あの日と今日にメリークリスマス
あの日聴いた鈴の音を、今も覚えている。
冬の空が黒に沈み、浮かんだお月様が弱々しく降り積もった白を照らす、そんな特別な時間。一年に一度しかない、特別な日に。
しゃんしゃんしゃん、と。飛び起きた一人の幼い少年へ、未だ降り続ける白の宝石と共にそんな音色が降り注いだ。
何故かはしらないけど、幼い頃に無条件で信じたことと言うのは案外、いつになっても信じていたりするものだ。
たとえ、それがどんなに馬鹿らしいことでも、心が信じているのだろう。
――あの日聴いた鈴の音を、今も覚えている。
それはちょうど今のような季節の頃のことだ。
爆笑。ストーブが焚かれた暖かい放課後の教室に黄色の笑い声が上がった。
四人の少年少女が囲んでいるのは他に生徒が残っていないのを良いことに四つの勉強机をくっ付けて作った即席のテーブル。その上にはつい先ほどまで行われていた大富豪の残骸として、いくつものトランプが散らばっていた。
「そこまで笑うか」
半ばふて腐れたようにして数枚のトランプを手で弄びながら月城誠一は不満を述べる。
「だってねえ? 神妙な顔をして、そんな珍妙なこと言われると笑わずにはいられないよ」
息も絶え絶えに栗色に染めた髪とくりくりとした好奇心の強そうな目を持った少女、水原皐月が手で涙を拭いながら答えた。
「あの日、聴いた鈴の音を今も覚えているんだ……名言だな、これは。今時の若者がこんな青臭い台詞を真顔で吐けるなんて、お父さんは嬉しいぞ」
新しい遊び道具を手に入れたと言わんばかりのにやけ顔で、短髪で整った顔つきの少年、相馬孟徳が呟く。
「私はロマンがあると思うよ」
最後に擁護の意見を出したのは女の子らしい黒く長い髪が落ち着いた印象を与える和泉春香。だが、擁護したのは良いものの、その目は孟徳のそれと同じく笑みを湛えていたので誠一の受けた傷をさらに深くするだけだった。
「なぜ、こんなことに」
「それはあなたが貧民だからさ」
三人からの集中砲火に堪らずテーブルに突っ伏した誠一に孟徳の無常な言葉が降り注ぐ。
唐突に始まったこの大富豪。最下位、つまりは貧民になったものは何か一つ、自身の暴露話をするという罰ゲーム付きで行われたのだが、誠一にはそういう類の話のストックが殆どなく、自身唯一のそれに該当するであろうクリスマスの思い出を話したのだが、結果はご覧の有様。現実とは非情である。
「でも、うちの学校でも確か似たような与太話があるよね」
「聞いたことないな、どういうの?」
春香が何気なく出した話題にこれ幸いと誠一が乗っかる。もちろん、先ほどの話題からみんなの気を逸らすのが目的だ。しかし、春香に自身の割と真面目な話を与太話扱いされたその心中が穏やかでないのは言うまでもない。悪意のない言葉ほど強力で綺麗なものはないが、時としてそれは残忍な刃となる。誠一の心は既にボロボロだった。
「あれ、みんな知らないの? 今の時代珍しい、学校七不思議」
「いや、全然」
孟徳の言葉に春香以外の者が同調する。
春香が言うにはこの学校には夜中に音楽室のベートーヴェンの肖像画の目が動くだとか、午前十二時ちょうどに学校内の鏡の前に立つと自分の後ろに鏡子さんなる人物が映る、などを始めとする七不思議なるものがあるらしく、それは今でもこの高校で語り継がれているそうなのだ。
「割と有名な話だと思ったんだけど」
「少なくとも、それらしい話は一度も聞いた事なかったかな」
皐月がこめかみを押さえながら言う。これは頭痛を堪えている訳ではなく、彼女の考え事をする時の癖だった。その事を把握していた面々、特に誠一は嫌な予感を覚えていた。
