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9話 「お覚悟はよろしいでしょうか?」

鳥居を抜けるとその先には小さな扉が佇んでいた。


「着きました。この扉の先が1月8日の緑町大学病院になります。さぁ、西田様…お父様に会いに行きましょう。」

「うずきさん…」

「はい、西田様。」


真央は服の袖をぎゅっと掴み


「あんないにんさん、ほんとうにありがとうございます!ぱぱにあいに、いってきます!!」


ガチャ


真央は駆け出した。もう振り向く理由はない。

誰に何を言われようと、真央は止まらない。


真央の真っ直ぐな想いに来夏は思わず涙が零れる

「さ、私達も行きますよ。」

「え、どこに?」

「どこって、まさかお母様のご依頼忘れたんですか?」


来夏はあっ…と間の抜けた声を出した。

するとさっき歩いてきた鳥居の向こうから

「ごめんね〜送れたかな?」

「鬼瓦さん!真央さんのお母様!」

「真央は無事に辿り着いたんでしょうか…?」

「はい、私共が責任をもって無事西田様を1月8日に送り届けました。問題ありません。」

「はぁ…よかった。」


母親は心底安心したように、胸をおろした。


「ですがここからですよ、西田様がお父様に会う現場を見守るという依頼はまだ終わっておりません。」

「そ、そうですよね!すみません!まだ終わってないのに安心してしまって…」


来夏は慌てて訂正する。


「大丈夫ですよ、真央さんのお母様もここまで大変な思いをしてらっしゃるでしょうし。」

「はは、ありがとうございます」

「さぁ、そろそろ皆で向かいますか!」


来夏は澄み渡った笑顔で扉を開くこうとすると、

霞は優しい笑顔で言った。


「来夏さん…先、行っててもらっていいですか?」

「…えぇと、、はい!分かりました!気をつけてきてくださいね!怪我しちゃダメですよ!」

「はは、分かってるよ〜来夏くんもね〜」


キィ…ガチャン…



「さてと、そろそろ正体を表したらどうです?

高天原の使いさん…いや……。」

「こう言いましょうか…天照の奴隷 さん。」


カチャリ



母親だと思われていた女は静かに銃口を霞に向ける


「おっと、それはご法度だよ。時空回路では死は存在しない。知らないわけではないだろう?」

「チッ…何故犯罪者を庇う!!!!水島は殺すべきだ!!そうだろう??!!」

「だが、同じ名前だからといって無実の人間を騙して襲うのは違うでしょう。」


「調べましたよ、貴方のこと、西田様の事もね。」

「まぁ黒い黒い。本当に…見るに絶えませんね。

夫殺しの「西田真子」さん。遊ぶ金欲しさに、子供だけでなく己の魂までも神に売った哀れな女。

西田様は…いや、真央さんがタイムツアーズに来た理由、それは高天原に人柱にされることを知っていたから。」

「今日を選んだのは、明日が高天原の開門日で人柱が連れていかれる前日で、最期の時間だから。

そして…貴方の時間でもある。」


霞の黄金の瞳が女を鋭く睨みつける。


「タイムツアーズ社に銃口を向けたんです。」




「お覚悟はよろしいでしょうか?」







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