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71話 覚悟

(リフォン特認実習の用紙貰ってきたよ。マリー先生には止められたけど説明したら納得してくれた。)


マリー先生に止められることで引き返してくれないかと淡い希望を抱いていたが、すぐ打ち砕かれた。もう少し頑張って説得してくれよとマリー先生に言いたいが、きっと特認実習を行うメリットを熱意を持って話して説得したのだろう。


(ちなみに行きたい場所とかあるのか?)


(最終目標は隣国のジャドゥー帝国かな。ジャドゥー帝国はエクサフォン国とは全く違った魔法を使ってるらしいんだよ!すごくワクワクしない!?)


(ワクワクするけど、今使ってる魔法を差し置いてまで別の魔法を使うのか?)


(だから最終目標なんだよ。別に何年、何十年かかったって僕は魔法を極める。僕は学園長が言ってた賢者を超える魔法使いになるのが夢なんだ。そのためにはまず今使ってる魔法を極めて、次はジャドゥー帝国の魔法を学ぶんだよ。魔法を極めるには実戦が1番だってお父様が言ってたから特認実習をやるって決めたんだ。リフォンはついてきてくれる?)


リベルの熱意、夢、理想は痛いほど良くわかる。俺だって前世とは違う魔法があるこの世界でもっと魔法の事を知りたい、学びたいとは思う。でもあまりにも早計ではないのかと思ってしまう。リベルはまだ14歳にもなっていないし、俺はこの世界に来て1年も経っていない。なのにリスクのある特認実習をやるのは…


「リフォン!聞いてる?」


(ご、ごめん考え事をしてたんだ。)


(前向きに考えてくれてる?)


(魔法を極めることは俺も賛成だ。でも早くないか?リベルはもうすぐ14歳で俺は使い魔として召喚されて1年も経っていない。こんなに早くて大丈夫なのか?魔物と戦って負ける可能性だってある。盗賊みたいな悪者だっている。そんな状況でまともに特認実習できるのか?俺は心配と恐怖が魔法への探究心を上回ってるんだ。)


俺は胸の内を曝け出した。やっと幸せになれたのに自分から危険に晒されるのは怖い。死ぬ可能性だって大いにある。そんな状況に行こうと手を出されてその手をすぐに取れる者はそう多くないだろう。現に俺は手を取れないでいる。そんな俺の気持ちを理解したのかリベルは俺の目を見て話し出した。


(いつまでもそのままで良いの?本当にそれがリフォンの限界なの?リフォンはもっと高みを目指せるそう確信してる。安全な場所では学べないことがたくさんあると僕は思ってる。そして、その学べないことは安全な場所から一歩踏み出さないと見つけられない。でもそれは多くのリスクを伴ってる。怪我をするかも知れない、命を落とすかも知れない。でもきっと僕とリフォンならそんなことない。これは僕の我儘だってわかってる。でもリフォンならそんな僕の我儘聞いてくれるよね?)


(やっぱり怖いよ…)


(僕がリフォンを守るから安心して。)


リベルは俺を優しく抱き抱えた。


(リフォンが怖い時は僕がこうやって安心させてあげるから。)


(うん…)


(僕と人生賭けてくれる?)


(うん。)


(絶対守ってあげるからね。)


リベルは俺を強く抱きしめた。リベルの覚悟を確かに感じた。覚悟を決めたリベルの思いに応えるために俺も覚悟を決めた。今までのクヨクヨしてた自分とはおさらばして心を入れ替えた。守ってもらうばかりでは使い魔失格だ。主人を守って時には守られるそんな協力関係をこれからリベルと築いくそう心に誓った。

次回もお楽しみに


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