「なあ水原、何かまた変なこと考えてないよな?」
「それは期待されているフリってことで良いんだよね?」
その危惧も空しく、明らかに悪巧みをしています、と言った声音で答えた皐月にガックリとうな垂れる誠一。やっぱりか、と言った顔で一つ頷く、孟徳。「いつものパターンだからね」と言い、苦笑いを浮かべる春香。
反応は三者三様だったが、その誰もがもう、次に好奇心旺盛を地で行く皐月が紡ぎだす言葉をある程度は予想できていた。
「七不思議が本当かどうか、調べに行こう」
夜の帳が降りて人の行き来も目に見えて少なくなった深夜。肌寒い、では到底言い表せない寒さの中、防寒着をがっちりと着込んだ七不思議探索組みのメンバー四人はイルミネーションで彩られた駅前や町の中心地から大きく離れた場所にあるN高校の校門前に集合していた。
「クリスマス・イヴだっていうのに一体、俺らは何をやっているんだ」
「負けられない戦いが、そこにある」
愚痴る誠一に答えになっていない答えを返す皐月。いつだって彼女は理不尽なまでに自由気ままな行動を起こすが、誠一を始めとする三人は何だかんだで彼女の暴走には付き合う。
それは単に長い間友達として過ごしてきた、という月日の積み重ねもあるには違いないが、この子の事を放っておくことは出来ないと言うある種の保護者的な心配と、単にそんな彼女にどこか惹かれているという面もあった。
「でも、よくよく考えてみなよ、月城。この学校の眉唾モノの七不思議が本物であると証明できたら、それすなわち月城の与太話の信憑性を上げることに繋がるんだよ」
「尤もらしい事を言って何度も傷口を拡げるのは止めてくれ。さっきから俺の心の血が止まらないんだよ」
繰り返し言おう。悪意の無い言葉ほど、強力なものはないと。
「それじゃあ、無駄話はそれぐらいにしてぼちぼち行こうか。さっさと終わらせてさっさと暖まりたいし」
孟徳が白い息を宙に彷徨わせながら言った。七不思議探しが終わった後には学生らしく孟徳の家で泊りがけのクリスマスパーティをする予定なので、早くそちらに移りたいのだろうことがその口調から窺える。
時刻は午後十時二十分。校門をよじ登り、明かりが一切付いていない、暗闇の校舎内への侵入をもって、四人の七不思議探しが聖夜の下、始まった。
夜の校舎内というのはおよそ善良な生徒であるならば、入る機会は一度足りとてないはずである。しかし、幸か不幸か今宵の学校には四人の侵入者。彼らは普段自分たちの慣れ親しんでいる場所とは全く違うその雰囲気に程度の差はあれど、気圧されていた。
「ホラー映画で見るのと、自分たちの目で実際のものを見るとじゃ結構違うね」
寒さのせいか、それとも恐怖から来る心の揺れのせいかは定かではないが、ほんの少し、震える声で春香が言った。
物音一つしない、真の暗闇が覆う廊下。明かりは誠一と皐月が持つ二つの懐中電灯のみ。普通は夜中であろうとも電気を付けることは出来るのだが、そこは高校生、というより皐月。『探索』の雰囲気を重視するために懐中電灯の光のみを頼りにすることを義務付けていた。
「よし、じゃあここからは二手だな」
孟徳の号令で打ち合わせ通り、探索の効率を重視するために二人一組のペアに分かれる。誠一と皐月。孟徳と春香の組み合わせだ。
「それじゃあ、良い結果を期待してるよ」
相変わらず一切の音も無く、窓から差し込む月の光が誠一には嫌に近くに感じられた。既に一つ目の七不思議、音楽室の肖像画が動く、というものと他二つを調べ終え、結局、成果はなかった。そういうこともあって二人のモチベーションは早くも低下を始めている。
「どう、月城。何か見つかりそう?」
