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バイト-Infinity Operation-

「いらっしゃいませー」という私の声と共に気合を入れる。見慣れた店の景色も性別が変わると違って見える。男だった頃は気になってなかった胸への視線が気になり始めた。


男の人、結構胸見てない?私のそんなに大きい?あ、平均以上あるもんね。


「いらっしゃいませー」

お客様をレジにお迎えする時は語尾を上げる。普段より声が伸びる。めちゃくちゃ気持ちよく伸びる。コレ、強くね?今日コレ普通にHiCぐらい出てる気がする。


「いらっしゃいませ。カードはお持ちでしょうか?」

レジに来られた時は語尾を下げる。ちなみに「餅じゃねぇよ」と返ってきたことはない。


「持ってる。これ」

「ありがとうございます」 

カードを受け取り、スキャナーに通す。そして商品登録をしていく。


「ニンジン3点、ジャガイモ3点、玉ねぎ3点」

よし、ちゃんと値引きが適用されている。ちなみに3点で98円だった。安いよな。ちなみに口に出すと分かるけど、「ニンジン3点、ジャガイモ3点、3点セットで98円」と口に出すとお邪魔な魔女のオープニングが頭に流れる。


そんなことを考えながら「袋必要でしょうか?」と聞く。


「持っとーけんいらん。ありがとう、お嬢さん頑張りよ」と応援してくれた。


だから「ありがとうございます」と微笑んでから「3番会計機でお会計お願いします」と会計機に案内する。


その後、何人も通してどんどん時間が過ぎて行く。


そして、20時になってお客様が落ち着いた頃、さっき私を『お嬢』と呼んだ、古畑が話しかけてきた。


「お嬢、このチラシで気になるものございますか?お菓子程度ならすぐ、買ってまいります」

「あら、結構よ。気遣いありがとう」となんか勝手にお嬢様口調になってしまった。もっと良い返ししたかった。

「あ、そうでございますか。失礼いたしやした」


古畑、すまん。彼氏がいるからな。うちの彼氏、嫉妬しちゃうし。ああ、優斗に会いたい。でも、今日は親に言わなきゃな。家の鍵もあるしな。


そして、雑巾を集めたり、かごを集めたりしてレジ締めをした後、帰ろうとする。


「せめて、送らせてください。お嬢」

「大丈夫。私、強いから」

そう言いながらも本当は怖くて仕方がない。でも、帰るしかない。


「ただいまー。久しぶり」

そう言ってドアを開ける。母さんも父さんもなんて言うだろうか。


久しぶりの母上に「おかえり、晩飯いるんでしょ?真田君から来たわよ、連絡。自分でしなさいよ」と怒られた。 


たしかに私が中継してるわけだから自分で言えばよかった。でも、やっぱり苦手で、仕方ないよね。


「おう。別嬪やなぁ、久遠から輝奈子に名前変えたんだろ?この前の改名の時もおうたけど、綺麗やな」と父さんも一緒のような反応だった。


「今度、真田連れて来ないとね。優斗、結婚考えてくれてるみたいだから」

「もうそんな段階だったのか。夜の方はもうしたのか?」


どうしよう。ホントは物凄く「変態」と言いたい気持ちがある。だが、父親に向かって「変態」という女の子ってどうなんだろう。


だから「えっと、まだ……。だけど、……」っと言葉に詰まる。


「そうか。夜の相性も大事だからな。結論急がずにな」と相変わらず、父親っぽい不器用さだよなぁ。


とりあえず、どうしよう。優斗のお家に住みたい気もする。1人でお家に帰る時さみしいし、会えないの辛いし。どうしようかな。


「ねぇ、優斗の家で一緒に暮らしたい気もするんだけど、どうかな?」

「それは真田くんに聞かんといかんのちゃうん?」とごく当たり前、当然、It's natural.な答えが返ってきた。


「そうだね。大丈夫だよね。女の子1人で帰ってくるの、怖いけど」と言うと、「免許持ってるだろ?練習するか?」と父親が提案してくれた。


ちなみに晩御飯はハンバーグだった。美味い。やっぱりいいよなぁ。家族で過ごす時間も。


次は免許持ってるとはいえ、いきなり3ナンバー外車は聞いてない!!でお会いしよう。



3ナンバー!!!!!!外車!!あかんだろーーーー!!!!!

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