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48話 ドワーフの街

異世界に転生した俺はリフォンという名を貰い猫生を送る事になった。でも優雅に生きて死ぬだけでは面白く無い。異世界に転生したのに勿体無い。異世界を思う存分堪能してやる!

 俺たちが地下迷宮から戻って1ヶ月が経った。普段通りの日常を送って幸せを噛み締めている。夏の長期休暇が近くなりみんな帰省の準備を始めている。そんな俺たちには1つ気掛かりな事があった。


(リフォン、ドワーフたちの街に行ってみない?)

(行きたいけどまた地下迷宮を攻略しないといけないのは面倒だな。)

(学園長にお願いしてテレポートさせてもらおうよ。)

(図々し過ぎないか?)

(僕たちのおかげなんだからある程度の要望は通るでしょ!)


 そう言うとリベルは俺を抱き抱え学園長室がある塔に向かった。


(リフォン、学園長にもらった風魔法のアイテムで一気に登ろうよ。)

(分かったよ。)


 俺はリベルの下に空気の塊をイメージしてそれを風で押し上げた。普通に階段を魔法で登るよりもずっと楽だった。


「失礼します!学園長、ドワーフたちの街にテレポートさせてください。」

「ちょうど良いところに来た。最近忙しくて光魔法のアーティファクトを渡せていなかったから悩んでおったんじゃ。ほれ。」


 学園長は俺にアーティファクトを手渡した。それは水晶の様に綺麗だった。水晶の中に白と黄色が混ざったような色の模様があった。


「これに魔力を流せば良いのか?」

「そうじゃ。リベル君は離れておいた方が良いと思う。」

「わ、分かりました。」


 リベルは俺を地面に降ろし少し離れた。俺は2人と十分に距離が取れてる事を把握してアーティファクトに魔力を流し込んだ。その瞬間学園長室は眩い光に包まれた。


「うっ!」

「眩しっ!」


 しばらくすると目が開くようになりアーティファクトを確認すると中にあった模様は綺麗さっぱり無くなっていた。


「何か変わった事はある?」

「い、いや特に分からないな…」

「いずれ分かる事じゃそれよりドワーフの街に行くんじゃったな連れて行こう。」


 俺たちは学園長に連れられドワーフの街に行った。


「1ヶ月経っただけだから特に変わってないね。」

「そうだな。」

「駐屯させてるだけで特に変わって無いからの。」


 俺たちはドワーフの街の門に着いた。

「貴方は1ヶ月前に来たリベルさんですよね?お久しぶりです。」


 そこには族長がいた。なぜ門の近くにいたのかは不思議だったけどその疑問はすぐ晴れた。俺たちの後ろから神輿の様な物がドワーフたちによって運ばれて来た。それは武器と防具を祀っているようだった。


「今日はお祭りですか?」

「そうなんです。今日はここに避難して来た日なので1年何事も起こらない事を祈ってお祭りをしているんです。」


 その様子に俺はめちゃめちゃ日本やんと心の中で突っ込んだ。


「それより今日はどうしたのですか?」

「僕たちこれから長期休暇に入るからしばらく顔出さないと思ったのと、保護されてから何か変わった事は無いかなって思って来ただけだよ。」

「そうですか。私たちは快適に過ごせております。これもリベルさんのおかげです。ありがとうございます。これから先何か入り用がありましたらぜひ申しつけてください。必ずお力になります。」

「本当ですか!?ありがとうございます!」


 リベルはドワーフとの友好関係を築いたとテロップが出そうな場面だ。リベルのコミュ力は目を見張るところがある。


「腹が減ったの。2人は何か食べるか?」

「僕はこの街で有名な物!」

「俺は味の薄い物を。」


 族長はお祭りの指揮を取っている。街が一丸となってお祭りをしているからその活気と熱量がこっちまで伝わってくる。お祭りだから様々な出店が出ている。学園長は牛串の様な物を、リベルはこの街のドワーフたちの間で流行っている鶏肉の様な物を揚げた食べ物を食べている。俺は使い魔が食べれるような物が無いと分かりリベルの持っているジャーキーを食べた。


「特に問題は無さそうじゃの。お祭りを楽しんだら帰るとするか?」

「そうですね。今欲しい武器や防具は無いからお祭りを楽しんだら帰りましょうか。」


 俺たちがお祭りを楽しんでいると1人の男性に出会った。

「アルフレッド様じゃないですか!どうしたんですか?」

「久しいなトーマス。ここには慣れたか?」

「全体的に少し小さいんで腰に負担が掛かりますけどなんとかなってます。」


 俺たちは学園長が親しげに話す人を見てるとその人もこちらに気づいた。


「あちらが今回の功労者の?」

「そうじゃ。1年生のリベル君とその使い魔のリフォン君だ。」

「は、初めましてリベル・ペタフォーンです。こっちはリフォンです。よろしくお願いします。」

「おうよろしくな!俺はトーマス・テラフォーンだ。妹のナサリーが同級生としているだろ?素直じゃないけど仲良くしてやってくれよ。」

「は、はい!」

「リフォンって言うのか、デケェ猫だな!これからよろしくな!」

「ニャ!」


 トーマスは俺の右手を握りながら挨拶した。そして去り際に俺の事をワシャワシャと撫でてどこかに行ってしまった。


「もう帰るか?」

「他の駐屯してる人たちも気になるけどいい時間だし帰ろうか。」

「うん。」


 俺たちは学園長のテレポートで学園に帰った。


「今日はありがとうございました。次会うのは長期休暇後になると思います。それまでにもっと強くなって帰って来ますのでその時はご教授してくださいますか?」

「約束しよう。その時にワシの強さも見せるとしよう。」

「言いましたからね!そじゃあさようならアルフレッド先生!」


 俺たちは寮の部屋に戻り帰省の準備をした。リベルは久しぶりに家族のみんなに会えるからかとても楽しそうに準備をしていた。


(みんなと別れの挨拶はしたか?)

(まだしてないなー。みんなどこにいるのか分からないからなー。)


 そんな話をしていると部屋の前が騒がしくなった。


「リベルいるー?」


 ハーリーの声が聞こえて来た。リベルは部屋の扉を開けた。


「どうしたのって…本当にみんなどうしたの?」

「長期休暇でしばらく会えないのとリベルが使い魔競技会1位になったのをお祝いするパーティをしたいんだけど良い?」

「もちろん!」

次回もリフォンの猫生をお楽しみに。


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