科学とは
そもそも科学なの?
科学の定義って何?
——そんなことに、僕は答えるつもりはないよ。
科学は、
人工衛星が宇宙に飛び出すには
どれだけの推進力が必要かを
示すことができる。
それだけで、十分じゃないか。
ニュートンは、
リンゴが落ちるのと
惑星が軌道を描くのが同じだと着想した。
でも、着想した「だけ」じゃダメだ。
実測とぴったり一致する数式を導き出すこと。
ぴったりが難しいなら、
結果の確率分布を示すこと。
それが「科学法則」だ。
宇宙に脱出する速度も、
その法則から導かれる。
ならば、必要な推進力は?
ロケットエンジンの燃料の質量は?
どれだけの熱が出る?
——すべて、定量的に考える。
化学反応が起きると、
エネルギーが熱として放出される。
それを記述するのが化学であり、
その熱の起源を記述するのが量子力学だ。
科学は、
好奇の問いに答え続ける。
世界を測り、予測する。
それができるから、ときには、世界を動かす。
そんな営みを、
僕たちは「科学」と呼んできた。
定義よりも、生み出される考え方。
数値を伴う考え方。
それが、僕にとっての科学だ。
この答えに、君は納得いかないだろう。
だって科学は、全能ではないし、
神がつくりしものでもない。
世界平和はおろか、
君の悩みさえ、直接には救わない。
量子力学にも、
僕の言う科学の微分方程式にも、
君を救ったり、想いで何かを
引き寄せたりする方程式はない。
あると言うなら、
それは、科学ではない。
数値を伴う予測や測定の科学ではない。
この詩は量子力学や素粒子、波動という専門用語を乱用したスピリチュアルな創作が、物理学の本棚に陳列されている現状を憂いたものです。スピリチュアル自体を否定するものではありません。科学と物理学の仮面を被るのが許容できません。
お読みいただきありがとうございます。




