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54話 魔法特訓2日目

異世界に転生した俺はリフォンという名を貰い猫生を送る事になった。でも優雅に生きて死ぬだけでは面白く無い。異世界に転生したのに勿体無い。異世界を思う存分堪能してやる!

昨日女神から教えてもらった魔力を感じ取る事が魔法の極意と言う事を信じ、朝早くから体内にあるであろう魔力を感じ取る特訓をしていた。


「リフォン朝御飯だよ。」

「ん。」


俺はリベルに呼ばれダイニングルームに向かった。


「おはよう。」

「「「おはよう。」」」


いつも通り朝御飯を堪能しつつグロウが魔力感知に長けている事を思い出しグロウにコツはないか聞いてみた。


「グロウ、魔力を感じ取る上で何か気をつけている事とか意識している事はあるか?」

「私は生まれつき魔力感知に長けていたからあまり力にはなれないと思うが…教えられるのは魔力の見え方をぐらいだぞ。」

「それでも良い教えてくれ。」

「私には魔力はとても薄く向こうが透けて見えるぐらいの布の様に見える。だが魔力の見え方は人によって違う人もいれば同じ人もいる。だから同じかもしれないし、違うかもしれない。それに魔力を見えるようになるにはかなりの時間がかかるから、すぐに見えないと落ち込む事は無い。長い目で見るようにしなさい。」

「分かった。ありがとう。」


俺は朝御飯を食べ終えるとリベルの部屋に戻り魔力を感じ取る特訓を再開した。魔法を使いその際に体内を流れる魔力を感じ取る事は出来るのだが、魔法を使っていない時に魔力を感じるのがあり得ないほど難しい。魔力は五感で感じ取る事がほぼ不可能なほどの存在なのだ。


俺は1つ良い案を思いついた。常に魔法を使っていたら、常に魔力を感じ取る事が出来るのだと。さらに、その状態に慣れればいつか魔法を使わずとも魔力を感じ取れるようになると思った。物は試しだと俺は学園長に貰った風と氷のアイテムに小さな火の玉を作るより少ない魔力を流した。


俺は1つの矛盾に気がついた。ごく僅かな魔力は流せるのに何故魔力を感じ取れないのかと。そこで俺は体内にごく僅かな魔力を循環させてみた。当たり前だが魔力を感じ取る事が出来たのだ。なら何故魔力を流そうと思わないと体内に流れないのか、魔法を使う時や魔力を流している間でないと魔力を感じれないのかなど様々な疑問が浮かんだ。すぐにグロウに聞きに行こうとも思ったが、それでは自分のためにならないと思い仮説を立てグロウに提唱し、答えを教えてもらうことにした。


俺の仮説はこうだ。


1.魔力は魔法を使う時や魔力を流そうと思わないと一般人には存在していないのと同じレベルの存在ということだ。グロウのように魔力感知に長けている人なら感じ取れるレベルの存在なのだ。


2.魔力は空気中にあり、魔法を使う時に空気中の魔力を取り込むかどこかに集めて魔法を使っている。俺の場合は魔法を使う時に体内で魔力を感じ取れる事から、魔力を体内に意図的に流さないでも魔法を使える事が出来ると思った。


3.魔力は言霊のような存在で、魔法を使うと思ったり、魔力を流すと思ったりしない限り人間に影響を及ぼさない存在。


今立てた仮説を自分で確かめる事にした。


まずは1だ。一度火魔法で蝋燭に火を灯した。その時に流れた魔力の感覚を覚え、魔法を使わずに魔力を感じ取れるのか試した。結果は全く何も感じる事が出来なかった。


次に2だ。先程と同じ条件にするために蝋燭に火をつけるようにした。俺は先に空中に魔力を集めるイメージをした。空中にボールが浮かんでるようなイメージでそこに魔力を集めてみた。結果は成功した。体内で魔力を感じる事はなくだからと言って集めた場所に何かを感じると言う事も無かった。そしてその集めた魔力に小さな火の玉のイメージを持たせると、小さな火の玉が出来た。蝋燭に火を灯した。


最後に3だ。これは確認のしようが無いためリベルの部屋にある本に載ってないか部屋を探してみた。しばらく本棚を探したがそれらしい本は見つからなかった。俺は諦めてグロウに聞きに行く事にした。


「グロウ、今大丈夫か?」


俺は扉の外から呼びかけた。するとすぐにグロウが出てきた。


「どうしたんだ?」

「聞きたい事があって来たんだ。」

「そうか少し待っていてくれ。区切りの良いところまでやる。」


俺はソファの上でゴロゴロしながら待っていると本棚に興味深い本がある事に気づいた。俺はその本を見えざる手で取り読み耽った。内容は魔力に関する事だ。その本はかなり簡単に魔力について書いておりあまり専門的ではないと感じだ。だが魔力の基本が書いてあるところにこう書いてあった。魔力は世界中どこにでも存在している。一般人には感じづらいが、魔力感知に長けている者は一般人の感覚は永遠に分からないだろう。俺が本を読んでいるとグロウの仕事がひと段落ついたようで俺の相手になってくれた。


「聞きたい事はなんだ?」

「この本にも書いてある魔力の事だ。この本には世界中どこにでも存在しているが、一般人には感じづらいと書いてある。そもそも魔力とは何なんだ?」

「魔力は魔法を使う動力源だ。馬車を引くには馬の力が必要不可欠だろそれと同じだ。」

「魔力は空気中にあって、魔力は魔法の動力源で、その魔力を感じ取れる人はグロウみたいな一部の人だけと言う事しか俺は分かっていない。ここに来る前に仮説を立てたんだが、その内の2つがもう意味をなさなくなった。あと1つあるんだが、それは魔力は魔法を使うと思ったり、魔力を流すと思わないと人間には影響を及ぼさない存在なのか?」


俺は最後の仮説を話した。


「おそらくそうだ。今この部屋にある魔力はリフォンの周りに漂っているだけだ。リフォンが魔法を使おうとすると、その周りにある魔力が動力源となり魔法が使えるようになる。私が言えるのはこれだけだ。まだ魔力については分かってない事が多いんだ。何故魔力が魔法の動力源なのかや、何故魔力は魔法を使おうとする時以外は人間の体に流れないのかなど分かっていない事だらけなんだ。リフォンが魔力と魔法の事を研究して魔法の発展に寄与してくれるとリーンやリベルの子供たちには良い影響が多いだろうな。」

「頑張ってみるよ。ありがとうまた聞きたい事が出て来たら来るよ。」

「役に立てるように精一杯勉強しておくよ。」

「ありがとう。」


俺はグロウの部屋を後にしてリベルの部屋に戻った。この世界の魔法や魔力は退化しておりそのあたりの情報も失われてしまったのだろう。その謎を解き明かすのは思っているよりも楽しいものになるかもしれない。前まではただ生きている事が幸せで生きている理由なんていらないと思っていたが、生きているうちにその幸せが当たり前となり生きる意味を求めた。そして今、俺がこの世界で生きる意味を見つけた瞬間だ。

次回もリフォンの猫生をお楽しみに。


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