったみたいだからそれが原因とも限らないけど」
「それって、感染するんですか?」
「それが今一わかって無くてね。症状が出始めたのがばらばらだからその可能性もあるし、そうじゃないのかもわからない。どうにも症状が出始めたのが一ヶ月くらい前かららしくてね」
などと詳しい話を聞いていったのだが、結局の所実際に患者を見てみないことにはわからない、という結論だった。
翌日、あまり乗り気ではなかったが、アトラはロイドとエクレールに連れられて患者を何人か巡っていた。
実際に症状を見させて貰い、いつから違和感を感じたのか、またその前後行った場所やしたことなどを質問して必要な情報を集めていった。
アトラは一人目でほぼ原因を見抜き、二人目で確信を得るに至った。
大して珍しいものではなかったため、知っている人が見ればすぐにわかる症状ではあるが、この地域では普段見かけないものではあったので、この町の薬師が気がつけなくても仕方がないのかもしれない。
その為、三人目で自分が気づけても良いだろう物証を見つけて、ようやくアトラはこの症状の正体を語った。
「あ、これ、もしかして」
「わかったのかい? アトラ君」
「はい、たぶんですけど……これ見てください」
そういってアトラが指差したのは、今見ている患者が持っていた背負子だ。
初老の男性という事もあって、症状も重く、ここの所寝込んでいた男性のものだけにしばらく放置していたのだろう。
日の当たらない部分に、小さな菌糸が生えていた。
「これは、たぶんファンガスの胞子にやられたんだと思います」
「ファンガスって……あのきのこの、かい?」
「そうです」
ファンガスというのは、一見ただのきのこだが立派な魔物の一種だ。元々はもっと南の湿った森の中などに生息している。成長しても十五センチ程度の大きさの赤茶色のきのこで、その胞子は神経を侵し、最悪命を奪えるだけの毒性を持っている。
とは言っても、討伐依頼が出ることすらない、脅威度が遥かに小さな魔物とされているのも事実だ。
ファンガスは胞子によって他の生物に侵食し、死に至らしめることでその生物を養分として成長する魔物だが、生物の大きさによって当然胞子による致死量が変わってくる。
小さなネズミ程度ならば少量の胞子で十分かも知れないが、人間のサイズとなると相当な量を吸い込むか生のファンガスを丸齧りするくらいしないと死なないだろう。それにファンガスを主食とする魔物がいるため、周囲に影響が出るほど繁殖することが本来はないのだ。
今回はおそらく胞子に侵食された鳥か何かがこの辺りの森にでも落ち、天敵のいないこの環境に適応して繁殖したのが原因だろう。
「確かに……言われてみればファンガスの毒にやられた時の症状だけど……でもその症状がでるのは宙に舞う胞子が見えるほど濃くないとならないはずだよね?」
「はい。一度に吸い込む場合ならそうです。でも長い時間に渡って少しずつ吸い込んでいた場合にも同様の症状が出るはずです。魔物の毒は蓄積しやすいですから」
「それでも命を落としたり、寝込んで動けなくなるに至るまでにはならないと思うけれど」
「たぶん、毒にやられている時に他の病気になったんだと思います。併発すると普段はそうでも無い症状でも悪化してしまうでしょうし」
アトラが矢継ぎ早に飛んでくる質問に冷静に答えていくと、ロイドどころかエクレールも感心したように頷いた。
「なるほどね……それでアトラ君。そのファンガスの毒を消す薬って言うのは作れるのかい?」
「はい。そんな難しい調合薬でも無いので、この町の薬師の方も言われれば作れると思いますよ。ただ、問題があるとすれば……」
「問題があるとすれば、本来生息地ではないはずのこの辺りにファンガスがいることを信じるかどうか、だね。そこは僕たちに任せてくれ。確認してくるから」
アトラの言葉に、ロイドが頷いて立ち上がる。
きっと今から確認のために森に入ってくれるのだろう。
「すみません、お願いします」
「いいさ。むしろ僕たちが気がつけなかったことに気がついてくれたんだから、もっと自信を持ったほうが良い。アトラ君なら立派な薬師になれるよ」
笑顔でそう言い放ってロイドはすぐさま森に入る準備を始めた。
結果から言ってしまえば、ロイドたちは森の奥で繁殖していたファンガスを見つけ、証拠として一部持ち帰る以外は全て処分してきたそうだ。
結構な数が生えており、放置していた場合はもっと深刻な被害が出たかも知れないという事だった。
群生地はつぶしたものの、広範囲に胞子を撒いているので、暫くは注意が必要と言う事だ。その辺りは町全体に注意事項が伝えられ、冒険者に森の調査などを定期的に行うということになったそうだ。
そんな事態にただ傍観するわけにも行かず、アトラはその日一日町の薬師と並んで解毒薬作りをする羽目になったのは言うまでも無いだろう。
お陰で翌日の出発日当日、アトラは他の商人と共に馬車から降りて歩く事になっていた。
お礼に、と町の人たちが食料や染物、皮細工などを持ち込んできて、馬車がいっぱいになったからだ。
座るスペースが無いわけではないが、積みあがった積荷が崩れそうな上に、荷物の上に座る事になりかねない程度には荷台が一杯なのだ。
レイバンは気にしないと言ったのだが、アトラとしては荷物の上に座るのも気が引けたし、このところあまり体が動かせていなかったので丁度いいと辞退した。
「なんていうかすまねぇなアトラ」
「いえ、この場合仕方無いですから」
御者台にはレイバンとミリルが座っている。流石に二人とも歩くというと、不振がられそうだったために妥協案だ。
ついでに御者の仕方を覚えられると言うものだ。
「兄様、後で代わりますから」
「うん。疲れたら交代お願いね」
お互い体を動かしたいという気持ちは一緒で、ミリルもどこかそわそわとアトラにそんな事を告げてきた。
不自然にならない程度に交代しながら行く事にしよう、とアトラは気をつけながら、センリュウの町を後にした。
大変更新感覚が空いてしまいました。あれこれやっていると時間が足りない……。
書けない時はまったく書けないですね。
本当はこの話、幾つか話を書いた後、キャラバンではこんなことがありましたー的な感じで書こうと思っていたものだったりします
本編内のあれこれ
今回は洋風の世界でも和風の町並みとかもある、ということを書きたくて書いたのですが、多少でも雰囲気を感じられましたら幸いです
日本を勘違いした海外の方が作りそうな町を少し意識してみました
ござの上で食べるケーキや、フォークで啜るソバとか。後間違って伝わってしまったソバの名称がそれぞれどれが何を表しているのか、わかりやすくしたつもりです
個人的にイケメンさんがトロロンとか言ってる所がお気に入りです
ここまで読んでくださりありがとうございます
感想などありましたらよろしくお願いします
次回は冒険者視点からの閑話予定
できるだけ早く更新できたら……いいなぁ……
2014/10/26
彼女を師事して>彼女に師事して に修正しました




