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57話 チャヤとの日常

異世界に転生した俺はリフォンという名を貰い猫生を送る事になった。でも優雅に生きて死ぬだけでは面白く無い。異世界に転生したのに勿体無い。異世界を思う存分堪能してやる!

(リフォン起きて!)


チャヤの声に目を覚ました。


(どうしたんだ?)

(遊ぼ!)

(何して?)

(分かんないけど遊ぼ!)


俺が猫だから良かったものの人間だったら怒り心頭でもう一度眠りについていただろう。


(とりあえず外に行くか?)

(うん!)


チャヤは子供のようだった。それも仕方ないだろう。気がついたら階層ボスの部屋でそれからずっとひとりぼっち。誰かと時間を共にするなんて初めてだろうからテンションが上がっているのだろう。


(夜空ってこんなにも綺麗なんだね!)


チャヤは影がある所なら存在出来るため、夜は色々な所に姿を現している。おそらく見えるのは野生動物や使い魔だけだろうが。


(どこか行きたい所はあるか?)

(うーんとね…)


チャヤはしばらく考えて一つの答えを出した。


(水がある所!)

(水?何で水なんだ?)

(泳いでみたいから!)


俺は見えざる手で地面を抉りそこに水魔法で簡易的なプールを作った。


(すごいすごい!リフォンの魔法初めて見たけどこんなにすごかったんだね!)


チャヤはジャバジャバと水遊びをしている。その光景に俺は父性を覚えた。


(水遊びは楽しいか?)

(うんとっても楽しいよ!)

(なら良かった。)


俺は地面に座り込みチャヤをしばらく眺めていた。


(楽しかった!)


俺はプールから上がったチャヤを火魔法と学園長から貰った風魔法のアイテムで、ドライヤーのようにしてチャヤを乾かしてあげた。


(リフォンって何でも出来るね!神様みたい!)

(本当に俺が神様だったらどうする?)


俺は悪戯心でチャヤに聞いてみた。


(別に何もしないよ。だってリフォンはリフォンだもん。)


俺はチャヤを試すような事をした事を後悔した。


(次は何をする?)

(魔法を教えて欲しい!)

(分かった。まず何の魔法が使えるのか試してみようか。)


俺はチャヤに魔法の使い方を教えてチャヤがどれか1つの魔法を出来るまで待った。チャヤは時々俺の事を見つめてきたが、俺は自分でやりなさいと言った。それからしばらく待っているとチャヤから嫌な魔力を感じた。その魔力は闇魔法だと確信した。


(使えたよ!)


チャヤは嬉しそうに言うが俺はその魔力に不快感を覚えるばかりだった。チャヤが魔物なのか魔族なのか魔人なのか分からないが、闇魔法を使えるということは少なからず人間に害を与える存在なのかもしれない。


(よ、よし…良い感じだな。次は火と水のどちらかを使えないかやってみよう。)

(分かった!)


チャヤは一生懸命に火魔法を出そうと頑張っているが、俺は闇魔法になったりしないかとずっとハラハラしていた。


(出来ないよ…)

(そうかじゃあまた今度にしよう。)

(分かった…)


チャヤは少し残念そうに返事をした。久しぶりに闇魔法の魔力を感じたからか分からないが、俺の体は少し震えていた。それが恐怖からか闇魔法のせいなのかは分からない。


(リフォンってどれだけの魔法が使えるの?)

(火、水、光だな。風と氷はアイテムを使う事で使えるんだ。)

(合計で5種類も使えるの?すごいね!)

(チャヤもいつか出来るようになるよ。)

(頑張る!)


俺の役目はチャヤをこのまま良い子のまま成長させて、人間に敵対しない存在にする事だと誓った。俺たちはリベルの部屋に戻り再び眠りについた。


「おはよ!」

「おはよう。」


俺はリベルと2人でダイニングルームに行き朝食を食べた。いつも通り他愛の無い会話をしながら美味しい朝食を食べ終えた。


「リフォンちょっといいか?」

「分かった。」


俺はそのままグロウの後ろについて行きグロウの部屋に入った。


「早速なんだが、昨日の深夜何をしていた?」

「えーっと…チャヤと遊んでました。」

「本当に遊んでいただけか?」

「遊んでいたのは本当だ。でも途中からチャヤが魔法を使ってみたいと言い出したから自由にさせていたんだ。そうしたら闇魔法を使ったってだけなんだ。」

「そうか…」


グロウは何か言いたそうだったが何も言わなかった。

次回もリフォンの猫生をお楽しみに。


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