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真田優斗編-インフィニティ-

アニキを抱えて走る。こいつは女である前に俺の親友でアニキと慕う、夢幻桜久遠その人である。


アニキとは大学の男子トイレで出会った。始まりはアイツから「1人で寂しくないのか?」話しかけてきたことだった。アイツは傍から見てるとモテていた。周りは女性ばかり、男性の友達とも仲良く話す。住む世界の違う人だと思っていた。


俺はモテなかった。そして恋も知らなかった。


初恋がアニキと被ってアニキの口から「特になんともないって」と言われた時コイツは何を考えているんだ?と思った。


それでも、何でも話せる友人で、アニキで、話が面白くて、自分の容量考えないまま予定を詰めるバカで、知識が豊富で、戦国武将が好きで、配信もできる、小説も書く、面白いやつで。


それが今は俺の背中で女の子になって眠ってる。寝顔かわいいんだろうな。信号、早く変わらないだろうか。


長い。


この信号超えたらすぐに家に着く。家に着いたらとりあえず東畑にライン入れておこう。アイツなら彼女いるしわかるだろ。


アニキだったらそうしろというだろう。生理だろうか。それともまた別の何かだろうか。確かにこの数時間で女の子になって胸の重量増えて、人の視線に晒されて、これからの手続きとかも考えているんだろう。


今こいつは何を考えているのだろう。腹減ったーなのか喉渇いたなのか、「抱いていいぞ」なのか。最後のやつだったら嬉しいな。


俺だって変態である。そう言えばアニキは下ネタ系の話結構好きだったな。人のアソコが気になるだとか性欲強いのかなだとか。


温泉も2人で行ったことあるし、アイツのは多分立派な大きさだと思う。見ないようにしていても見えてはしまうからな。


カラオケでのアイツは歌が上手くて、声が沢山作れて、面白くて、芯のある太い声と芯はあるはずなのに可愛らしい声と、演歌みたいな声も出て、本当に凄いやつだった。


昔はカラオケ嫌いだったという話も聞いたが、それからどれ程の努力をして今に至ったのだろう。


やっと信号が変わった。さて、走って帰ろう。玄関を蹴破りたいくらいに焦っていたが、鍵を空けて、布団にこいつを下ろす。


熱出てないか?汗が噴き出てる気がする。熱いのか。とりあえず、濡れタオルで様子見しながら、東畑にラインしよう。


「久遠が女になった。お前の彼女のサポートがほしい。女子って何がいるんだ?服と下着もないし、月のものセットもない。とりあえず、そのへんとスポドリとかあるか?」


文面はこれでいいだろうか。分からない。ただ、久遠を救いたい一心でラインを打つ。


無限にも思えるほど返事が返って来なかった。皮肉にもアニキが名前にしたインフィニティみたいな長さだった。


遅い。


「了解」


そう来たのは何分経ってからだろう。本当に5分か?長すぎるだろ。


アニキの寝顔を見ていた。黒髪黒目の日本人顔だが、童顔気味で、かわいらしい顔をしている。だいぶ、辛そうな表情してるから着せ替えた方が良いだろうか。


起きた時下着濡れてたら気持ち悪いよな。でも、今は触らない方がいいかもしれない。どうしようか。とりあえず、上着だけ替えておこう。


アニキが今着ている服は胸のせいでキツそうだから余裕のある俺の服に替えておこう。そう思い、クローゼットを漁る。


「漁ってもアサリはない、明後日も」なんてアニキは言うのだろうか。久遠はそういうオヤジギャグ好きだったからなぁ。


とりあえず夏用のパジャマでいいだろう。上着を脱がせ、服を着せる。上からスポっと。触れた時の柔らかさが尋常じゃなかったけど、とりあえず、安全確保してからにしよう。


東畑が来た。もちろん彼女さんも。


「すまんな。来てもらって」と出迎えると東畑が「いやいや。久遠の危機だろ?それに友だちだろ?とりあえず、これで足りるか?」と袋を抱えてきた。俺はそれを受け取り「おう。ありがとう」と返す。


とりあえず下着の下に敷いて履かせとけば良いのだろう。袋の後ろに書いてあるしな。なるほどな。こうするのか。


さて、安全確保はできただろうか。それにしても起きないな。疲れてるのか?


「あぅ。ゆぅ…と……。おれ、ぃや……わた…し、どこ?」


「俺の家だ。安心しろ。無理か。男の家だもんな」

「だ…い…丈夫。親……言わないと。ぃたぃ。血……出てる?ぁたまも……。なに?これ……?」

「無理すんな。とりあえず、水でも飲むか?」

「ゆぅとのお茶がいい。冷たくしなくていい。喉渇いてる……。その…まま……で…いい。あり、がと……ぅ」


俺はお茶を淹れて、久遠の背中を左手で支えながらコップを持ち飲ませる。そんなになるのか?あまりにも重すぎるだろ。


ゆるふわ過ぎて驚いてしまう。きっとその日なのだろう。これは俺が責任取って支えた方がいいかもしれない。親御さん苦手らしいから。仲は良いと聞いたが、アイツは親の愛をうまく受け止められてない気がする。


「もう1杯ほしい。ゆぅ……と。あり、がと」

こんなにかわいい声の人を知らない。なんだ、この可愛さは。ふわふわ過ぎだろ。


また、アニキは寝落ちした。


俺はトイレに籠もった。さすがに自制心が持たなくなりそうだったから。


戻ってきて、寝顔を見てると物凄く穏やかな顔をしていた。


30分後、久遠は布団と90度になっていた。その角度が寝やすいのか?布団の意味なくない?その後、数十分して、さらに90度回転していた。


寝息が可愛すぎる。


「FIRE……Burning…Extreme……。Victory……Stream……Strong…。ストロンチウム」


どんな夢見てんだ?なんの連想ゲーム?何これ?


アニキが小説にしていた「エビが空とんで、机が海で跳ねて、こたつの電源爆弾を魔法使いに変身して切るにして、魔法少女に変身してこたつの線ごと消す夢」並みに酷い夢だろうな。


アニキの語る夢はだいたい変なものが多い。


さて、俺も寝よう。せっかくだから抱き枕になろう。


こいつ可愛すぎんか?







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