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転生するなら貴族の飼い猫でしょ  作者: 描空
1年生編

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33話 使い魔競技会まであと三日

異世界に転生した俺はリフォンという名を貰い猫生を送る事になった。でも優雅に生きて死ぬだけでは面白く無い。異世界に転生したのに勿体無い。異世界を思う存分堪能してやる!

「今日は二限とも魔法学だよ。一限は教室、二限は魔法競技室だから把握しておいてね。」


 マリー先生は教壇にアイテムが入った大きな箱を置きながら言った。俺はそれが気になり覗きに行った。


「気になるかい?」


「ニャー。」


 そう言うとマリー先生が手に取って見せてくれた。それネックレスのようで小さな魔法石があった。


「これは二限に使うアイテムだよ。」


「ニャー?」


「どんなアイテムかって?これは魔法防護のアイテムだよ。でもみんなの制服の魔法防護より等級は低いからあんまり意味無いけどね。」


 俺はアイテミーの所でリベルから聞いた言葉を思い出した。魔法防護は使える人が少なく希少という事だ。流石はエクサフォン学園と言ったところだろうか。


「二人で何の話してるんですか?」


「リフォン君に魔法防護のアイテムを見せていたんだよ。リベル君も見るかい?」


「魔法防護のアイテムなんて希少なのに僕たち学生に使わせてくれるんですか?」


 リベルは当然の疑問を投げかけた。


「アイテムとしてはすごい優秀だけど君たち学生の制服と使い魔のアクセサリーの方が等級高いよ。」


 俺たちが身につけているのはイエローでこのアイテムはレッドなのだろう。エクサフォーン国としては学園の生徒は宝だろうし一人でも失いたく無いから等級が上から二番目のイエローの魔法防護を制服そして使い魔に身につけさせているのだろう。


 一限の始まりを告げる鐘が鳴った。


「魔法学始まるから座りな。」


「はーい。」


 俺はリベルに抱き抱えられ席に座った。


「今日は魔法防護についてだよ。まず君たちの制服にかけられている魔法防護から説明しよう。魔法防護の等級は知ってるよね?」


「ホワイト、イエロー、レッド、ブラックです。」


「そう。君たちの制服はイエローだ。そしてここにある魔法防護のアイテムはレッドだ。この事から国が君たちの事をどれだけ大切に思ってるから分かるね。この事を知っている生徒は多いけど、制服にかけられている魔法防護の効果は知ってるかな?」


 俺も含めみんな何も言えなかった。


「逆に良かったよ。知られていたら魔神教団などに情報が流れてしまうかもしれないからね。今回の事は他言無用だよ。」


 みんなが固唾を呑んだ。


「そんなに構えなくて良いよ。一つ目は普通の魔法防護だよ。と言ってもイエローだから普通の魔法では怪我はしないよ。でも三、四年生以上ならイエローでは完璧には防げないけど致命傷にはならないから安心してね。二つ目は魔法反射だよ。これも上限があるから避けられなかった時にお祈り程度で反射してくれる物だよ。三つ目は魔力吸収だよ。文字通り喰らった魔力を吸収してくれるんだ。これも上限があるから永久機関みたいにはならないよ。」


 これでイエローなのだからホワイトはどんな性能なのか一度拝見してみたいものだ。


「物理には弱いんですか?」


 ターガーがマリー先生に質問をした。


「残念ながらそうだね。だから剣術の授業が六年間あるんだよ。もし襲われてもみんななら魔法でどうにかなる事が多いから物理的に弱いんだよ。」


 不意打ちならヤバくないかと思ったけど今から物理的な防護をかけるのは難しいだろうし、王都でそんな事をする一般人はいないだろうが魔神教団だけが気がかりだ。


 一限の終わりを告げる鐘が鳴った。


「次は魔法競技室だから移動してね。」


「「「はーい。」」」


 俺たちはマリー先生の後ろについて行った。その光景はまさにアヒルの子だった。先生は一瞬だけ後ろを見てすぐに前を向き直した。先生の肩は小刻みに震えていた。


「みんなこれ一つづつ取ってね首からかけてね。」


「マリー先生リフォンたちにはどうしますか?」


「使い魔は今回させないから大丈夫だよ。」


 俺は見学と聞き落ち込んだ。なんせ見ているだけだから暇なのだ。


 二限の始まりを告げる鐘が鳴った。


「二人一組でペアになって互いに弱い魔法を撃ち合ってアイテムの効果を実感して。」


 リベル、ハーリーペア。アイン、ワーナーペア。ナサリー、ソフィーペア。ヤハス、ハンスペア。メアリー、ラーヤペア。カナタ、ターガーペアになった。かなりバランスの良いペアになったのではないかと思う。


「ペア出来たね。最後にもう一回言うけど本当に弱い魔法にしてね。怪我はしないけどネックレス壊れる可能性あるから慎重にね。」


 みんな慎重に魔法を相手に撃った。相手に魔法が当たる瞬間ネックレスの魔法石が光魔法を消した。みんな初めて見るのか目をキラキラさせていた。みんなが何度も試しているうちに俺は眠くなって目を閉じた。

 俺は複数人に撫でられている感覚で目を覚ました。


「ニャー…」


 あくびをしながら周りを見ると俺の上にハリス左右にアフィーとナーガがいた。このクラスの使い魔大集合だった。そんな俺たちを愛でているのが各主人だった。周りにはもう誰もいなかった。とっくに授業は終わっていたらしい。


(リベル待たせたか?)


(ううん。みんなが幸せそうに寝ている顔を見てたら時間なんてあっという間に過ぎてたよ。)


 そう言うリベルは満面の笑みだった。


(みんなが起きるまでもうちょっと待ってあげて。)


(分かってるよ。)


 俺はみんなが起きるまでもう少し寝た。


「リフォンまだ寝てるの?」


 ハリスの声に目を覚ました。


「ニャーン。」


「おはよう。みんな起きたから一緒に帰ろ。」


「ニャン。」


 ハリスとは仲良いとは思っていたがアフィーとナーガも俺の近くで寝るぐらいには信用してくれているのは少し嬉しかった。


「良い機会だしみんなで食堂行かない?」


「良いねちょうどお腹も空いてきたし。」


「賛成。」


「俺も賛成だ。」


「私も!」


 そのままみんなで食堂に行きリベルたちは自分の使い魔の好きなところやかわいいところなど使い魔雑談をして昼御飯を食べた。みんな美味しそうにそして楽しそうに食べるからみんなから幸せオーラが出ていた。三日後には使い魔競技会で敵同士になっているのに当人たちは何も気にしていないようだ。競い合う仲ではあるが友達には変わらないから特に気にしていないのだろう。


「それじゃあね。」


「また明日。」


「じゃあ。」


「またね。」


「バイバーイ!」


 各々の部屋に帰っていった。ハリスは最後まで楽しそうだった。前のハリスは守りたいってなん感じだったけど、今は元気が有り余っていてそれをみんなに分け与えるようになり俺も元気をもらっている。


「リフォンー!」


 リベルが俺を抱き上げベッドに飛び込んだ。


「幸せー!」


 俺のモフモフとベッドのフカフカに囲まれて幸せなのが分かるから余計にリベルが羨ましくなる。でも猫になりたいと女神に言ったのは俺だから仕方ないと諦めてリベルをより幸せにする事に尽力した。

次回もリフォンの猫生をお楽しみに。


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