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47話 謁見

異世界に転生した俺はリフォンという名を貰い猫生を送る事になった。でも優雅に生きて死ぬだけでは面白く無い。異世界に転生したのに勿体無い。異世界を思う存分堪能してやる!

 俺たちは学園長のテレポートで学園長室前にテレポートした。


「学園長!」

 リベルは勢いよく学園長室の扉を開けた。そこにはサラーマを撫でている学園長がいた。


「ようやく帰って来たと思ったらそんなに急いでどうしたんじゃ?」


「地下迷宮の5階まで進んだらそこにはドワーフがいました。そしてドワーフが言うには更に下の階にも魔族がいて、ドワーフたち含め魔族たちは魔神教団から逃げて来たとの事です。彼らはエクサフォン国に保護してもらいたいそうです。ドワーフは武器、防具をその他の魔族は戦力になるそうです。」


「なるほどとりあえず国王に会いに行くか。」


 俺たちは学園長のテレポートで国王に会いに行く事になった。俺たちはテレポートでエクサフォン城の門に着いた。門番は急いでこちらにやって来た。


「ア、アルフレッド様!?急にテレポートして来てどうなさったのですか?」

「急用だ。国王に謁見したい。」

「少々お待ちください!」


 門番は急いで確認しに行った。


「学園長の名前ってアルフレッドだったんだな。」

 俺は周りに誰もいない事を確認して小声で聞いた。


「言って無かったか?」

「初めて聞きましたよ。カッコいい名前ですね。」


 俺たちが話をしていると門番の人が息を荒げながら帰って来た。


「ご、ご案内致します…」


 俺たちはエクサフォン城に入った。


「お久しぶりです。アルフレッド様。」


 そこには学園長と同い年程の男性がいた。


「久しいのセバス。積もる話もあるがまずは国王じゃ。」

「分かっております。早速参りましょう。」


 俺たちはかなり歩き一際大きな扉の前まで来た。


「理解しているとは思いますが失礼の無いように。」


 そう言うと大きな扉が開いた。中の豪華絢爛さに息を飲んだ。そして王座に座る国王は以前見た時よりも近いからかデキル大人のオーラを感じる。リベルたちは片膝立ちで頭を下げている。


「面をあげよ。よく来た、私に何の用かな?」


 アルフレッドがリベルに目配せをしてリベルが言葉を発した。


「お初にお目にかかります。国王陛下、私は公爵家次男のリベル・ペタフォーンと申します。今回は地下迷宮の件をご報告に参りました。」

「地下迷宮の事か、申してみよ。」


「はい。私はアルフレッド様の命により地下迷宮を攻略しました。4階までは魔物がいる迷宮だったのですが、5階にはドワーフが住んでおりその下の階も魔族が住んでいると聞きました。彼らは魔神教団から逃げてあの地下迷宮辿り着いたと申しておりました。彼らはエクサフォン国に保護して頂きたいと申しております。その対価としてドワーフは武器と防具、その他の魔族は戦力になるという提案をしました。彼らを保護する価値は十分にあると思います。」


「逆に保護しなければ魔神教団の力が増すかもしれないという状況か…」

「おそらくは…」


 国王は少し考えた後答えを出した。

「保護する事には賛成だ。だがどのように保護するれば良いのか私には分からぬ。アルフレッド、助言をくれないか?」

「はい。地下迷宮は一度攻略されると魔物が再び現れるまでかなりの時間を要します。ですので地下迷宮の入り口付近に兵士を駐屯させ、ドワーフがいると言う5階にも駐屯させるのはどうでしょう?」

「悪くは無いだろうがそれではかえって目立ってしまうな…」


 2人が悩んでいるとリベルが口火を切った。

「国王陛下、これはドワーフに聞いたのですが、5階に駐屯させる人数は数名にして欲しいとの事です。彼らは魔神教団のせいで人間を恐れております。ですので強くそして信頼出来る人物を駐屯させて頂きたいです。」

「そうか…5階に駐屯させる人物は私が決めよう。しかし魔神教団に地下迷宮の事がバレて攻め込まれた時の事が難しいな…」


 3人が悩んでいるとルネスが言葉を発した。

「国王陛下、進言してもよろしいでしょうか。」

「申してみよ。」


「風魔法が得意な者、例えばアルフレッドさまなどに地下迷宮の入り口を隠してもらうのはどうでしょうか。更に5階にアルフレッド様のテレポートを魔法陣として書き、いつでも兵士を送り込める状況にする。その魔法陣を通じて地下迷宮の者たちが逃げる手段にもなりますが、魔神教団に利用される危険性もあります。なのでその魔法陣に光魔法で特定の条件を決めて魔神教団の者には利用させて無いというのはどうでしょうか。」