しばらくぶりに皐月が話しかけてきたが、その声音は楽しげだ。だが、楽しげとは言ってもそれはプラスの方向にではなく、マイナスの方向を向いているように聴こえる。要するに、感じが悪い声音だった。
「なんか引っかかるな、その言い方。元はと言えばお前が言い出したことなんだ、七不思議が見つからないからって不機嫌になるとかはやめてくれよ」
「見つからなくて不機嫌になるのは月城の方じゃない?」
「何が言いたいのか分からないな」
誠一の前を先導していた皐月が振り返る。外からこぼれた月の光に照らされたその顔は、なにか別なもののように見えた。そして、皐月の表情は歌うような口調とは裏腹に一切浮かんではいなかった。
「惚けないでよ、さっきも言ったけど、月城は不思議なものが在って欲しいんでしょ? 無いと嫌なんでしょ? 自分の見たものが嘘であって欲しくないんだから」
「今日は嫌に突っかかってくるな。そうだよ、お前が言う通り、俺は不思議なものがあって欲しいと思ってる。だからどうした、これは俺個人の想いだ。誰かに理解されたいとも思わないし、お前に干渉されるいわれもない」
皐月の理不尽な敵意についかっとなった誠一が、正論を携えて反撃した。
「『誰かに理解されたいとも思わない』、ね。嘘ばっかり。だったら今日大富豪で負けた時になんでわざわざ自分だけの夢を暴露したの? 誰かに理解して欲しかったから、肯定して欲しかったからじゃないの? 少なくとも、私には月城のそういう打算が見えた。人間って無意識にリスクは回避したがるものだし、何より罰ゲームとは言っても所詮お遊び、強制力なんてないんだから」
誠一の反論を歯牙にも掛けず、皐月は押し潰すような言葉で誠一の心を蹂躙する。何が彼女をそうまでさせるのかは分からない、ただ、皐月の目にはっきりとした怒りの色を誠一は見た。
何か言葉を紡ごうとした誠一に、まくし立てるようにして皐月が爆弾をぶつけた。
「自分のそういう夢物語を理解されたい、肯定して欲しいと思っているのなら、私が尊敬する人の言葉を借りて言ってあげる、『他人は私が本当に言わんとすることを理解できてはならない』人が人を理解することなんて出来っこない、だって他人なんだから。例え私と月城が恋人や家族だったとしてもそれは覆らない、私は水原皐月であって月城誠一じゃないんだもの。理解できないからこそ別個の人間として存在できるの。だから、そういう考えは捨てて、夢を大事にしたいのなら、それを外に持ち出さないで――」
誠一は何故こんな状況になっているのだろうと、純粋にただそれだけを考えた。相手はそれなりの時を過ごした友達で、今日はクリスマスという一般的には目出度い日だ。なのに、目の前の人はそれをぶち壊すような爆弾を放ってきている。
「私はね、月城のことは好きだよ。でもね、月城のそういうところは私、大嫌いなの」
それは否定だった。完膚なきまでの。しかも、それを少なくとも『友達』というカテゴリーに入る人間に言われたことに、誠一はショックを受けていた。
誰にでも、犯してほしくない領域というものがある。しかし、皐月は誠一のその領域を踏み荒らしていた。
「ごめんなさい」
しばらくの沈黙の後、我に返ったかのように、はっとした様子で皐月はただ一言、そう言った。その場から逃げるようにして歩いていくその背中に、誠一は何か言葉を……そう、今感じるべきはずの怒りや、疑問をぶつけようとしたが、何も言うことは出来なかった。
怒りよりも、疑問よりも、ただ、悲しかったのだ。
小さな冒険の後の帰り道。結局、七不思議は何一つ見つかることもなく、四人は孟徳の家へと向かっていた。
