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59話 みんなの変化

異世界に転生した俺はリフォンという名を貰い猫生を送る事になった。でも優雅に生きて死ぬだけでは面白く無い。異世界に転生したのに勿体無い。異世界を思う存分堪能してやる!

「おっはよう!」


リベルは元気な声でクラスの扉を開けながら挨拶をした。


「「「おはよう!」」」


みんなの元気な声が返ってきた。リベルは嬉しそうにみんなの元に駆け寄り楽しそうに話をしている。


(アイツらはなんだ?)

(俺たちのクラスメイトだ。一緒に魔法を学ぶ仲間って感じだ。)

(俺もそのくらすめいと?ってやつになれるか?)

(もうなってるよ。)

(本当か!?なんだかムズムズするな!)

(ムズムズするのか?嬉しいとかじゃなくて?)

(嬉しい…のかもしれない!)


チャヤは今までずっと真っ暗な所で1人でいたから嬉しいと言った喜怒哀楽を感じる機会が少なかったから、今自分がどんな感情を抱いているのか分からないのだろう。


「リフォン!」

「ンニャ?」

「行くよ!」


俺はどこに行くのかも分からずとりあえずリベルの後ろについて行った。しばらく走っていると既視感のある所に着いた。


(ここって…)

(新入生挨拶をした所だね。今日から新学期が始まるから学園長の挨拶とか事務連絡をするんだって。)

(なるほどな。)


俺たちは用意された席に着いた。前とは違い学生の席だったから落ち着いて話を聞いていられる。


「リフォン。」


誰かが小さな声で俺を呼んだ。その声のした方に顔を向けるとアインがいた。


「ニャ?」


俺はアインに要件を聞いた。


「私の膝の上に乗ってほしいなって…」


俺はそんな事で呼んだのかと呆れたが、大した事でもなかったので俺はアインの膝の上に乗った。


「はわわ…やっぱりおっきい…」


アインは少し動揺していたが少しすると俺の事を撫で始めた。アインはぎこちないながらも顎や額などを撫でられ心地良く、俺は気付かぬうちに喉を鳴らしていた。そんな事をしていると学園長の話が始まった。


「1年生のみなさんは約半年ぶりの帰省に幸せな時間を過ごしたと思う。2年生以上のみなさんは目標や課題に向かって自主的に魔法の訓練をしていたと思う。だが、休息も大事だ。私もメリハリはきちんとつける。でないといつか体が壊れてしまう。自分の体の事は自分にしか分からない。時には自分に甘くなる事を頭の片隅にでも置いておくように。」


なんだかすごくあっさりした話に1年生は拍子抜けをしているが、2年生以上の生徒は顔色ひとつ変えていなかった。


(なんか学園長って感じじゃなくてお爺ちゃんって感じだったね。)

(親しみやすくて良いと思うな。)

(そうだね。)


それから事務連絡を終え教室に戻った。


「10分後から2限が始まるから屋外競技場に移動しておくように。みんな初めてだと思うから先に言っておくと、長期休暇で鈍っていないか確認するための試験が待っているから心構えはしておくように。」

「「「えーーーーー!?」」」


皆口々に文句や不満を言っている。だが、誰1人として嫌そうな顔をしている者はいなかった。リベルも同様だ。少しワクワクしているようにも見える。


(楽しみなのか?)

(そりゃあそうだよ!だって特訓の成果をみんなに披露出来るんだよ!)

(魔力切れにはならないようにな。)

(分かってるよ。)


みんなの足取りがいつもより軽いのは屋外競技場に行くまでに把握出来た。


「みんな長期休暇はたのしめたかな?」


屋外競技場にはハイネ先生がいた。久しぶりに見たけど前より疲れているように見えた。おそらく長期休暇の間も先生には仕事があるのだろう。それか、マリー先生のように研究をしていたのだろう。


「みんなマリー先生から聞いていると思うけど、今日は試験だよ。試験と言っても、みんなの実力を測るための試験だから点数はつけない。だからと言って手を抜いたりはしないように。分かったかな?」

「「「はーい!」」」


1人ずつ試験を受けた。最初はリベルだ。リベルの実力は知っていたので見る必要もないと思いぼーっとしていた。


「リベル!戻るよ!」


はっとした。いつのまにか眠っていたようだ。熟睡し過ぎてて魔法の音や衝撃でも起きなかった。


(なぁみんなどんな感じだった?)

(試験の話?)

(そう。)

(みんな長期休暇前より2割増しって感じだったよ。でも僕には敵わないけどね。)

(そんな話は良いから、みんなの事を聞いてるんだ。)

(分かったよ。みんな魔力コントロールの精度が格段に上がっててそれが要因だと思うよ。魔力量や出力を増やした感じじゃなくて、工夫したって言うか扱い方を覚えた感じかな。)

(そうか。ありがとう。)


みんなの実力を自分の目で見れなかったのは残念だが、楽しみが増えたと考える事にした。


(今日の授業はもう終わりだから帰ろう。)

(うん。)


今後みんなの実力は右肩上がりに伸びていくだろうが、その上がり幅は年々小さくなる。その上がり幅をどうやって広げていくのか見るのが楽しみだ。

次回もリフォンの猫生をお楽しみに。


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