彼女になりたいのに会話下手すぎ-違うだろー-
「何が違うんだ?」
優斗の言葉に思考が遅れる。えっ?違うって言ったか?言ったつもりないが?
「いや、言った記憶ないぞ?そんな違うだろーーー!!!とか」
「思いっきり口に出てたぞ?真似したら俺の喉が一瞬で枯れる声量で」
優斗の言葉に俺は思い出してしまった。ついさっき「バズったなぁ、Listening testで……違うだろー!!!」と考えていた事を。
「あ、いや、あれだ。地下にいるウだよ、ほら地下ウ。ほら、鳥のウっているだろ?あれだ。地下ウだろー!!!って」
「アニキ誤魔化すの下手すぎ。もしかして婚姻届は、まだ、違うだろー!!!か?」
「それも……そう。まだ、早い。ほら、俺の作品読んだんだろ?とんこつラーメンキスしてから段階踏んでただろ?だから…まだ……。デートとか、ある、だろ?」
「そうだな。なら大学までデートする?手続きもあるだろうし」
優斗、俺の名前を変えてから初!登!校!なんだけど。
動揺しろよ!優斗。なんか動揺してる俺が恥ずかしいだろ!こっちは手を繋がれてるだけで……バクバクしてんだよ。演技、下手くそかよ。そっちもバクバクしてんの見えてるからな?手、震えてるぞ?無理すんなよ。
なんでそんなに下手くそな冷静なふりできるんだよ。恥ずかしいだろ!優斗、お前「冷静なふりしてます」って顔に書いてるぞ?
沈黙に耐えかねて俺が「えっと、あれ、だな、ラーメン美味かったな」と話を振ると「お、おう。そうだな。昨日だろ?」と返って来た。
「お、おう。え…っと…。普段何話してたっけ?エビとカニって甲殻類だな。甲殻類、アレルギーかも。あと、ナスとか……バナナとか…苦手で」
「知ってる。アニキ、前に言ってたぞ。大丈夫、アニキが食えんもんは俺が食べる」と相変わらず下手くそな演技で冷静なふりしてる優斗。
「まだ、……私は食うなよ。もっとおいしい、旬が来るから。まずはデートとか……キスとか…えっと服選びとか…さ。そういうのしたい」
「そうか」
おい!返事、短いだろ。もっと……こう、声聞きたいのに、な。
なんか、こう。ほら、サムシング…ライク…アレだ。
It's 時期尚早。だから、まだ、……な。
2人とも微妙に俯き加減でなぜか手を繋いでいる。手を繋ぐぐらいは男同士でもノリでやったり、したり、しそうじゃん?やったことないけど。
その沈黙が少し刺さるような……でも……心地良いような。まるで鍼だな。針を指してツボを押す。気持ちいいけど、チクチク的な。やったことないけど。
大学に着いた。ここから学生証を作るんだが、写真は先に撮っておいた。可愛すぎて抜きたかったけど、店とかでするのは違うし、見られるのとか、やだし。
学生支援課に行く途中、見覚えのある、納豆視線男がいた。
「お嬢さん、そっちの男より、僕のほうが優しいですよ?」