「結局何も見つからなかったね」
「ここまで何も無いとは思わなかったよ。夜の学校も七不思議も大したことないわ」
などと言いながら前を行く女子二人が、ちょつとした小金持ちが住んでいそうな大きさを誇る二階建ての一軒家に預かった鍵を使って入っていく。そこが孟徳の家だった。
孟徳の両親は四十代に入った今でも仲睦まじく、誠一などがここに遊びにくると偶にその様子を見せ付けられたりする。今日も二人でニコニコ顔で出かけていると、孟徳が苦笑いしながら言っていた。
「海岸に打ち上げられたクジラみたいな顔してるな。何かあったのか?」
皐月と春香に続く形で誠一も家に入ろうとしていたところだったが、その前に孟徳に声を掛けられた。その顔はおどけたような口調とは違って真剣そのもので、自分に気を使っているのだということを誠一はすぐに理解した。
「分かるか?」
「分かるさ。お前はさっき言ったように酷い表情してるし、水原は水原で表情が少しだけ陰ってた。それに学校から出て、ここに来るまでお前のほうを向こうとしてなかったしな」
「良く見てるな、恐れいった」
そう言うと流されるままに二人でドアから離れ、家を囲うブロック塀にその背中を預けた。
「正直、少しへこんでるよ。水原が言ってたみたいに七不思議がどれか一つでも良いからあることを証明できれば、自分が見たものも嘘じゃないってことに繋がると少しだけ思ってたから」
「純粋だなあ、誠一は」
くすりと笑って孟徳が言う。それは馬鹿にしたようなものではなく、思わず零れた、という風な優しげなものだった。
孟徳は昔から真剣な時には馬鹿にしたりせず、話を真摯な態度で聴いてくれる。誠一もそんな孟徳にだからこそ、深い所に沈んでいる自身の気持ちを話す。
「でも、それだけでそこまで顔色悪くするようには思えないな。水原もそれぐらいじゃあんな態度は取れないだろ」
誠一は疲れたように笑うと、先ほど孟徳たちと別れた後にあったことを話し始めた。自分の夢が、友達に否定されたことを。
「なるほどね、きっついなあ、水原も」
「俺は何か悪いこと言っちまったのかな、あんな様子の水原は初めて見たんだ」
「悪い、というようりはまあ、いわゆる地雷だよな、誰にでも埋まってるアレだ。あいつは夢とかそういう曖昧なものに本気で目を向けてる奴が嫌いだから」
「何故、と訊くのは駄目かな」
「駄目、というか意味が無いと思う。今回、地雷踏んだのはお相子だし、誠一の場合は故意に踏んだわけじゃない。この件で悪いのは一方的に仕掛けてきた水原だ。まあ、友だちとしてはどちらを悪いっていうのも気が引けるけど」
そこで一度会話が途切れた。今日は十二月なだけあって寒い日だ。ここ神奈川でも気温は一桁を切っている。
しばらく、二人の出す白い息だけが宙を舞った。クリスマス・イヴでも駅や市の中心から大きく離れたこの場所では聖夜特有の喧騒はない。あるのは少し重たくて、少しだけ暖かくて、そして澄んだ空気。
そして、孟徳が口を開いた。
「さっきも言ったけど、誠一は純粋すぎるな」
「純粋、というよりは我儘なだけなんだ。夢とか思い出とか、自分が見てきた綺麗だけど曖昧なものって、どれだけ嘘っぽくてアホらしくても否定したくないんだよ。何時まで経っても、『良いもの』であって欲しいんだ」
なんと青臭い台詞だろう、と誠一は思った。これではただの駄々っ子と変わりない。でも、それでも譲れないものがそこにあった。誰にも汚して欲しくない、変わらずにいて欲しいものが確かにあったのだ。
「俺は良いと思うよ、そういう子供の考え方。何時までも自分の大切なものを持ち続けたり、信じ続けるのって難しいことだと思うし、もし、それができるならそれはとても良いことだ。俺が保障する」
