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女の子って凄い

痛い。




重い。





何だこれは?頭とお腹に重りを入れて沈められてるような不快感。



人生は重荷を負うて生きるようなもの。




小学生の時の歴史資料集で徳川家康が言ったとされる名言だが、断じて物理じゃないと思う。どちらかというとこの痛みから逃げたいから、厭離穢土欣求浄土の方が近い。


俺風に言うなら「厭離激痛欣求優斗」って感じだ。濡れタオルが頭に乗ってるのか?


ここはどこだ?瞼が重い。光が眩しい。何が起きたんだろう。これ絶対あのサムシング的サムシングライクザット、そうアレだろ。てことはきっとここはサムウェア眠れる所で、サムバディ看病してるひとがいるってことか。


それって優斗だろ?ならいいや。任せよ。なんか下着気持ち悪い。替えてくれたらいいな。あ、でも、咲に頼むのは申し訳ないし、夢に頼むのもどの面下げて?って感じだな。


東畑に触られるの嫌では無いけど、彼女を優先しろってなるから優斗が良い。あいつなら不器用だけど、看病するためならネットでも咲でも使ってくれる気がする。


アイツは友達を、いや、アニキを見捨てるような舎弟じゃない。茶化してくるユーモアも持ってるけどアイツは無茶しない。


やべぇ、茶が飲みてぇ。喉渇いた。  


「あぅ。ゆぅ…と……。おれ、ぃや……わた…し、どこ?」

やべぇ、声甘ぇ。なんとなく俺と言っていい見た目じゃないこと思い出して、咲とか東畑とか呼んでそうな気がするから私と言い直した。あれ?股下の不快感ないかも?


「俺の家だ。安心しろ。無理か。男の家だもんな」と優斗の声が聞こえる。こいつ流石だな。俺の実家より自分の一人暮らしの部屋に連れてくるんだもんな。


でも、きっとワンチャン狙いではなくて近いからなんだよな。アイツ俺のことになると無茶しそうなんだよなぁ。自己犠牲的な意味で。お前はお前の幸せがあるだろうに。ここに転がってるのは中身はお前のアニキかも知れんが、見知らぬ女の子だろ?なんでそんなに必死になってるんだ?


とりあえず、応えないとな。


「だ…い…丈夫。親……言わないと。ぃたぃ。血……出てる?ぁたまも……。なに?これ……?」


「無理すんな。とりあえず、水でも飲むか?」


「ゆぅとのお茶がいい。冷たくしなくていい。喉渇いてる……。その…まま……で…いい。あり、がと……ぅ」

こいつなんで俺の背中支えてるんだ?そんなことしなくても大丈夫だと思うのに。こいつの手でかいな。安心する。


まだ、喉乾くなぁ。よし、がんばろう。


「もう1杯ほしい。ゆぅ……と。あり、がと」

飲んだと思う。


燃え滾れFIRE、真夏のBurning Heart。究極のExtreme。掴めVictory、私も始めたlive Streaming。大丈夫。私は強いStrong。ストロンチウム?


なんか海の真ん中に立ってラップしている俺がいた。ラップで包んでレンジでチンの再解釈だろうか。そっちのラップで包んでどうする。韻踏みラップで包めるのは感情であって物理じゃないだろ。


「ん……にゃ?にゅー。ぁ、おぁよ。どぉこ?」


動揺させるならこんな感じだよな。


頑張って作った女の子ボイスなのに、優斗は動揺隠そうとして、「おう。起きたか。さっき肉まん買ってきた。あとホットココアな」と俺を机に連れて行こうとする。

そんなかっこいいエスコートあるかよ。


「おっとっと。やべぇ、まだ、フラつく。肩、貸せ。頭痛い」

これは本音。マジで痛い。


親友にそう言われて断れる奴がいるだろうか。そもそも美少女に肩を貸すシチュエーションとかエロすぎるだろ。


優斗に肩を借りると「すまん。サンキューな。まだ、39じゃないから安心しろ。可愛い美少女だろ?俺」と久遠節が返ってきた。俺らしいだろ?このほうが。


「わかってるか?美少女だぞ?お前。そういうとこ台無し」


「ほい、肉まん」と手渡してきたから、ひと口食べて熱かったけど美味い。やっぱり肉まん最高。



「アニキ、今日どこまで記憶ある?」と聞かれて頭を高速で記憶戻すモードに切り替える。


「えっと……。朝起きて、美少女になってて、二度寝して、下着は、ゆうとに着けてもらって、大学行ったよな?で、……でいイェイイェイyeah、夢は?アイツ抱え込みやすいから心配だぞ?」


ほんとに夢は優しいが故に抱え込んで悩んでしまうことがある。切り替えは上手だけどよく泣く。


「夢さんは朝一緒に歩いてエレベーター乗っただろ?講義中とかは記憶あるか?」

お前自覚しろよ、優斗。お前の声イケボだからな。低くて嗄れてて、でも話し方ゆっくりで。ズルいぞ。おれそんな声出ないのに。


「ABC理論がアーベーツェーでレンジでチンした過去が空に舞って、胸にパッド仕込んだ女神で、クライアント中心療法がドジャースだっけ?なんか野球しそうな奴のアレでサムシングライクザット?」


ABC理論の奴、あれだよな。「サムシングの胸はパッド入り」みたいな奴だよな。なんか「素晴らしい世界をゴッドブレス」的な奴で見た。あー、エリスだわ。


で、クライアント中心療法ってアイツだよな。大谷じゃなくて、金色ジャース?なんかワンピース着てそうな。


ゴールド、ロジャー的な。ロジャースだわ。


「その後、アニキ倒れたんだよ。立ち上がった瞬間に机に強打してた。荷物も持って帰って来たけど、アニキ大丈夫か?」


優斗の言葉に俺は「お、おう。大丈夫……。血……出てた?頭とお腹が若干いたいいたいかもしれん。これってあの…サムシングライクザット的サムシングだよな?」と返す。



優斗は「そうだな。その日かもな。とりあえず、トイレで替えてこい。血が付いてるだろ?2時間ぐらい寝てたしな。夜用そこに袋ごと置いとくから。東畑と咲さんきてそれ置いてった」と夜用の奴を渡す。風呂は明日でいいや。重いし。


あと、カイロ。一応念のため。あと、腹巻き。警戒なんて要らない。アイツは無茶しない。小心者だからこんなサムシングの日に例のサムシングで童貞を燃えるゴミに捨てたりしない。


「おう。サンキューな。とりあえず、咲に『すまん。ありがとう。東畑にも「ありがとう」伝えてくれ』って送った」


優斗は「そうか。無理すんなよ」とまるで俺のクセがわかっているかのように返してくる。


やっぱりこいつは可愛い。だから俺は言う。


「攻めは俺だからな。優斗は総受け。これは譲らない。何があったか知らないけど、これは絶対」


後で、優斗が撮っていた寝言を聞かされた。





「FIRE……Burning…Extreme……。Victory……Stream……Strong…。ストロンチウム」



こいつ寝言ラップ撮ってやがった。


「すぐに消せ。恥ずい。ガチ発音のFIREとかVictoryが寝言で出てるの恥ずい。消して」


その後、女の子の武器、上目遣いで「お願い」とお願いする。さすがに恥ずかしいわ。  




しかもストロンチウムなんだよ。寝言で出るなよ。

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