 ルネスの案は理想的だが労力と時間がかなりかかりそうだ。


「悪くは無いが、アルフレッド出来るか?」

「時間さえ頂ければ。」


 今の姿の学園長はいつにも増してカッコよく見えた。


「アルフレッド頼んだぞ。」

「は!」

「公爵家次男、リベル・ペタフォーン。此度の働き見事であった。何か褒美を寄越そう。」


 リベルは少し考えて言った。

「地下迷宮にいる魔族たちを護ると約束してください。彼らの心の傷は未だ癒えておりません。私たちが干渉する事を好ましく無いと思っている魔族もいると思います。どうか寛大なご判断を。」

「ははは!リベル・ペタフォーン、私はお前を気に入った!自分の事より他者を優先するその心は国王に必須だ。お前の要求には必ず答えよう。しかし私も何か形として残る物を贈りたいのだ。使い魔に何か欲しい物が無いか聞いてみよ。」


(どうする?)

(ならアーティファクトが欲しいな。)


「アーティファクトが欲しいとの事です。」

「分かった。宝物庫で欲しい物を1つ選んで来い。その間に私はアルフレッドと地下迷宮の具体的な保護の仕方を模索しておく。子供は子供らしく自分のしたい事欲しい物を望めば良いのだ。リベルよ其方にもアーティファクトを贈ろう。これは褒美ではない、私が贈りたいと思ったから贈るのだ。」

「ありがとうございます!」


 俺たちはセバスに導かれ宝物庫に着いた。その中は綺麗に整理されており剣やハルバード、盾などの武器が置いてあるコーナーと防具が置いてあるコーナー、杖や魔法石など魔法に関するコーナー、アイテムが置いてあるコーナー、そして見た事もない物が置いてあるコーナーがあった。そこにアーティファクトがあると俺の勘が言っている。


「こちらです。」

 セバスが案内してくれた所はその見た事もない物が置いてあるコーナーだった。


「気に入った物は私が説明致しますので申してください。」


 俺たちは各々自由に見た。指輪の様な物だったり、ネックレス、イヤリング、ピアス、ただの石に見える物だったり様々だ。その中で1つだけ異様な雰囲気を放っていた。


(それが良いでしょうね。)

 また女神が助言してくれた。いつもいつも女神に助けてもらってばかりだ。


(リベルあれが良い。)

(これ?)

(そう。)


 リベルが取り出したそれは歯車が2つ組み合わさっている物だ。それをセバスに渡した。


「これですか…」

 何やら渋い反応を示した。


「何か不都合な事があるんですか?」

「そう言う訳では無いのですが、これはどう使うのか、どのような魔法が現れるのか一切わかっていないのです。」

「そうですか。リフォン本当にこれで良いの?」

「ニャー。」

「良いそうです。僕はこれで。」


 リベルが渡したのは黄色の魔法石が付いた指輪だ。

「分かりました。こちらは光魔法のアーティファクトです。光魔法の適性が無くても使えますのでご心配なさらず。このアーティファクトは光魔法の恩恵とは違い、術者本人の加護を与えられるといった物です。ですので術者本人の強さや魔法適性の高さが高い程強力な物になります。質問はありますか?」

「僕が使い魔に加護を与えた後に使い魔が僕に加護を与える事は可能ですか?」

「2人1組までは可能です。それ以上は先に加護を受けた人から除外されます。他に聞きたい事はありますか?」

「無いです。」

「それでは国王陛下の元に戻りましょうか。」


 俺は歯車のアーティファクトをどう持とうか悩んでいるネックレスの様な形に変わった。俺は少し驚いたが首にかけた。


「戻ったか、3人はもう帰ってもらっても構わん。学生の本分は勉学だからな。リベルの執事も疲れたであろう。ゆっくり休んでくれ。3人には大金貨10枚を贈ろう。それと国王推薦は2人で決定だな。アルフレッド送ってやってくれ。」

「はい。帰りますよ。」


 国王の人柄はとても良く、親しみやすい人だった。国王推薦を貰えたことは何よりも僥倖だ。俺たちはセバスに大金貨を貰い学園に帰って来た。


「ワシはもう一度国王陛下の所に戻るから3人はゆっくり休むんじゃぞ。」


 俺たちは寮の部屋に戻り、ルネスは屋敷に帰って行った。

次回もリフォンの猫生をお楽しみに。


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