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60話 休暇の間に

異世界に転生した俺はリフォンという名を貰い猫生を送る事になった。でも優雅に生きて死ぬだけでは面白く無い。異世界に転生したのに勿体無い。異世界を思う存分堪能してやる!

(久しぶりに王都に来たけどなんか雰囲気変わってない?)

(確かに少し違和感を感じるね...)


 俺たちは普通に王都を歩いていると不思議な違和感を感じていた。人が全くいないなどのように分かりやすい違和感ではなく、人の内面に抱える感情が前と変わった感じだった。


(何だかみんな警戒してる感じかな?)

(確かにそんな感じがするな。)

(でも何が原因なんだろうね?)

(俺たちが屋敷に帰っている間に王都で何かあったのかもしれないな。)

(とりあえずアイテミーさんにでも聞いてみる?)

(そうしようか...)


 俺たちはアイテミーの店に行った。


「お久しぶりです。」

「長期休暇はどうだったかな?」

「魔法の訓練を行えたのでかなり有意義な休暇になりましたよ。」

「そうかい、それは良かった。」


 アイテミーはどこか疲れているような顔をしている。リベルもそれを感じ取ったのか聞いた。


「何だか疲れてそうですけど大丈夫ですか?」

「最近王都が物騒でね...」


 アイテミーは何だか話し辛そうにしている。だが、俺たちは王都で何が起こったのか知りたかったため聞く事にした。


「何があったんですか?」

「魔神教団とか言う奴らだよ。最近王都の住人を襲っているんだ。」

「魔神教団が!?」

「その様子だと知らなかったようだね...」

「お父様は何も話してくださらなかった。もっと詳しく教えてください!」


 リベルはカウンターに身を乗り出して話を聞いた。そんなリベルに根負けをしてアイテミーは話し出した。


「長期休暇が始まって学生たちがほとんど帰省して王都に久しぶりの静けさが訪れた頃に奴らが動き出した。春の虫のように好機をじっと待っていたようで嫌悪感を覚えるよ。奴らはやりたい放題だ。闇魔法に対抗できる人が少ないから有効打を与えられないんだ。闇魔法は魔力感知に長けている人は体が拒否反応を示すようなんだ。だから対抗できる人が少ないんだ。君たちが戻ってきてくれたから前よりはかなりマシになっているけど、まだ嫌な感じは残ってるね。」

「被害に遭った人たちはどうなったのですか?」


 アイテミーは首を横に振るだけだった。リベルは拳を強く握りしめた。


「ありがとうございました。アイテミーさんも気を付けてください。」

「あぁ分かってるよ。」


 俺たちは店を後にした。今日学園は休みだったが俺たちの間に流れる空気は重たく休日を楽しめるような空気ではなくなった。寮の部屋に帰るまで俺たちの間に会話はなかった。


 魔神教団の目的が何なのか、何故生徒たちがいる間は手を出さなかったのか、被害に遭った人たちはどうなったのか何も分からない。でも、確かに王都で何かが起こっている。俺に出来ることは少ないだろうが、少しでも力になるために今までとは考え方を一新する必要がある。

次回もリフォンの猫生をお楽しみに。


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