「それは心強いな」
誠一はにこりと笑った。孟徳の言葉は慰めや同情が含まれたものかもしれないが、それでもそう言ってくれる人が居るというのは良いことなのだろう。
「そういえば、孟徳は夢とか、それに類する言葉をあまり使わないよな」
ふと、思い立った誠一が尋ねてみる。その問いに孟徳はしばらく視線を宙に彷徨わせ、言葉を選ぶようにゆっくりと言葉を紡ぎ始めた。
「こう言うと冷たいやつに見えるかもしれないけど、夢とかは必要ないんだ、俺には。これは誠一の意見を否定する訳じゃなくて、生き方の違い。俺は不確かなものや曖昧なものを信じることに時間と労力を使う、なんてことに意味を見いだせないから」
それは否定ではなかった。それはただ一人の思想。
それきり二人は言葉を失くした。しかし、それは気まずい沈黙ではなく、お互いの伏せた心を見せ合ったことによる澄んだ沈黙だった。
「正反対だな、俺たち」
何気なく、誠一が言った。
「まったくだな」
孟徳がそれに応える。
「でも、友達だ」
一呼吸置いた後、示し合わせたわけでもなく、二人の声が重なる。それがなんだかとても可笑しくて、誠一と孟徳はどちらからともなく吹き出した。
ささやかな宴が終わり、一同が予想よりも早く酔いつぶれた中、誠一は一人酒の入ったグラスを傾けていた。
「みんな酔うの早すぎだろ」
両親が揃って酒豪と言うこともあってか、誠一はかなり酒に強い部類に入る。しかし、普段全く酒を飲まず、場の雰囲気を考慮してゆっくりと飲んでいた春香や飲みたがる癖に十人並の強さの皐月は兎も角、酒を持ち出した張本人である孟徳が自分よりも早くに酔い潰れるとは誠一の予想外であった。
「寝るか」
しばらく一人で飲んでいたが、パーティの終わりと言うこともあってか、一抹の寂しさを覚え始めた誠一が後片付けをするべく腰を上げると、その音色は聴こえて来た。
しゃんしゃんしゃん、と。あの日聴いた、忘れられない音。恋焦がれた音。
それを聴いた瞬間に思わず、自らの顔が驚きよりも先に笑みを形作るのが分かる。不思議と誰かが鳴らしたベルやテレビの音などと言う可能性は微塵も浮かばず、誠一は確信していた。
「もう少し、早く来てくれてたらなあ」
そうすれば、みんなに聴かせることも出来たのだが、それは叶わない。
三人を起こさないように誠一は一人そそくさと外へと向かう。鈴の音は次第に遠くなっていく。
家の外に出ると澄み切った冷気がその体を包む。だが不思議と身体は熱い。柄にもなく、自分が興奮していることに誠一は気づいた。そんな彼の鼻先に、白い花びらが当たった。
「雪だ」
黒い空から落ちるのは無数の白い雪。聖夜を彩るに相応しい、輝く六花。見上げた空の先には、小さくなっていく鈴の音に比例するように移動していく光のようなものが見えた。
このサンタクロースからの思いもかけないプレゼントに居ても立っても居られなくなった誠一は、ある魔法の言葉をくれてやりたくなった。
――あの日の自分と。
――今日と言う、素晴らしい夜に。
「メリークリスマス!」
誰も居ない、聖なる夜に誠一が口にした言葉が空に溶けていく。
信じるものは救われる。実に宗教臭い言葉だが、案外悪くないものだと誠一は思う。幼い頃に出会った小さな夢は年月を経た今、確かにそこにあって、そしてそれはとても素敵な事だったから。だから、たとえ誰かに馬鹿にされたとしても、否定されたとしても、そういう心を持ち続けるのも良いのかもしれない。
夢は叶うかどうかは分からないものだけれど、消えることはないものなのだから。